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日本マイクロソフト、最新OS「Windows 8.1」の販売を開始

多彩なWindows 8.1デバイスでさらに広がるPCエクスペリエンス

10月18日発売開始

価格:13,800円より

 日本マイクロソフトは10月18日より、PC向けオペレーションシステムの最新版Windows 8.1の提供を開始した。提供方法は、ユーザーの利用OSによって異なり、パッケージ、ダウンロード、無償アップデートと複数の選択肢が用意されている。Windows Vista以前のユーザーは新規インストールのみ、Windows 7のユーザーはアップグレードもしくは新規インストール、Windows 8ユーザーは無償アップデートとなる、パッケージの参考価格はWindows 8.1通常版が13,800円、Windows 8.1 Proは25,800円。

Windows 8.1について「ユーザーフィードバックを製品に反映し、ユーザーエクスペリエンスを強化できた」と語った日本マイクロソフト代表執行役社長の樋口泰行氏
日本マイクロソフト業務執行役員 Windows本部 本部長 藤本恭史氏は、Windows 8.1の特徴について丁寧なデモを行なった
苦心の跡が見える「タスクバーとナビゲーションのプロパティ」。ここを調整することで、Windows 7以前のデスクトップ画面主体でPCを使うことが可能となる
Windows 8.1の新機能のひとつであるPCの映像を、TVモニターに映すワイヤレスデスクトップ機能。ソニーのブラビアを使ってデモが行なわれた
イベントの最後にWindows XPのサポート終了の告知を行なう樋口氏。2014年4月までこの定番告知は続けられるようで樋口氏も思わず苦笑

 Windows 8.1は、従来のWindowsで「サービスパック(SP)」と呼ばれていたバグフィクスを中心としたアップデートの代わりとなるバージョンアッププログラム。昨今のデバイスやサービスの進化のスピードにOS側もしっかり対応していくために「ラピッドリリース」という形で、今後も引き続き年に1度のバージョンアップを行なう方針としている。

 Windows 8.1は、Windows 8の軌道修正の象徴としての“スタートメニューの復活”ばかりが語られがちだが、実際は各種PCからタブレット、大型のインフォメーションディスプレイまでをカバーした、タッチパネル世代のPCに向けたOSとしてストイックに機能強化が図られている。

 ゲーム方面ではわずかにDirectX 11.2の採用という点が挙げられるが、DirectX 11.2の機能を活かしたPCゲームはまだ存在せず、ゲームOSとしての側面は、Windows 7以前のOSと比較して起動速度が倍か、それ以上速いという使い勝手の向上に留まる。Windows 8.1から、起動時の初期画面を、タイルベースのスタート画面から、従来のデスクトップ画面に指定することが可能となったため、高速起動可能なWindowsとしてゲームユーザーにもより利用しやすいOSになったと言えるかも知れない。

 本日行なわれたキックオフイベントでは、Windows 8.1の新機能に関するデモンストレーションに多くの時間が割かれた。ユーザーのフィードバックを反映し、サインインなしでカメラが利用可能になり、スタート画面ではタイルサイズが自由に変えられるようになり、アプリインストール時には、自動的にスタート画面に加えられなくなり、アプリ画面の中に収納され、利用頻度に応じてスタート画面に表示されるというインテリジェントなものとなった。

 そしてデモの中でもっとも印象的だったのは、マイクロソフトの検索サービスBingのWindowsへの統合だ。Windows 8.1の検索窓から検索を行なうと、単純なWeb検索のみならず、ローカルコンピューターのドキュメントデータや、Windows 8.1対応アプリなどから情報を引っ張ってきて、列挙してくれる。

 そしてその際の使い勝手を向上させるのが、スナップ機能の機能強化だ。Windows 8では、基本的にアプリをフルスクリーンで表示しようとするが、これを複数表示させる機能を「スナップ」と呼んでいる。Windows 8は画面サイズ固定で2つまでだったが、Windows 8.1では、画面サイズ可変で4つまで表示できる。

 Windows 8では、メールアプリに、添付画像をビューアを開くまでしかできなかったが、Windows 8.1では、さらにWebブラウザを起動したり、Skypeを起動したりと、タイルベースのスタート画面の使い勝手が格段に向上している。

 PCショップでのOS選択やユーザーアンケートを見ても、まだWindows 7のほうが選ばれている実情があるが、これが今回のWindows 8.1の登場により、どう変化するのか注目したいところだ。

【その他のWindows 8.1の新要素】
Windowsストアでは、ダウンロード傾向を見て推薦するアプリを切り替えてくれる
Windows 8.1対応アプリ。英語版のみながらついにFacebookアプリの提供も開始した
フットバリスタの電子書籍は、Windowsストア限定配信
新しい決済手段となるWindowsストアギフトカード
Internet Explorer 11を標準搭載
日本向けには游ゴシックと游明朝という2つのモダンフォントの搭載や、IMEの改良など独自の取り組みを行なっている

【Windows 8.1デバイスの数々(紹介順)】
エイサー
NEC
レノボ
エプソンダイレクト
サードウェーブデジノス
シャープ
ソニー
デル
東芝
パナソニック
ヒューレットパッカード
富士通
マウスコンピューター
ワコム

【タッチ&トライコーナー】
ずらりと並んだWindows 8.1デバイス。Windows 8と8.1では要求スペックが異なるため、OSを積み替えただけではダメで、水面下でかなり準備が進められていたことがわかる
今回唯一ゲーミングPCを出展していたサードウェーブ
マウスコンピューターはタッチパネルPCをアピール
富士通はIGZO液晶搭載PCと、2,560×1,600ドット防水/防塵タブレットで、高解像度/高精細環境をアピール
パナソニックは20インチの大型4Kタブレットで、タブレット新時代をアピール。20インチで4K(3,840×2,560ドット)解像度は衝撃的だ
デカさではピカイチのシャープの70インチインフォメーションディスプレイ。ホワイトボードにそのまま液晶を埋め込んだようなデザインがユニークだ
どのブースも人だかりで注目度の高さを感じさせた。年末商戦は昨年のWindows 8の時以上に盛り上がることが期待される

(中村聖司)