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【スマホアプリ今日の1本】意外に難しいが質の高い浮遊アクション「el」
「LIMBO」から強い影響を受けつつ、開放感と暖かみを加えた実験的タイトル
(2014/9/12 12:58)
100万ダウンロードを超えるヒットとなったiOS/Android「消滅都市」を配信しているグリーの開発スタジオ「Wright Flyer Studios」より、影絵アートをモチーフとしたiOS用アクションゲーム「el」が配信されている。
「el」は、傘を持った少年が空中を飛び回り、ステージ上の障害物を避けてゴールを目指すアクションゲーム。片方の手で長押し操作をすると傘が開いて上昇し、もう片方の手でフリック操作をすると風が吹いて左右の移動ができる。障害物に当たるとダメージを受け、体力がなくなるとゲームオーバーでステージ最初からやり直しとなる。
影絵アートのアクションゲームというと、少年が暗黒と幻想の世界を冒険していく「LIMBO」が思い出されるが、本作はこの作品に強く影響を受けており、絵による表現とピアノによるBGMのみでストーリーが語られていく。
「LIMBO」との最大の違いはゲームプレイ中の浮遊感と色彩感覚で、空中をふわふわと漂っていくアクションは時にゆっくりと、時にスピーディに感じられて開放的だし、背景はモノクロではなく昼間、夕方、夜を表現する黄色、赤色、濃い青色に彩られて暖かみもある。
ステージに登場する障害物も様々で、自然がテーマのステージでは鳥や蝶、森などが障害となるが、都会になると飛行船やヘリコプター、さらに戦場になるとミサイルが飛んでくるなど、ロケーションに合わせたステージデザインで主人公の置かれた状況を表現している。
Wright Flyer Studiosによれば本作は「カジュアルアクション」とのことで30分ほどでクリアできるタイトルだが、実際にプレイしたところ特に後半のステージは意外に難しい。普通にプレイしていると障害物に何度も当たって体力が尽きてしまうため、障害の登場する順番を覚え、それを踏まえた操作が重要になる。傘による浮遊は動き出すまでに時間が掛かるので、その辺りのタイミングのズレも考慮する必要がある。しかしながら絶対に無理、という難易度にはなっていないのでその配分は絶妙だ。
本タイトルは厳密に言うと「Wright Flyer Studio's Garage」名義タイトルとなっており、これは企画者とエンジニアが2人組となって短期間でタイトルを配信する「GREE Garage Production」の流れを組んだ企画であることを意味している。こうした実験的なタイトルは今後も続々と登場することと思われるので、以降もグリー、特にWright Flyer Studioの動向には注目しておきたい。
(c) GREE, Inc.