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PS4リモートプレイをスマホ・タブレットで快適に!
ゲームコントローラーマウント「GCM10」ハンズオンレポート
(2015/1/15 13:00)
ソニーは、スマホ、タブレットでプレイステーション 4のリモートプレイを行なう時に役立つゲームコントローラーマウント「GCM10」を発表した。対応機種はXperia Z3、Xperia Z3 Compact、Xperia Z3 Tablet Compact。発表に先駆け、実際に製品を試す機会を頂いたので、どのような製品なのか、使用感などを詳しくお伝えしていこう。
着脱手軽で、「DUALSHOCK4」にしっかりフィット、スマホ・タブレットをばっちり固定
ゲームコントローラーマウント「GCM10」は、PS4用コントローラー「DUALSHOCK4」にスマートフォンやタブレットを固定するためのマウント・アタッチメントだ。似たようなスタンスの製品は他メーカーから発売されてはいるが、ソニー純正の製品は初めてになる。1月24日発売で、販売予想価格は3,000円前後となる。
DUALSHOCK4のタッチパッドやOPTIONS/SHAREボタン、PSボタンなどの操作の妨げにならないようマウントの前半分はフレーム構造になっていて、背面側もUSB端子部分を開口してある。前面のライトバーのみ隠れてしまうが、リモートプレイに使う製品なのでこちらは問題ないだろう。
下にある押しボタン式のフックで前面と背面が開くようになっていて、DUALSHOCK4に被せてからフックを「カチッ」と手応えがあるところまで押し込めば装着は完了。脱着時も押しボタンを押せばすぐに外せる。着脱は手軽に行なえた。
タッチパッド取り付け部がアーム状に伸びていて、根元はヒンジ構造になっている。角度は大体120度ぐらいの幅を自由に調整可能で、重量のあるタブレットも装着する場合を想定していることもあって、ヒンジはかなり硬め。タブレット装着状態で揺らした程度では角度は変わらず、根元を持って「ググーッ」と力を込めて初めて角度を変えられる。プレイ中に動いてしまわず、それでいて自由な角度をつけられる上手い硬さと感じられた。
スマートフォンやタブレットは、大きな吸盤を背面にくっつけて固定する仕組み。吸盤の裏にレバーがあり、レバーを倒すと吸盤内の空気が押し出され密着する。
“吸盤で固定”と聞くと、「プレイ中に外れちゃいそう」と思う方もいるかもしれないが、当日試した限り、この固定力は相当なものだ。手で無理矢理に引きはがそうとしてもはがせなかったし、DUALSHOCK4ごとぶんぶん振り回してみてもビクともしなかった。もちろん、ちゃんと密着させているのが前提ではあるが、仰向けに寝て顔の上に持ってのプレイも問題なくできそうだ。
PS Vitaよりも高解像度でPS4リモートプレイを楽しめる! 専用アプリ側の対応機種拡充に期待
こちらのマウントはPS4でのリモートプレイ用に向けた製品ということもあり、対応機種はAndroidアプリ「PS4 Remote Play」に対応している中から「Xperia Z3」、「Xperia Z3 Compact」、「Xperia Z3 Tablet Compact」の3種類となっている。PS4リモートプレイ自体は「Xperia Z2 Tablet Wi-Fi」も対象だが、このマウントだと重量や安全性からもスマートフォンから8インチタブレットあたりが適したものになる。
当日は実際に対応機種のスマートフォン・タブレットも用意され、「The Last of Us Remastered」、「KNACK」、「DRIVE CLUB」といったタイトルでのゲームプレイも試したのだが、まず、マウントそのものはDUALSHOCK4へのフィット感がよく、ガタつかない。ヒンジも前述のように硬めで角度を自由につけられるし、吸盤による貼り付きもしっかりしている。
