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【E3 2013】Mad Catzが新型Androidコンソール機「M.O.J.O.」を発表
独自配信スタンドを持たない“ベタAndroidマシン”の狙いとは?
(2013/6/15 15:10)
Mad Catz(マッドキャッツ)はE3 2013において、オープンなブースを構えて各種ゲーミングデバイスを出展した。マウスやキーボード、アーケードスティックなどの製品が幅広く展示される中、「M.O.J.O.」と呼ばれる手のひらサイズのボックスが置かれていた。Androidを搭載したマイクロゲームコンソールだ。
Android搭載のコンソール機といえば、「NVIDIA SHILED」や「OUYA」といったものが既に発表されているが、「M.O.J.O.」はそれらとはまた違った意味を持つ製品となっている。この詳細をMad Catzでアソシエイトプロダクトマネージャーを務めるNathan Aguilera氏に伺った。
周辺機器メーカーならではの発想で生まれたコンソール機
「M.O.J.O.」は背面にHDMI端子とUSB端子、マイクロSDカードスロット、ヘッドフォン端子を備えたAndroid端末。スクリーンがないため、必然的にテレビに接続して使うコンソール機となる。
コンセプトは、「スマートフォンやタブレットで遊んでいたゲームが、そのままテレビに出力して遊べる」というもの。独自の配信スタンドを持って専用のソフトを配信するのではなく、Google Playを始めとした既存のスタンドで配信されているアプリをテレビで遊べる環境を用意する、というものだ。
なぜMad CatzがAndroid端末を出すのかと尋ねると、「Mad Catzはユーザーのニーズに答える製品を提供することを重視してきた。Androidプラットフォームが広がりを見せている中、我々もお客様に提供できるサービスや製品がないかと考えた。もちろん周辺機器は提供するが、その周辺機器をより快適に使える環境を用意するという点で、マイクロコンソールの製品化もニーズに答えることになると考えている」と答えてくれた。
つまり考え方として、他のAndroidコンソール機が新たなプラットフォームの創生をイメージしているのに対し、「M.O.J.O.」はあくまでAndroidプラットフォームにおけるゲーミング環境をよりよくしよう、という点から生まれているのが大きな違いだ。Aguilera氏は「Mad Catzはハードウェアを提供して、ゲームをリッチに遊んでもらうことが使命」とも語っており、「M.O.J.O.」もあくまでその一環であると考えると納得がいく。
「『M.O.J.O.』を端的に説明するなら、スクリーンのないAndroid端末だ。家では『M.O.J.O.』を使って大画面でプレイし、外では別のスマートフォンで同じゲームをプレイする、という環境を提供したい」とAguilera氏は語った。
マウスやゲームパッドなど各種デバイスを接続可能
そういったコンセプトから生まれたこともあり、製品もかなり柔軟な仕様になっている。デバイスはUSB接続とBluetoothに対応しており、キーボードやマウスはもちろん、Bluetoothのゲームパッドにも対応する。製品化の際には、「M.O.J.O.」本体にBluetooth 4.0の低消費電力・低遅延に対応したゲームパッドをセットにすることを考えているという。
気になるのは対応ソフトだが、タッチ操作はマウスで対応できるので、シングルタッチで遊べるゲームに関してはほぼそのままプレイできそう。マルチタッチが必要なゲームについては、対応方法を検討中だという。ゲームパッドでの操作は、基本的にはソフトウェア側の対応が必要になるが、マウスの動きをゲームパッドにエミュレートするモードも用意されるという。
画面出力はHDMIで1080pまで対応する。それ以外の詳細な仕様はまだ検討中で、製品で使用するCPUも現時点では未定としている。配信スタンドについては、Google Playのほかにも、Amazon Appstoreなど既存のスタンドは可能な限り対応したいとしている。
発売は2013年内の予定。スペックがまだ未確定のため、価格も未定としている。ゲームパッドの単品販売も行なわれる予定で、そちらにはコントローラー上部にスマートフォンを固定するクリップも同梱される。