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次世代レースシムXbox One「Forza Motorsport 5」TGSプレビュー

急ごしらえの日本出展は疑問の一言。捲土重来を図り、真の実力を見せつけるべし!

9月19日〜22日 開催(一般開催日:21日〜22日)

会場:幕張メッセ1ホール〜9ホール

入場料:1,000円(中学生以上・前売)

1,200円(中学生以上・当日)
入場無料(小学生以下)

 Xbox Oneファーストパーティータイトルの筆頭格であるTurn 10 Studiosの次世代レースゲーム「Forza Motorsport 5」が、ついに日本でもデビューした。晴天下での1080p、60fps表示にこだわり抜いたゲーム性は今作でも貫かれ、自慢のコックピットビューでは、サングラスが必要になるほどのライティングエフェクトやシャドウエフェクトでドライバーを楽しませ、さらにフロントガラスへの写り込みやバックミラーのリアルな描写も加わり、まるで実車を走らせているようなリアリティを感じさせてくれる。その衝撃のインプレッションについてはE3レポートでお伝えしたとおりだが、本稿ではTGS出展記念ということで改めて「Forza Motorsport 5」の最新情報をお届けしたい。なお、「Forza Motorsport 5」日本ではXbox Oneローンチと同時発売が予定されている。価格は未定。

「Forza Motorsport 5」試遊コーナー
メディア向けにはKinect対応バージョンも公開された
「Forza Motorsport 5」プロダクトマネージャーの南雲聡氏は、イベントで「シリーズ最大規模の収録車数」と発言
今作のタイヤデータは、前作のピレリからまた変わり、カルスパンとなった。この影響は未知数だが、確実に挙動は変化している

 最新情報の紹介に入る前に、今回の日本出展について多少苦言を呈しておきたい。今回の「Forza Motorsport 5」の出展コーナーでは10台以上の試遊台を展開し、Xbox独占タイトルであるエレクトロニック・アーツの「タイタンフォール」に並ぶ2トップの1つを形成していた。その重要度の高さは、東京ゲームショウのために来日したMicrosoft Game Studiosのトップ フィル・スペンサー氏が自らデモをしたことでもわかる。しかし、日本マイクロソフトブースでは、なぜか「Forza 5」コーナーだけ、TVの調整に失敗し、ジャギーやアラが目立つ状態になっていた。実はプレスルームの「Forza 5」はさらに酷い状態で、720pで出力しているようなザラザラした絵になっていて、ビジュアルに関しては間違いなくE3の時より劣化していた。

 E3で見た人はすぐに気づいただろうし、初めて「Forza 5」をプレイした「Forza」ファンも「こんなものか?」と首をかしげた人もいるかもしれないが、これは本来の「Forza 5」のクオリティではない。わかりやすくいうと、下記掲載のスクリーンショットのクオリティでプレイできるのが「Forza 5」だ(もちろん、下記スクリーンショットはForzaVistaモードのものなので、走行中のポリゴン数はこの画面より低くなるが)。TGS出展バージョンはこの水準にまったく達していなかった。念のため、「Forza 5」プロダクトマネージャーの南雲聡氏にモニター問題について直接尋ねたところ、その事実は把握しているということだった。

 なぜ日本マイクロソフトがこの状態で出展を強行したのかはわからないが、Turn 10で日本窓口を担当していた谷口潤氏が退社したこともあり、今回はTurn 10のスタッフが来ていなかったことも理由のひとつに挙げられるかも知れない。「Forza」ファン、「Forza 5」ウォッチャーとして今回の出展内容は残念の一言だ。幸か不幸か、日本では発売まで時間があるだけに、しっかり準備し直して捲土重来を図って欲しい。

 モニターの調整ミスについては残念だった「Forza 5」だが、シミュレーション部分についてはE3の初プレイから着実な進化を感じさせる満足の一言だった。今回は、Gamescomで公開されたコース「マツダ・レースウェイ・ラグナ・セカ」を走ることができた。レーサー泣かせのS字シケイン「コークスクリュー」で有名な、シリーズでもお馴染みのコースだが、また新たにタイヤからシミュレーションしなおされたステアリング、より精細に作り直されたコース設定で、前作とは異なるグリップ感でレースを楽しむことができた。

 Xbox Oneの特徴のひとつである新たなフォースフィードバック機構“インパルストリガー”による、「Forza 5」から新たに加わったアクセルやブレーキ時のフォースフィードバックも実に心地よく、ガチッとした確かな手応えで、車を駆っている感覚が味わえた。今後リリースされるドライビングホイールは、このフォースフィードバックの手応えを超える必要があるが、かなり高いハードルとなりそうだ。なお、Xbox Oneは、Xbox 360のドライビングホイールの互換性はないので「Forza 5」ではまた買い直しになる点に注意が必要だ。

 今回選択できた車は、マクラーレン P1、フェラーリ F12ベルリネッタ、メルセデス・ベンツ 300SL ガルウィングクーペ、フォードフォーカスST、Audi Sport Team Joest R18など。Gamescomがヨーロッパのイベントであることを意識し、ヨーロッパでのタイアップカーであるAudiを加えたE3とは異なるラインナップになっていた。

 今回の出展で、モニター調整ミスを抜きにして、気になったのは、北米版の発売までわずか2カ月しかないのに、未だに収録車種や、クラウドサーバーを使ったスマートマッチと呼ばれるマルチプレイモード、そしてTOP GEARとのコラボレーションの詳細など、「Forza」ファンが知りたい情報がいつまで経っても発表されないことだ。

 それだけではない。今回出展されたGamescom版にいたっても4台での走行に限られ、E3で発表された8台での走行、そしてAIカーにフレンドの走行データをクラウドサーバーから落としてきて一緒に走るといった部分は依然として実現できていない。「Forza」シリーズは、発売直前までなかなか情報を出さないことで知られるが、ちょっと今回はいくらなんでも出さなすぎというか、E3で行なったコミットメントを検証する機会が1度も訪れておらず、予想以上に開発が難航している様子が窺える。

 なお、東京ゲームショウのタイミングに合わせて公開された新トレーラー「Forza Film Speed」は、フィルムスピードの手法を活用して現実の中にゲームの映像が動いている不思議な感覚に陥る映像で、「Forza 5」が目指すビジョンを明確に示した内容となっているが、肝心のゲームは北米のローンチに果たして間に合うのだろうか。「Forza」ファンの1人として期待を膨らませつつ、少々心配している。

 個人的には発売うんぬんよりも、今回日本で万全な体制で出展できていないことのほうが残念だ。日本でXbox事業を統括する日本マイクロソフト執行役の泉水敬氏によれば、「近いうちにユーザーの皆さんがXbox Oneに触る機会をまた設けたい」と語っていたため、その時こそは万全な体制で「Forza 5」が体験できることを期待したい。

【「ForzaFilmSpeed」トレーラー】

【スクリーンショット】
このクオリティでゲームが楽しめるのが「Forza Motorsport 5」だ

【フォーミュラカー】
フォーミュラカーの登場も魅力のひとつ

(中村聖司)