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本格モバイルMOBA「Vainglory」日本上陸イベントを開催
逆転可能な白熱試合を開発者自ら体現! StanSmith氏によるポイント解説も
(2015/4/8 19:59)
Super Evil Megacorp(SEM)は、iOS/Android用マルチプレーヤー向けバトルゲーム「Vainglory」の日本上陸記念イベントを開催した。
「Vainglory」は、プレーヤー3人対3人で戦うMOBA形式のゲームで、日本サーバーを設置するなどの準備期間を経ていよいよ日本上陸を果たした。iOS版が配信中で、利用料金は無料。ビジネスモデルはアイテム課金制。対応機種はiPhone 5s以上、iPad 2以上。
「Vainglory」の概要やゲームに対する哲学などは以前お伝えした記事のとおりだが、今回の日本上陸記念イベントでは「Vainglory」、ひいては「MOBAジャンル」などが改めて紹介されていった。
タッチスクリーンでコアゲームを。本格MOBA「Vainglory」が日本に登場
イベントに登壇したのは、SEMのCEO & Co-FounderであるBo Daly氏、そしてCOO & Executive DirectorのKristian Segerstrale氏。Daly氏は「Vainglory」について「、子供の頃に遊んだ、面白くて美しく、強いキャラクターデザインのゲームが作りたかった」と説明。また深く遊べるもの、友達と遊べるものが目指されたという。
Segerstrale氏は本作について、「コンソール/PCゲームをタッチスクリーン入力のプラットフォームに持ってくることが目的だった」と話し、5年以内にコアゲームはタッチスクリーンによって遊ばれているはず、という予言をすると共に、「Vainglory」は1日平均75分間遊ばれていること、3月の実績だけでTwitchで視聴数70万、YouTubeで視聴数150万を計上していることに触れ、すでにそれが実現しつつあることを示した。
またインタビューでもSegerstrale氏が繰り返し述べていたように、この場でも「コミュニティの形成を再優先すること」が改めて語られた。SEMではユーザーベースでもなく、マネタイズベースでもなく、コミュニティベースでものを考えるようにしているそうで、「Vainglory」の動画配信者や実況者を今後サポートしていく。
なお新ヒーローの登場周期は3、4週間程度であり、これは「その『ヒーロー』がどのビルドにも対応できるよう調整するため」であることが説明された。また会場からは日本語チャットシステムの実装について質問があったが、「日本語はひらがなや漢字といろいろあって難しい」ということで、取り組むが実装時期は未定とされた。
会場ではほかに、「Vainglory」の特徴についてすでに600戦をプレイしているというゲームキャスターのStanSmith氏が解説した。
「Vainglory」は「League of Legends」に代表されるいわゆるMOBAジャンルであるが、本作のポイントは「シンプルでありながら奥深いところ」にあるとした。
MOBAジャンルには陣地同士を結ぶ「レーン」と呼ばれる通路がいくつか存在するものが多いが、本作では「レーン」は1つだけで、味方陣地と相手陣地を挟むようにして直線の通路「レーン」と入り組んだ「ジャングル」があるという構造になっている。
構造としてはシンプルなのだが、ジャングルの中央にアイテムを購入できる「ショップ」があったり、ゲーム経過時間4分、15分でターニングポイントがやってきたりと、常にプレイの駆け引きが発生し、ここが奥深い要素となっている。
ちなみに経過時間4分では、味方NPC「ミニオン」を強化できる「ミニオン鉱山」や資金をより稼げる「金鉱山」が出現し、経過時間15分では倒すことで敵の陣地へ攻める味方となる巨大モンスター「クラーケン」が出現する。特に「クラーケン」は重要で、戦局を大きく揺るがす効果を持っている。
またそれ以外にも、StanSmith氏は操作キャラクターとなる「ヒーロー」にも親子がいたり、あるキャラクターの妻が違うキャラクターに殺されている過去を持っているなど、バックグラウンドのストーリーを楽しめるのも特徴であり、その一方で「ヒーロー」の名前に開発者の名前をそのまま付けてしまう(タカやスカーフがその代表)ような「インディーズっぽさ」も持ち合わせているタイトルだと説明した。
ちなみに会場で「『Vainglory』以外に準備中のタイトルはあるのか?」と質問したところ、「将来的には考えたいが、まずは『Vainglory』のコミュニティづくりにフォーカスしたい」という答えが返ってきた。
SEMとしては本作はまだまだ未完成という認識なようで、その完成度は「10%」なのだという。毎月魅力的なアップデートを行なっていくと同時にコミュニティをユーザーと共に作り上げることで、「Vainglory」を少しずつ拡大していきたいとした。
強固な連携で劣勢を逆転! 日本チーム対SEMチームのエキシビションマッチ
会場ではこのほか、「Vainglory」とAppBankが協力してプロモーションを行なっていくことが発表された。AppBankでは公式攻略サイトの立ち上げを皮切りに、4月25日、26日開催の「ニコニコ超会議2015」の2日目にて「Vainglory」の実況プレイなどを行なっていく予定。
会場ではAppBankのゲームファイター氏が登場し、協力体制の説明を行なうと、スマホの翻訳アプリを使って「対戦しましょう」、「対決のためにチームメンバーを揃えてきました」と丁寧な口調でSEMに挑戦状を叩きつけた。
というわけで会場には早速タブレットが6台用意され、Daly氏とSegerstrale氏を含むSEMチームと、ゲームファイター氏率いる日本チームでエキシビションマッチが開催されたのだが、相手メンバーの位置を知ることができる「フレア」や「スカウトトラップ」を多用し、メンバーが固まってにらみ合いを効かせるような、割とガチな試合が組まれることとなった。
本作は3対3人のチーム戦となるため、メンバー同士の連携が如実にモノを言うゲームとなっている。日本では配信されたばかりであるが、日本チームは実に慣れた手つきでプレイしており、不用意に飛び出したSEMのヒーローを確実に仕留めていくなど、序盤から圧倒的に優位な展開を見せた。
序盤で躓き、キル数や獲得資金数で大きく差をつけられ、「ミニオン鉱山」を2つ制圧されたSEMチームだったが、開発者の底力はここから。3人がまとまって動き、同じく3人で固まっていた日本チームに対して総攻撃をしかけ、一網打尽に仕留めることに成功する。
具体的には、「アーダン」の「ガントレット」で包囲し、「セレス」の貫通弾「ソーラーストーム」と「グレイヴ」の火力で叩いた格好で、先手を打った戦略が功を奏して2人のキルに成功。数で優位に立ったSEMチームは今度はクラーケンを倒しにかかり、そのキャプチャー(味方化)も成功した。
こうなると形成逆転で、クラーケンは日本チームのタレットを倒して突き進む。キル数では及ばないが獲得資金では逆転し、勝負はわからない方向へと転がっていった。
試合は結局、SEMチームが敵の目前で「アーダン」の大技「ガントレット」を打ってしまうという凡ミスを犯し、そのクールタイムにつけ込まれて負けてしまうのだが、プレイ次第で逆転も可能なゲームであることを証明したエキシビションマッチであった。
試合の中盤から後半にかけては、試合が動く度に会場から歓声と拍手が起こるなど、観客としても面白く観戦できるゲームであることが確認できた。もちろん、プレーヤーとして参加するのも楽しい。チュートリアルも充実しているので、MOBAをプレイしたことがないという方もこれを機会にプレイしてみてはいかがだろうか。