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台湾ファンが小島監督を大歓迎! 「METAL GEAR SOLID V」イベント

SCETローカライズチームの熱い想いで、シリーズ初の中国語版発売決定

1月28日〜2月1日開催

会場:Taipei World Trade Center

 今回のTaipei Game Show 2015でもっとも盛り上がったのが、1月31日に行なわれた、「METAL GEAR SOLID V: THE PHANTOM PAIN」のイベントだろう。KONAMIの小島秀夫監督が登壇する前からステージの周辺はキャパシティを超えるファンで埋め尽くされてしまった。

 台湾ファンは本当に日本のクリエイターに対して熱く、激しい好意を寄せてくれるが、小島氏への声援はより一層大きかった。そして「METAL GEAR SOLID X: THE PHANTOM PAIN」の繁体字中国語版の発売が発表されると、その勢いは最高潮に達した。ファンが向ける「METAL GEAR SOLID」シリーズへの愛情に圧倒されるイベントだった。

これまでで1番の人気! 小島監督に寄せられる熱い声援

KONAMIの小島秀夫監督
熱狂的に歓迎する台湾ファン
繁体字中国語版の発売決定に会場の盛り上がりは最高潮に

 イベントでは小島氏は熱狂的な声援で迎えられた。小島氏が「台湾は僕が子供の時見た風景に似ているところがあって、食べ物がおいしく、とても好きな国の1つです」と語ると、大きな歓声が上がった。

 そして小島氏はシリーズ最新作である「METAL GEAR SOLID V: GROUND ZEROES」の特徴を語った。本作と、「METAL GEAR SOLID V: THE PHANTOM PAIN」の2作は、2つで「METAL GEAR SOLID V」となる。「GROUND ZEROES」では「METAL GEAR SOLID PEACE WALKER」で主人公のスネークたちが基地を作り大きくしたのに、それがすべて壊されてしまう。

 その9年後、スネークが目覚めるシーンから始まるのが、「THE PHANTOM PAIN」となる。スネークは散り散りになった仲間を集め、ミッションをこなしつつ復讐を行なっていく。小島氏は「『PEACE WALKER』をプレイした方は、『GROUND ZEROES』ですごいインパクトを受けると思うんです。そして9年後の『THE PHANTOM PAIN』につながる。シリーズを通じてプレイすると気持ちの入りようが違ってきます。もちろん回想シーンなどで補完はするのでシリーズ初挑戦の人でも大丈夫なようには作っています。また前作に戻ったりと、順番を変えてプレイしても楽しいと思います」と語った。

 そして小島氏から、「METAL GEAR SOLID V」の特徴が改めて語られた。「METAL GEAR SOLID V」はオープンワールドのシステムとなっている。シリーズは最初から敵の本拠地に進入し、任務を達成するゲームだが、これまではハードの性能などで一本道の展開になっていた。しかし、「METAL GEAR SOLID V」では“本物の潜入の醍醐味”を実現するため、潜入ルートや方法を自由にアプローチできるようにオープンワールドを採用し、“自由潜入”をキーワードに現在「THE PHANTOM PAIN」を制作している。

 “自由潜入”では「時間」、「天候」が大きな意味を持ってくる。敵地に行くために、馬や車両、へりなど使う乗り物で状況は大きく変化する。そして昼間に占有をしようとすれば見つかりやすいが、こちらも周囲の状況を確認しやすい。敵の位置や状態などを確認しやすい。一方夜は敵の多数が眠ってしまっており、真っ暗で進入しやすいが、状況がわかりにくい。また、雨や砂嵐で、視界が変わり、潜入の状況も変わる。敵の中には雨宿りするものもいるという。

 そして「THE PHANTOM PAIN」のマップの広さは「GROUND ZEROES」の200倍以上。「作るの大変です」と小島氏は語った。また、ユーザーをサポートするシステムとして「バディシステム」が用意されている。現在は「クワイエット」という女スナイパーと、「DD」という犬の存在が明らかになっている。バディはミッションに一緒に連れていくことで親密度が上がり、強くなっていく。1人で潜入するのと、バディを連れて行くのでもかなりゲームのプレイ感覚が変わると小島氏は語った。

