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「駆け引き」の面白さを4×4マスに凝縮したiOS/Android「サモンズボード」
「パズドラ」ガンホーの新作スマホタイトル登場! そのプレイ感は?
(2014/2/18 00:00)
ガンホー・オンライン・エンターテイメントが配信するiOS/Android「サモンズボード」。2月10日にAndroid版、2月17日にiOS版が配信され、現在両プラットフォームでスタートダッシュキャンペーンが開催されている。
今や「パズル&ドラゴンズ」(パズドラ)で一大旋風を巻き起こしたガンホーが、自社制作の新規スマートフォン用タイトルをリリースするということで、否が応でもハードルの上げられた大注目の1本と言えるだろう。
ゲームは、4×4に仕切られたマスの中で敵と交互にモンスターを操り、敵のユニットを撃破してダンジョンの攻略を目指していくというもの。ガンホーはジャンルを「新世代ボードゲーム」としているが、ゲームの他ジャンルに倣えば一手交代制かつ4×4マスに凝縮されたシミュレーションRPGと言う方が本質に近いように思う。
プレーヤーが取れる行動はとてもシンプルで、基本的にユニットを1回動かすことのみ。ユニットには前後左右+斜め方向の合計8マスの中から移動/攻撃できる方向が決まっており、移動/攻撃できるマス(矢印で示される)に敵がいた場合、攻撃できる。1回の攻撃で複数の敵を対象にすることもできる上、複数のユニットによって1カ所の敵を集中攻撃することも可能。またこれらを両方組み合わせて、敵全体に一気に攻撃を加えることも可能となっている。
バトル時は当然敵も積極的に移動と攻撃をしてくるので、自分のユニットをいかに有利な配置に移動させ、攻撃していくかが行動のポイントとなる。「パズドラ」と比べるとユニットの能力がダイレクトにバトルに影響してくるので、ユニット育成の重要度が増している。
バトル面では「パズドラ」にはなかった「駆け引き」要素が見どころとなっており、相手の出方も伺いながら一手一手を決めていける。思い通りの手順で徐々に相手を攻略していく様子が楽しく、シミュレーションRPGの面白さをスマートフォン用にできる限りシンプルに表現した内容と言えるだろう。また他プレーヤーのユニット編成とAIを介して戦える間接的なPvP要素が入っていて、バトルの結果がランキングに反映されるということで他のプレーヤーと競争する楽しさも本作では増幅されている。
ただし一方で、ダンジョンの進み方、モンスターを合成させて強化・進化させる育成システム、ガチャやモンスターBOX拡張などによる課金要素など、「パズドラ」で確立された“「パズドラ」メソッド”のゲームデザインはほぼそのまま使用しているという感じ。そのためバトル以外のゲーム進行がほとんど一緒で、「中身を変えた『パズドラ』」というネガティブな印象が付き纏ってしまう。
モンスターのかわいさも相まって、シミュレーションバトルが新鮮で楽しい分、それ以外の部分での「また『パズドラ』をプレイするのか」という既視感は少なからずともダメージだ。「革新的なゲームデザインを生み出すには『パズドラ』フォーマットを打ち壊すくらいの考え方が必要」と話したのはガンホー代表取締役社長の森下一喜氏本人だったが、今回はこれで及第点ということなのだろうか。
もちろん、慣れ親しんだシステムという点では、「パズドラ」フォーマットを採用することで多くのユーザーにすんなりとプレイしてもらえるものになっている。本質的にはどのユニットを選択し、どう操っていくかが重要になっているので、今後様々な戦略とセオリーが登場することで「パズドラ」とは違った楽しみ方が増えていくことと思われる。ランキングも含めたユーザーの盛り上がりに応じてゲーム全体の面白さも加速していくはずなので、今後の動向にぜひ注目したい。
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