ニュース
【GDC 2014】Facebookがゲームプラットフォームとしての戦略を開示
ゲーム対応を進めつつ、広告掲出で大規模ユーザーにアプローチ。今後の展開に期待
(2014/3/20 19:36)
FacebookはGDC 2014の中で、ゲーム部門であるFacebook Gamesの今後の命題がモバイルとブラウザのクラスプラットフォームで展開することと講演していたが、本日はこれに関連してFacebook連携ゲームの訪問者数を公開した。
Facebook連携ゲームの訪問者数は、ウェブとモバイルを合わせて月間3億7,500万人。Facebook経由によるゲームへの訪問者数は毎日平均7億3,500万回を超える。また2013年は開発が220億ドルもの金銭を得たという。
Facebookではすでにクロスプラットフォームタイトルもあるが、今後は一体どのような戦略で成長を図っていくのだろうか? GDC 2014ではその辺りにさらに踏み込んだセッションが開催されていたので、これを紹介する。
戦略の鍵は「Build」、「Grow」、「Monetize」
セッションに登壇したのは、Head of North American & Mobile Games PartnershipsのDan Morris氏と、Head of Games EngineeringのVishu Gupta氏、Parse CEO and Co-FounderのIlya Sukhar氏。
Morris氏は上記のような数字周りが語られた後、今後の課題として100万単位で存在するゲームアプリをどうFacebookユーザーに届かせていくかを挙げた。Facebookの施策としてはユーザーのフィード上にゲームの広告を掲出し、適切なタイトルを適切なユーザーに出していくことで、効果的な広告を展開している。この広告施策では、2億4,500万件のインストール効果を生み出したという。
またFacebook Platformの今後の展開としては、Gupta氏から「Build」、「Grow」、「Monetize」の3つのキーワードに沿って語られた。まず「Build」では、Sukhar氏よりクラウドベースのサーバーコード開発環境「Parse」の紹介が行なわれた。
「Parse」では、アプリへの通知機能「Parse Push」やリアルタイムの分析機能「Parse Analytics」が導入されている。Facebook対応に「Parse」を導入したタイトルとしてはGluの「Deer Hunter 2014」が取り上げられ、Facebook上で500万以上のインストールを達成した。
Parse以外の施策としては、Unity用のSDKを提供しているほか、プレイステーション 4からFacebookにスクリーンショットなどを投稿できる連携機能を備えることで、Facebookとゲームの距離感を縮めている。
「Grow」では、引き続き広告掲出の施策を提示した。ユーザーのスマートフォンには平均27のアプリが入っているそうで、ニュースフィードに所有するゲームの広告が掲出されることでアプリとユーザーの関わりを強固にすることができる。さらに、インストール前にトレーラーを見られるようにしていること、ハートなどを贈りあえるリクエスト機能の文面をより説得力のあるものに改良したことがここでは挙げられた。
最後に「Monetize」では、その地域に根付いた通貨でやり取りすることを挙げ、素早くシンプルな購入体験を志すという。またセールなども積極的に行なっていく。
Facebookでは、PCやデバイスなど今後さらに広がっていくであろうゲームプラットフォームに合わせて、Facebookが対応するデバイスも広げていくとした。まだまだ画期的な施策とは言えないが、4月30日にはFacebookの開発者会議「F8」が開催されるということで、Facebook Gamesについて新たな発表などがあるかもしれない。
配信されているタイトルにはまだまだカジュアルなタイトルが多い一方で、FPSタイトルの「SHADOWGUN」や「DEAD TRIGGER 2」など、Facebookで遊べるコアゲーマ向けのタイトルも徐々に増えてきている。それらのタイトルが市場にどのような影響を与えていくのか、Facebookの今後の展開を期待したい。