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【E3 2013】これぞガチのタクティカルFPS「Takedown: Red Sabre」プレビュー
「Rainbow Six」の遺伝子を色濃く受け継ぎ、特殊部隊によるシビアな協同作戦を体験!
(2013/6/14 00:00)
最近のミリタリーFPSは格好ばかりでリアルな手応えがない、なんて悩みを抱えたFPSファンに朗報だ。インディーズデベロッパーSerellanが開発する「Takedown: Red Sabre」は超シビアな特殊部隊作戦を味わえるガチガチのタクティカルFPSへと仕上がりつつある。
本作はPC(Steam)およびXbox LIVE(北米・欧州)向けに今秋の発売を予定しているが、今回、E3 2013の会場で実際にプレイすることができたのでご報告していこう。
初代「Rainbow Six」のテイストを強く感じられる極限まで地味&シリアスなゲーム性
本作の開発を主導するのは、大手デベロッパーを渡り歩き「Tom Clancy's Ghost Recon: Advanced Warfighter」や「Halo: Reach」の開発に携わってきたChristian Allen氏。KickStarterプロジェクトとして1年前に本作の開発をスタートさせたということで、コアファンの支持を原動力に、一般FPSユーザーへのおもねりを一切感じさせない内容へと作品を練り上げている。
会場では、本作のシニアプロデューサー、James Mayo氏とともに共同作戦を体験することができた。Mayo氏は開発チーム全体の統括を担っているとのことだが、ひとたびプレイを始めれば敵を発見するたびに“Tango!”、倒すたびに“Tango down!”と叫ぶという、筋金入りのタクティカルシュープレーヤーでもあった。
Mayo氏によれば、本作は往年のタクティカルFPS「Rainbow Six」の初代シリーズに強くインスパイアされている。派手なアクションはいっさいなく、サイレンサー付の武器から発せられる銃声は“チャカチャカ”と乾いた音、兵士は1発の銃弾で倒れ、体力回復や復活の概念はなく、ささいなミスが命取りになるゲーム性である。
余計な演出が一切排除された映像も相まって、傍から見ればわけがわからないほどに地味だ。しかし、プレイする者には高度の緊張を強い、単純なエイミング力ではなく索敵と状況判断、チーム連携の確かさを内容だ。
ゲーム中にはアメリカ、イギリス、フランス、ドイツといった主要先進国の特殊部隊が登場し、共同作戦で特定のミッションにチャレンジしていくことになる。4人での協力プレイが基本で、敵勢力が潜む建物への潜入、ターゲットの破壊や暗殺、そして脱出と帰還を目指すという流れだ。
戦いの場となる建物は、実際の建築データに基づき、その道のプロによってデザインされている。そのすべてに複数の攻略ルートが用意されており、プレーヤー自身がそれぞれのアプローチで作戦を遂行していくことを重視するゲームデザインだ。ミッション開始前に選択できる武器、装備の選択によっても作戦の展開が変わってくるなど、リアル系FPSファン好みの要素をピンポイントで備えている。
生死が決まるのは一瞬。隠密行動とチーム連携が作戦の成否をシビアに分ける
開発チームも交えて実際にプレイした感触は、近年のよくあるFPSを基準にすると、本当にありえないほどのシビアさだ。建物入り口に近づき、中を少し覗いて、敵の姿が見えたかと思えば、即座に反撃を受けて1発で死亡。あとは生き残ったチームメイトの活躍を祈るばかり、という展開になる。
ひとまず、敵が警戒中の正面入口から堂々と入っていくのは自殺行為だとわかり、大外を迂回して裏口からの侵入などを試みると、次第に作戦をスムーズに進められるようになってくる。リーン操作で曲がり角の奥を一瞬確認し、敵の背中が見えれば“チャカチャカ”と射撃し排除。周囲の安全を確認しつつ、速やかにターゲットへと近づいていく……。
このように本作では正面の撃ち合いがあまりに高リスクなため隠密行動を主とするが、それゆえに1人ではどうしても突破できないシチュエーションも出てくる。そういう時には別ルートから侵入した味方に前方の敵を別角度から排除してもらうことでルートを確保するなど、チームワークを生かすことも重要だ。
そこで面白くなりそうなのが、ミッション開始前のブリーフィングだ。建物の構造図や偵察データを見つつ、プレーヤー同士で相談して侵入ルートを決定していく。このような要素は今回プレイしたバージョンでは未実装だったが、Mayo氏によれば当然本作の視野に入っているとのことだ。
本作全体の開発度はまだまだ中盤といったところで、現在は特殊部隊ならではの各種ガジェットや、上述の作戦プランニング機能など、ゲームの面白さを広げる要素に注力しているという。KickStarterで支持を受けて開発が進められている本作だけに、コアファンを満足させることが至上命題。リアル系のタクティカルFPSとして妥協のない内容に仕上がることが期待できそうだ。