PS4のリモートプレイそのものはPS Vitaでも可能だが、このマウントとXperiaとでのプレイは、PS Vitaよりも快適なプレイを実現している。“DUALSHOCK4をそのまま使える”、“画面サイズのより大きなタブレットを使える”、“画質設定をPS Vitaよりも高められる”という3つがメリットだ。
“DUALSHOCK4をそのまま使える”というメリットは説明するまでもないものだが、PS VitaでPS4リモートプレイをしていると結構気になるのが操作感覚の違いだ。L2/R2ボタンがないことや、コントローラー形状そのものの違いからくる手触りの違いなどがどうしてもある。だが、このマウントならDUALSHOCK4をそのまま使って違和感のないプレイが可能だ。
“画面サイズのより大きなタブレットを使える”というのは、PS Vitaのスクリーンが5インチで解像度は960×544なのに対し、8インチタブレットの「Xperia Z3 Tablet Compact」なら画面がより大きいし、対応機種のスクリーンはいずれもPS Vitaよりも解像度が高い。PS4の高精細なゲーム画面をより楽しめるというわけだ。
そして“画質設定をPS Vitaよりも高められる”というのは、Androidアプリの「PS4 Remote Play」に“ビデオ品質”という独自の項目があり、PS Vitaでのリモートプレイと同等の「標準(解像度:960×540)」より大きい「高(解像度:1,280×720」が用意されているのがポイントだ。より大きな画面や解像度で楽しめる。
なお、振動機能については、「ゲームタイトル側のリモートプレイ用の対応次第」というところがあるようで、例えば当日に試したものだと「DRIVE CLUB」のみ振動していた。一部初期のタイトル等に例外はあるが、振動にも対応している。
ちなみに、実際の使用手順をまとめておくと、まずタブレットをPS4に登録しておき、タブレット側はDUALSHOCK4とペアリングさせる(「SHAREボタン」と「PSボタン」でペアリングできる)。これで準備は完了で、最初にそれらを済ませておけば、それからはAndroidアプリ「PS4 Remote Play」からPS4へ接続させると、すぐに画面が切り替わってくれるようになる。
利用シチュエーションとしては家庭内を推奨しており(特にビデオ品質「高」では)、XperiaはPS4とWi-Fi接続(周波数帯や速度の面で11acが推奨)で、XperiaとDUALSHOCK4とはBluetoothで接続される。
ゲームプレイの手応えはというと、PS4のリモートプレイがほとんど遅延を感じさせることなく、「あ、これならちゃんとゲームプレイできるな」と思えるものになっているのは、PS Vitaでリモートプレイした時と同様だ。Androidアプリの「PS4 Remote Play」でビデオ設定を高にしてもそこは変わらずスムーズ。
マウントを使った全体の一体感も良く、“こういう携帯ゲーム機だ”と思えるぐらいにしっくりとくる。マウントは昨年の東京ゲームショウに参考出展されていたのだが、そこからさらに改良・改善を重ね、満を持して発売できるものに仕上がったという。それだけに、不満点のないクオリティに仕上がっていると感じた。
なお、「GCM10」の重量は67.3g。「DUALSHOCK4」約210gに、「Xperia Z3 Compact」約129g、「Xperia Z3」約152g、「Xperia Z3 Tablet Compact」約270gのいずれかを組み合わせることになるので、大体総重量は400g~540gほど。さすがに数値上はちょっと重いのだが、DUALSHOCK4のグリップでしっかりとホールドできるので、重心的にも持ちづらさや重さをそれほど感じさせなかった。
そこよりも気になるのは、Androidアプリ「PS4 Remote Play」の対応端末がXperiaの最新機種のみという点だ。アプリがより幅広い端末に対応してくれると、PS4リモートプレイとマウントの存在も相対的に魅力が高まっていくと思えるので、そのあたりに期待していきたい。
既に対応端末をお持ちのゲームファンの方は、ぜひこのマウントをチェックし、自由なPS4ライフを満喫してもらいたい。