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Wargaming.net、ドイツ軍の「VIII号戦車マウス」復元プロジェクトを発表

最強戦車を目指したが計画中止、爆破処理された戦車が現代に復活!

4月11日発表

 オンライン戦車ゲーム「World of Tanks」を運営するウォーゲーミングジャパンの本社であるWargaming.netは、4月11日、ロシアのクビンカ戦車博物館と協力し、“VIII号戦車マウス共同レストアプロジェクト”を開始することを発表した。

ロシアのクビンカ戦車博物館で展示されているVIII号戦車マウス。内部機構は取り除かれている

 VIII号戦車マウスは第二次世界大戦中に試作された戦車で、主砲も装甲も最高のものを搭載した最強・最大の超重戦車となるべく開発がスタートした。しかし戦況の悪化の中、開発は難航し、試作戦車も予定した性能が出せず、1944年開発中止が命令された。ちなみに“マウス”はドイツ語でもネズミを意味する。ドイツ戦車最大を目指した戦車になぜネズミという名前をつけたのかは、実際の姿と正反対の名前をつけることで、情報の秘匿を狙ったといわれている。

 VIII号戦車マウスは2両の試作機が製作されたがドイツ軍は戦車の秘密を守るために爆破してしまった。ロシアのクビンカ戦車博物館は2両の戦車から損傷が少なかった部分を集め、組み立てて展示を行なっていた。外見は復元されているが、内部機構は取り除かれた状態だった。

 今回の“VIII号戦車マウス共同レストアプロジェクト”では、過去の資料、設計図、情報等を頼りに1から造り上げることになる。パーツ類は戦車製造工場にて特別に製造される。これらの作業は、戦争経験者のレストアスペシャリスト監督の元に行なわれるという。レストアされた戦車はクビンカ戦車博物館にて正式に一般公開される予定となっている。

 Wargamingはこれまでも軍事的歴史資料の保持に協力している。ベラルーシではソ連のT-34-76をレストアし、ロシアではソ連のKV-1重戦車を復元した。Wargamingは今後もこういった活動を継続していくという。

 WargamingのVP of Publishingを務めるAndrei Yarantsau氏は「Wargamingは常に世界中の様々な博物館を支援してきました。その中でも、クビンカ戦車博物館は初期の頃から協力し、今後の計画等を見ると興奮を隠せません。今後も支援を続け、世界中のコレクターの戦車を購入や、レストア、復元することで、博物館に魅力的なコレクションを増やしていく予定です。これにより、様々な世代の方々に興味を持っていただくことで、その国の歴史を知っていただきたいと思います」とコメントしている。「World of Tanks」ならではの活動であり、注目していきたい。

(勝田哲也)