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メーカーを越えて6人のプロデューサーが集った「超MMORPG プロデューサー超座談会」レポート

老舗のMMORPGプロデューサーたちが登場。気になる“お金”から“MMORPGの未来”まで

4月26日~4月27日 開催

会場:幕張メッセ 1~8ホール、イベントホール

入場券:2,000円(当日1日券)

 ゲームオンは4月26日と27日に幕張メッセで開催されている「ニコニコ超会議3」にブースを構え、イベントなどを開催している。

 4月27日には「超MMORPG プロデューサー超座談会」と題し、6大MMORPGのプロデューサーが集う座談会が開催された。

 参加したのは「RED STONE」の日本運営プロデューサーの嶋田真人氏、ゲームオン以外のメーカーから「エミル・クロニクル・オンライン」の寺田美絵プロデューサー、「ファンタジーアースゼロ」のリーユノプロデューサー、「メイプルストーリー」の中西啓太プロデューサー、「ラグナロクオンライン」のRoccaプロデューサー、「リネージュ」の中村直樹プロデューサーと、メーカーの壁を越えて、老舗MMORPGのプロデューサーが集まった。

 テーマも気になる“お金”の話から、“MMORPGの未来”という真面目なものまで広いテーマで行なわれた。

気になるお金の話からMMORPGの未来まで。メーカーを越えてプロデューサー達が答える

「エミル・クロニクル・オンライン」の寺田美絵プロデューサー
「ファンタジーアースゼロ」のリーユノプロデューサー
「メイプルストーリー」の中西啓太プロデューサー
「ラグナロクオンライン」のRoccaプロデューサー
「リネージュ」の中村直樹プロデューサー
「RED STONE」の日本運営プロデューサーの嶋田真人氏

 MCから振られた最初の話題は“売り上げはいくら”という話題。だがセンシティブすぎる内容で、さすがにどのプロデューサーからも数字は明かされなかった。

 その代わりに、MCが振ったのが各プロデューサーが月々に使うお金から売り上げを推測するという手法だ。このアプローチは面白い結果が出た。

例えば「エミル・クロニクル・オンライン」の寺田プロデューサーの月々の酒代は約7.5万円、「ラグナロクオンライン」のRoccaプロデューサーは約9万円と、それなりの額のお酒を嗜んでいることがわかった。

 また「リネージュ」の中村プロデューサーは月々のサブカル代に4,5万円程度で、うち数万はプライベートでの「リネージュ」への課金も含まれていると話した。「ファンタジーアースゼロ」のリープロデューサーも、月2万円以上「ファンタジーアースゼロ」に課金していると話した。自らが遊ばないとユーザーの気持ちがわからない、というプロデューサーらしいエピソードだ。

 一方、「メイプルストーリー」の中西プロデューサーの昨日の夕食代は約84円、これは去年購入したカップ麺の価格だという。といった具合に各プロデューサーごとに大きく異なる結果が出た。

 次の話題は“今まで運営してきた中で記憶に残っていること”という話題だ。どのタイトルもサービス期間が長いので、様々なエピソードがあるようだ。

 「リネージュ」の中村プロデューサーからは、良かれと思って画面内に居る全ユーザーに「エンチャント(バフ)」をかけたところ、「エンチャント」のエフェクトとボスの範囲攻撃のエフェクトが重なり、ユーザーのPCが次々とフリーズ、そして全員がボスに倒されてしまう……という悲劇のエピソードが披露された。その後の補償対応もかなり大変だったという。

 「ラグナロクオンライン」のRoccaプロデューサーからは、3次職アップデートの時の29時間連続の生放送を振り返る。初回の生放送から29時間の生放送を行なってしまったせいで、以後の配信のハードルが上がってしまった、と振り返っていた。

 3つ目の話題は“ライバルゲーム&ライバルに勝っている部分”という話題。しかしこの話題には意外な答えが集まった。

 「ラグナロクオンライン」のRoccaプロデューサーは“ユーザーの家族”を挙げた。例えば日曜の夜の攻城戦の時間帯は家族サービスにあてられることが多いという。一番のライバルは他のタイトルではなかった、という話だ。

 似たような回答をあげていたのが「エミル・クロニクル・オンライン」の寺田プロデューサーで、“快晴”と“イベント”を挙げた。「天気が良いとユーザーさんがフラッと外に出かけてしまうので」と話した。

 最後の話題は“MMORPGの今後は”という話題だ。

 「メイプルストーリー」の中西プロデューサーは「MMORPGはここからも上向きだと思います」と話す。「『ドラゴンクエストX』や『ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア』ようにコンシューマ機のMMORPGも流行っているので、ユーザーの母数が増えていくのでは」とまだまだ業界は成長していくと話した。

 「ファンタジーアースゼロ」のリープロデューサーも「コンシューマ機の基本プレイ無料MMORPGがもっと出てきて流行るんじゃないかなと思います」と同じように捉えていた。

 最後に「ラグナロクオンライン」のRoccaプロデューサーからは「(MMORPG)の未来はある!作っていこう!」という力強い意気込みが聞けた。そして「RED STONE」の嶋田プロデューサーからは今回集まった6タイトルコラボの提案があった。各社から前向きな返答があったので、今後の展開を楽しみにしたい。

 メーカーの壁を越えた今回の座談会、思わぬエピソードも飛び出し観客の反応も上々だった。1人のMMORPGファンとしても、何らかの形で第2回、第3回もぜひ期待したいところである。

(八橋亜機)