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【GDC 2014】米MS、DirectX 12を発表。より“ダイレクト”な3D APIへ進化

PC/モバイル上でコンソール並の最適化が可能に。GPU企業各社もサポートを表明!

3月17日〜3月21日開催(現地時間)

会場:San Francisco Moscone Convention Center

 米国現地時間の3月20日、Microsoftは次世代APIとなるDirect X12を発表した。GDC 2014にて行なわれたセッションにて、その概要が明かされている。セッションでは大手GPU企業各社による早速のサポートも表明。なお、DirectX公式の開発ブログでも関連情報を公開中だ。

 2009年に発表されたDirectX 11から5年ぶりのメジャーアップデートとなるDirectX 12。次世代機Xbox Oneでの開発ノウハウを踏まえてメニーコアシステムへの対応を強化したほか、従来よりもハードウェアに近い制御を可能とし、PC上でもコンソール並みの最適化が可能とされている。

 Windows PCのほかSurface、Windows Phoneなど全てのMicrosoftプラットフォームをサポートするなどポータビリティも強化。ハイエンドPCからモバイルまで、共通のAPIによってゲームタイトルの移植性が高められる。なお、現行の多くのDirectX 11対応GPUがDirectX 12にも対応する。Microsoftでは2014年内にもSDKのプレビュー版リリースを開始する予定だ。

より“ダイレクト”で高速なAPIへ。CPU/GPU企業各社がサポートを表明

メジャーアップデートとしては5年ぶりとなる
もっとコンソールライクなAPIを!という開発者の声に応える
CPU利用率の違い。DX12では全コアの負荷が平準化されている
「Forza 5」のDX12版を作成

 事前に“DirectX: Evolving Microsoft's Graphics Platform”と予告されていたこのセッションは、この日“DirectX 12 Preview”へとセッション名称を改めて講演が行なわれた。

 このセッションではメインプレゼンテーターとなったMicrosoftのAnuj Gosalia氏のほか、INTEL、AMD、NVIDIA、QualCommといった主要CPU/GPU各社の重鎮が次々に登壇、各社の立場からDirectX 12へのサポート状況及び今後のサポート予定を紹介した。

 まずDirectX 12の方向性だが、進化の中核にあるのはDirect3D。APIの改善によりCPUのメニーコア化、コアあたり性能向上の鈍化、GPUの急速な性能向上といった近年のトレンドに対応する。具体的な特徴としては、第1に徹底的なパフォーマンスの向上、第2にMicrosoftの全ハードウェアプラットフォームへの対応、第3に移植性の向上、第4に最新の開発ツールへの対応が挙げられている。

 特に重要なのはパフォーマンスの向上だろう。これまでは分厚い構成だったAPIに徹底的なシンレイヤー化が施され、APIオーバーヘッドを大幅に削減。セッション中では「ニアリー・ゼロ・オーバーヘッド」という表現が多用された。また、APIの拡張によりハードウェアをさらに直接的に扱えるようになり、最新GPUの性能をさらに引き出せるようになる。

 また、マルチスレッド機構が強化され、メニーコアシステム上においての実行効率を向上。セッション中で示されたデモでは、DirectX 11とDirectX 12におけるCPU利用率の比較が示されたが、その中で各CPU間のロードバランスが大幅に改善されていることが確認された。DirectX 11のシステムではメインスレッドに多くのタスクが割り当てられ、他のスレッドに比べて倍以上の負荷がかかっているところ、DirectX 12のシステムではタスクが分散され、大幅に負荷が平準化されている。

 Turn 10スタジオのChris Tector氏は「Forza Motorsport 5」のDirectX 12版を報告。これはレンダリングエンジンをXbox One(DirectX 11.x)からPC(DirectX 12)に移植したもので、プログラマーによる4人月の作業で実現したという。Xbox Oneで利用可能であった機能に加え、DirectX 12独自の手法を加えることでオリジナルバージョン以上の最適化が可能となったとされる。

 DirectX 12上で動作する「Forza 5」の映像も公開され、常時60fpsで動作する様子を確認できた。現時点ではあくまで技術デモであり、PCでの製品化を意味するものではないことに注意。なお、DirectX 12による改善はXbox Oneにももたらされ、プラットフォームのさらなる性能アップに貢献するという。

もっとダイレクトに、高速に! が目指されたD3D12
各種オーバーヘッドを削減
リソース管理を効率化
GPUのローレベル制御を可能に

【Forza Motorsport 5: DirectX 12 PC デモ】
既存を含むGCNアーキテクチャのGPUでDX12を享受できる
第4世代以降のCoreプロセッサでDX12をサポート
DX11対応のGeForceは全てDX12にも対応する

 これに引き続き、各CPU/GPUベンダーが対応を報告。AMDではDirect X12そのもの開発にも協力しており、Xbox Oneにも採用されたGCNアーキテクチャー世代のGPUにて、ユーザーはDirectX 12のリリースの瞬間からその利点を享受できるようになるとしている。

 IntelではCPU統合型のGPUで対応を行なう。第4世代(Haswellアーキテクチャ)以降のCoreプロセッサ(Core i7/i5/i3)ではDirectX 12を当初からサポートできるという。

 NVIDIAもDirectX 12への対応を表明。現時点でDirectX 11に対応しているすべてのGPUにて(Fermi アーキテクチャ以降)DirectX 12も完全サポートされる。

 モバイルプロセッサSnapdragonシリーズを手がけるQualcommもサポートを表明。DirectX 12によるパフォーマンスの向上はモバイルデバイスの電力効率の向上とコンテンツの品質向上に貢献するとし、PCやコンソール向けのコンテンツのマルチプラットフォーム化を推し進めるだろうとした。

 DirectX 12は年内にもプレビューリリースされる予定で、近く一部開発者向けの早期アクセスも準備されるようだ。3Dのレンダリング方式など根本部分はDirectX 11と変わらない模様であるものの、さらにハードウェアの能力を引き出せるAPIになることで、PC、Xbox One、各種モバイルデバイスでのゲームをさらに高い水準に引き上げる存在になりそうだ。

AMD、NVIDIAの各社とも、より深いレベルでの最適化を目指したDirectX 12を歓迎。オーバーヘッドを大幅に削減し、GPUの性能をさらに引き出せるとしている

(佐藤カフジ)