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【特別企画】ついに登場! 変形芸術作品「超合金 太陽の塔のロボ」

太陽の塔が異形のロボに! 各形態、変形プロセス、開発者の想いに迫る

【超合金 太陽の塔のロボ】



9月27日発売



価格:18,360円(税込)

 バンダイが9月27日に発売する「超合金 太陽の塔のロボ」。芸術家・岡本太郎氏が1970年の“大阪万博”のモニュメントとして製作した「太陽の塔」を巨大ロボットにアレンジ、“完全変形”で太陽の塔からロボットに変形する“超合金化”を行なった商品である。

 「超合金 太陽の塔のロボ」は太陽の塔から手足が生える「ロボ形態」、そこからさらに胴体中央の顔が開き3つの砲口が現われ、上の顔がレーザー砲のようになる「超兵器発動形態」へ3段変形する。そのデザインは1970年代の特撮番組に出てくるロボットのようなレトロな雰囲気もある。この思い切った企画は多くの人の心をつかみ、「超合金 太陽の塔のロボ」の発表は多くの注目を集めた。

 この特徴的な超合金をぜひ取り上げてみたい! 今回、「超合金 太陽の塔のロボ」を発売に先がけて触ることができ、超合金シリーズを統括するバンダイコレクターズ事業部の泉慶太氏に話を聞くことができた。「超合金 太陽の塔のロボ」の魅力、そして開発者の想いを紹介していこう。

【佛田洋監督による、特撮「超合金 太陽の塔のロボ」プロモーションムービー】

岡本太郎氏の芸術作品がロボに!? 大阪万博のモニュメントが真の力を解放する!

左はパッケージ。昭和の特撮映画のテイストも感じる
岡本太郎氏の芸術作品「太陽の塔」を再現。表面にひびが入っており、“何か”が起こりそうな予感を感じさせるのが楽しい

 「超合金 太陽の塔のロボ」の「塔形態」は、実際に製作された太陽の塔そのままで、高さは約21cm。机の上に置いていたらかなり目立つオブジェクトだ。「太陽の塔」と書かれたプレートのついた台座が付属している。

 塔形態では、改めて岡本氏の才能、太陽の塔のデザインの面白さが実感できる。真っ白な円錐状の物体だが、植物のようにも、生物のようにも感じられる独特の曲線で構成されており、不思議なデザインの“太陽の顔”が中央にはめ込まれている。左右の突起物は、両手を広げた人間を想起させる。体に描かれた赤いイナズマ状のラインは、個人的には「ウルトラマン」のイメージがある。

 頭頂部は“黄金の顔”と名付けられた金のパラボラアンテナのような顔がある。この顔はパイプで接続されていて、“機械と生物の融合”といった雰囲気も感じられる。背部には第3の顔“黒い太陽”が描かれている。太陽の塔に岡本氏がどのような想いを込めて製作したか、解説書などを読んでみたくなる、非常に興味深いオブジェクトだ。塔形態で様々な角度で眺めてみたくなる。

 この「超合金 太陽の塔のロボ」の表面はザラザラとした触感がある。泉氏は「この触感はコンクリートにスタッコ(化粧しっくい)で作られた実際の太陽の塔をイメージしたものだ」という。また、「超合金 太陽の塔のロボ」のダイキャストパーツは主に内部や関節部分に使われているが、胴体の顔部分に使っているところもこだわりポイントだという。実際の太陽の塔も中央の顔部分は現在までの時間経過で素材が異なるような外観になっており、その雰囲気が再現できているとのことだ。

 「超合金 太陽の塔のロボ」と、実際の太陽の塔の外見的な違いは超合金には様々なところに“ひび”が入っているところだ。「超合金 太陽の塔のロボ」はこのひび部分でパーツが分離し、“変形”を行なうのだ。太陽の塔がタマゴの殻のようにひび割れ、そこからロボの手足が出てくるのである。

【太陽の塔のロボ 塔形態】
パラボラアンテナのような“黄金の顔”、背中の“黒い太陽”など、太陽の塔のユニークなデザインをたっぷり楽しめる

太陽の塔から現われる赤錆びた手足。台座まで変型ギミックを入れる開発者のこだわり

バンダイコレクターズ事業部の泉慶太氏。太陽の塔のロボを変形させ、細部を解説してもらった
太陽の塔がロボットとなって直立する。手足の無骨で赤錆びた感じや、外装がひび割れ、手足にくっついているところが面白い

 「ロボ形態」は太陽の塔のひび部分から、金属でできた無骨な手足が出てくる。まず、塔の左右の突起の下部分を外し、そして塔の側面から手を引き出す。折りたたまれた形で収納されていた手をまっすぐ伸ばす。この時、腕が1度塔の突起部分の先端まで移動してから、クランク状の部品で胴体の近くに戻す機構が面白い。

 手を引き出すときに外に移動し、クランクで人型の近い位置に手が収まるのは、“変形ロボ”としての機構のカッコ良さを感じる。さらに肘から下はシリンダーのような機構で伸張し、ロボットらしい力強い腕が形作られる。

 次は足の変形だ。太陽の塔の底部がスライドし、鉄骨で作られたような足が出てくる。2つに分割し、足を形成。「超合金 太陽の塔のロボ」の足は、歯車と鉄骨を組み合わせたようなデザインで、つま先部分はまるで真空管のような部品もあり、かなりレトロなデザインだ。

 お尻部分にはロケットを思わせるバーニアがついている。太陽の塔のロボは飛ぶのだろうか? 足は膝部分をしっかり伸ばすこともでき、可動範囲は広い。両足でしっかり地面を踏みしめ、「ロボ形態」への変型完了である。

 太陽の塔から出てきた手足は、赤さびの浮いた金属のような質感となっているが、これは成形色と塗装で再現している。茶色い塗料を吹きかけ、拭き取る“汚し塗装”という手法だという。この手法が「超合金 太陽の塔のロボ」に独特の雰囲気をもたらしている。“悪のロボット”や、“マッドサイエンティストが作った超兵器”などなど、勝手に設定を作りたくなる、レトロ感も感じさせる。泉氏は「バンダイはあえてそういった“詳細な設定”を作ってはいませんが、いろいろ想像するのも楽しいですよね」と語った。

 もう1つ面白い仕掛が、“台座”だ。「太陽の塔」というプレートがついている台座だが、ロボに変型して広がった足幅に合わせて左右に開く機構を内蔵しており、台座を広げるとプレート部分も拡張し「太陽の塔のロボ」になる。細かい部分だが、制作者のこだわりにニヤリとさせられてしまうギミックである。

【太陽の塔のロボ ロボ形態】
腕部分の変形。突起の下部に折りたたまれていた腕が展開、クランク機構で腕の付け根が移動する。手の平は胴体に内蔵されていて引き出すのも楽しい。前腕部分はピストンのような機構で伸びる
足部分は底部分が外れ、折りたたまれていた足が伸びる。
「太陽の塔」のプレートが、台座を伸ばすと共に「太陽の塔のロボ」に変形する。ニヤリとさせられるアイディアだ
「もし太陽の塔から手足が出て、歩き出したら……」という想像を実現したロボ形態。足の甲は真空管ラジオの基板のようなデザイン。腕も昔の工業機械を思わせる
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