 もう1つの特徴が「マザーベース」だ。「PEACE WALKER」ではデータで表示されていた拠点が、「THE PHANTOM PAIN」では自由に歩き回れるようになっている。ミッションの間にマザーベースに帰るとどんどん大きくなっているのが確認できる。イベントも用意されており、物語の伏線となるストーリーが展開する。さらに「FOB」という前線基地があり、ネット上で友人の基地に潜入できるという。

 ここで司会から「開発で最も苦労した点は?」と聞かれると、小島氏は「開発はこれまでで1番大変です。自由潜入を実現するためにゲームエンジンも一新、組織そのものも変更して挑んでいます。お楽しみください」と語った。

 そしてここからいきなり雰囲気が変わった。羊のコスチュームを着たコンパニオン達がステージ上に現われ、背中を向けたのだ。小島氏がコンパニオンの背中のシールをはがすと「賀中文化決定」の文字。「METAL GEAR SOLID V: THE PHANTOM PAIN」の繁体字中国語版の発売が決定となった。シリーズ初の中国語化に、ユーザー達は爆発的な歓声を上げ、その情報を喜んだ。中国語化はPS4/PS3エクスクルーシブで、さらに「GROUND ZEROES」の中国語化もあわせて決定し、ユーザー達の拍手と歓声は一層大きくなった。

【ステージイベント】
作品の歴史を振り返り、現在制作中の最新作「METAL GEAR SOLID V: THE PHANTOM PAIN」の魅力が小島氏から語られた
コンパニオンによる中国語版の告知と、ファンへのプレゼント
小島氏の作品の何が世界中のファンを魅了するのか? という質問に、「わかってしまうと作れなくなるのではないか」と小島氏は答えた

 繁体字中国語版の発売に関して小島氏は、「中国語に限らず、世界中に私たちのゲームを楽しんでもらおうとローカライズをしてきたんですが、地域によってはいったん英語にしたり、ローカライズがうまくいかなかったことがありました。その悩みに対してSCETのローカライズチームは『愛を持って取り組みたい』といってくれたんです。クオリティも確約できるといってくれ、初めての中国語版の発売が実現しました」とコメントした。

 小島氏はローカライズに関しては、以前、英語を介してのローカライズで苦い思いをしたことがあった。しかし、今回SCETのローカライズチームが立候補してくれた。クリエイターとローカライズという関係ではなく、一緒にゲームを作る近い距離感でできる、一緒に開発をする気持ちで、一緒にローカライズができるという気持ちで取り組んでいく。「今回に関して、ローカライズは心配してません」と語った。

 また、台湾の印象に関して、「以前もすごい熱気で迎えてくれて驚いたんですが、今回はさらにすごかった。ステージにたどり着けないんじゃないかという混み具合で……ぜひもっと日本のクリエイターにきてほしいと思います」。

 筆者も、「台湾ファンの心をここまで強くつかむのは、自身の分析でどこだと思うか?」という質問をしてみた。小島氏は「全くわかりません」と答えた。ユーザー達の声援を受けるのはとても幸せだ。しかしなぜそこまで熱い思いを寄せてくれるか、小島氏は世界中でたくさんのユーザーから応援されているが、「何故か?」というのは、「わかってしまうと作れなくなるのではないか」という想いを持っているという。この辺かな、と思うこともあるが、その答えはあえて出さない。「わからないうちが華、ということで作り続けたいと思います」と小島氏は答えた。

 「これまでの作品をPS4でリメイクするとしたら、どれがいいか」という質問に対しては、小島氏は現在のオープンワールドのシステムで、最初の「METAL GEAR SOLID」を挙げた。しかし小島氏は新作を作っているのでとてもそちらまで手が回らない。是非誰かに作ってほしいと思っているのだが、立候補する人がいない。「エンジンも、ツールもあるし、皆さんが遊びたいのも最初の『METAL GEAR SOLID』だと思うんですよね。やれるんならそこからかもしれない」とのことだ。

(勝田哲也)