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「ファイナルファンタジーXV」、台湾XPECとの共同開発を正式発表

XPEC担当のゲーム後半のトレインパートをノーカットで披露。“Cat Cam”も提案!

1月28日〜2月1日開催



会場:Taipei World Trade Center

 Taipei Game Show最終日に実施されたプレイステーション 4版「ファイナルファンタジー零式HD」のステージイベント。同作ディレクターの田畑端氏とマーケティングマネージャーの大藤昭夫氏が登壇し、ゲームの紹介と中文版の発表が行なわれた。その模様については別稿で詳しくお伝えするつもりだが、イベントの後半で、ひとつ大きなサプライズ発表が行なわれた。

「FFXV」の開発パートナーとしてXPECが紹介された
熱意たっぷりに喋りまくる許氏

 同じく田畑氏がディレクターを務める「FF」シリーズ最新作「ファイナルファンタジーXV」の紹介に合わせて、開発パートナーとして台湾XPECが紹介され、初公開シーンを含む最新バージョンのデモンストレーションが披露されたのだ。本稿では「FFXV」の内容に絞ってお伝えしたい。

 「FFXV」の紹介パートでは、開発パートナーとして台湾XPECが紹介され、XPEC会長の許金龍氏と、開発担当の王彦凱氏が登壇した。

 許氏は「『ファイナルファンタジー』シリーズに関われることはとても誇りに思っています。社内にもシリーズのファンが多く、夢が叶ったという想いがあります」と挨拶し、それを受けて田畑氏は「『FF XV』は規模の大きなタイトルで、その中でもXPECさんはとても高い技術を持っておられるので、今回私たちの方から協力をお願いしたんです」と共同開発に至った経緯を説明。しかし、残念ながら現在XPECが担当している部分はゲームの後半部分であり、残念ながら会場のファンには見せることができないという。

 しかしここで突然許氏が「ちょっと待って!」と叫んだ。「どうしてもお見せしたいムービーがあります、がんばって用意をしてきたんです。お願いします」と頭を下げた。これは全く打ち合わせになかったことらしく(!?)、田畑氏と大藤氏は顔を見合わせたが、会場から大きな拍手があり、完全に許氏のパワーに押し切られ、「もうしょうがない、見せましょう」と観念し、初公開映像が公開された。

 公開された映像は、12月の「ジャンプフェスタ」で流された“列車シーン”のノーカット版。主人公のノクトが雪に包まれて凍えそうになっているシーンと、その前に人が立っているシーン。映像はわずか数秒だったが、ゲーム後半の初公開シーンということで、田畑氏と大藤氏は慌てた風にして「冷や汗をかいた」とコメントした。このシーンはXPECが丸ごと開発を担当しているということで、開発力の高さを伺わせてくれる。

【列車シーン】
PS4らしいハイクオリティなグラフィックス表現が印象的な列車シーン。このシーンはすべてXPECが制作したものだという

 映像はこれだけで終わらなかった。次の映像は、XPECからの“提案”として、ジャンプフェスタで公開された犬の視点「Dog Cam」に対するXPECとしての提案として、「Cat Cam」を公開した。言うまでも無く、これもまたXPECが開発したもののようで、プレーヤーは今度は猫となり、柵を越えたパイプの上など、人間キャラクターでは行けないような場所を探索することができる。

 映像では猫が開発中のマップを歩き回り、えさを食べたり、他にも多くの猫がいたり、猫ならではのかわいらしい仕草が楽しめた。田畑氏が「皆さん猫好きですか?」と会場に問いかけると、ファン達は大きな歓声と拍手で答えた。このCat Camがゲームに実装されるかどうかは、Dog Camと同様明言はされなかったが、許氏は来場者の反応に満足したかのように、「みなさん『FINAL FANTASY零式HD』を買ってください!」と大きな声で挨拶し、ステージを去って行った。相変わらずパワフルな人物だ。

【Cat Cam】
猫になって人間キャラクターでは入れない場所にどんどん足を踏み入れて探索をしていくという映像。パイプや列車の上まで移動できるなど、かなり遊び方を拡張する提案となっている

質問に答える田畑氏
許氏はスクウェア・エニックスに対して繰り返し感謝の言葉を述べていた

 今回の提携について田畑氏は、「ある部分をそのまま丸ごと開発してもらっているのではなく、全体的なベースは東京の開発チームが作り、所々をを様々な開発会社と共同で開発しています。XPECさんには後半のある部分を共同で開発しています」と答えてくれた。

 XPECは台湾の本社に開発センターとアートセンターがあり、アートセンターではアウトソーシングの形式でアセットを発注しているが、開発センターは東京のチームと一緒に作業する形で開発を進めている。XPEC側にもゲームデザイナー、エンジニアなどゲームを開発するスタッフを立て、東京のチームとの「合同チーム」を作って開発を進めているという。田畑氏はこうした日台での開発スタイルについて「HD形式の開発では今後は珍しくない形になると思いますが、ちょっとモダンな作りをしていると思います」とコメントしてくれた。

 ステージイベント終了後、許氏に話を聞くことができた。許氏は契約の関係で、「FFXV」の開発状況について、今回ステージで発表した以上の内容は話せないということだったが、提携発表について「水面下で開発は進めていたが、今回、Taipei Game Showの場で公開しようとスクウェア・エニックスさんが声を掛けてくれた。こういう場で弊社との共同開発を発表することができてとても嬉しいし、そういう機会の場を与えてくれたスクウェア・エニックスさんに感謝したい。台湾のデベロッパーが日本のこのようなビッグタイトルの開発に携わることができて嬉しいです」と興奮気味に語ってくれた。

 発表内容については「今回紹介したのは、ジャンプフェスタで公開した列車シーンの完全版です。ジャンプフェスタではお見せできなかったシーンも含んでいますが、これらはすべてXPECが開発したものです。ゲームデザイン、プランニング、グラフィックスまで含めて弊社が担当しました」と補足説明してくれた。

 許氏は契約を理由に「これ以上のことは田畑さんに聞いて下さい」と、それ以上のことについては話してくれなかったが、XPECとスクウェア・エニックスとは、過去にも「ヒットマン」や「トゥームレイダー」においてパートナーシップを交わし、XPECが開発の一部を担当した経緯がある。スクウェア・エニックスのフラッグシップタイトルである「FFXV」の開発の一部をXPECが担当するというのは、台湾ゲーム史においてエポックメイキングな出来事であると同時に、スクウェア・エニックスとして何としても「FFXV」を完成させたいという強い意志を感じさせる。完成が待ち遠しいタイトルだ。

(中村聖司)