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【E3 2013】スクエニ、「Murdered: Soul Suspect」をシアターで出展

自分を殺した犯人を追う“幽霊探偵”の登場!

6月11日~13日開催(現地時間)

会場:Los Angeles Convention Center

 E3のスクウェア・エニックスブースでは、「Murdered: Soul Suspect」がシアター形式で出展されていた。「Murdered: Soul Suspect」はプレイステーション3/Xbox 360/Windows向けアドベンチャーで、北米では2014年初頭に発売を予定している。日本での発売は未定だ。

 「Murdered: Soul Suspect」は主人公Ronanはゴーストであり、自分が撃たれて死ぬと言うショッキングなシーンからスタートする。誰が、何のために自分を殺したのか? Ronanはゴーストとなりながらその謎を追っていくのだ。

自分が殺されるシーンからのスタート。幽霊として犯人を捜し出せ

シアターでの映像出展を行なっていた
Ronanh自分が殺される瞬間を目撃する

 煙草に火をつけ煙を力一杯吸ったRonanは、目の前で倒れた男をのぞきこんでいる男に気がつく。刑事であるRonanは職業意識から立っている男に声を掛けるが、相手は気がつかない。男の肩に手を掛けたRonanは自分の手があっさり男の身体をすり抜けることに驚愕する。

 同時に、男の記憶が流れ込んでくる。男はRonanを窓から突き落としたのだ。倒れているのは、Ronan自身なのである。男は側に落ちていたRonanの銃を拾い上げると、倒れている身体に向けて発砲する。Ronanの身体に倒れている身体と同じ弾痕が刻みつけられる。こうして、Ronanはゴーストになった。

 Ronanはしばらく呆然としていたが、気を取り直す。すでに現場には警察が来ており、現場の確保と事情聴取が行なわれている。Ronanはゴーストの力を使い、自分を殺した犯人を追っていくことになる。ここで様々な能力が紹介される。Ronanは死体など情報のある場所に行くと、様々な“言葉”を見ることができる。この中から事件のワードを探し出し、組み合わせることで、推理を進めていくことができる。

 Ronanは生きている人間に憑依することで、彼らの会話を聞くことができる。また彼らが持っている記憶をのぞき込むことができる。警官の噂話や、目撃者の女から必要なワードや情報を得て、これらを組み合わせることで、さらに推理を進めていく。

 面白いのは、ただ事件を追っていくだけでなく、“死後の世界”が描写されている点だ。Ronanがいる世界は“Dusk”と呼ばれる現実と重なるように存在している世界で、周囲には生きている人間だけでなく、他にも同様のゴーストが何人もいる。彼らと会話することも可能で、抱いている思いを叶えてやることもできる。また、通常の人間には見えない不思議な建物などの存在も感知できる。

 事件解決のために情報を収集するだけでなく、ゴースト達の願いを叶えるサブクエスト要素もある。自分の死体を探している若い女性のゴーストと何やら行方を知っていそうな老夫婦。老夫婦に憑依し、彼らの記憶を刺激してやることで、死体の行方を見つけることに成功する。

 ゴーストのRonanは自由に壁をすり抜けることが可能で、こういった描写はゲームならではだと感じた。確固たる物体があるのに、それをすり抜ける。そして人と出会っても全く反応が得られない。すり抜けたその先にゴーストがうずくまっている場合もあってぎょっとさせられることもある。ゴースト気分を満喫できるというのはユニークな体験だ。

 “ゴーストの無力感”もきちんと表現しているところが面白い。ゴーストはものに触れず、人に憑依しても思い通りに動かせるわけではない。「ひょっとしたら今この瞬間にもゴーストが身体をすり抜けたのかも知れない」と想像してしまうほど、本作のゴーストは生きている人にとって存在が希薄なのである。こういった描写にも開発者のこだわりを感じた。

【Murdered: Soul Suspect Official Announce Trailer】

【スクリーンショット】
幽霊の能力を使い、自分の死亡事件を追うことに

明らかになっていく幽霊の能力。しかし謎は一層深まる

自分を殺した相手の正体は?

 ゴーストには“敵”が存在する悪霊(Demon)のような姿をした者達で、彼らに見つかると倒されてしまう。そうされないために、彼らの司会から逃れ背後から攻撃する必要がある。また生きている人間をぶつけるなどDemonの撃退方法は複数用意されている。壁をすり抜け、人間達に注意をされない本作において、Demonの存在は重要なアクセントとなりそうだ。

 サブクエストや、Demonとの攻防を行ないながら、Ronanは自分が突き落とされた場所に向かうことになる。探索を続けるうちに、Ronan自身の記憶も戻ってくることになる。また、現場近くにある“記憶”から、Ronanは近くにもう1人人がいたことに気付く。

 ヘッドフォンをした少女だ。そしてRonanは不審な男に戦いを挑み、劇治されて窓から突き落とされたことを思い出す。さらに記憶の糸をたぐり、情報を集めて、記憶を組み立てていくパズルのように記憶がはまっていき、正確な記憶を取り戻すのだ。

 Ronanは不審男を追っていた。しかしそいつは目の前で金属バットを曲げるような驚異的な力を発揮し、Ronanの身体を何度も投げ飛ばし、あげく窓から突き落としたのだ。男の力は常識では考えられない。記憶を取り戻すことで、さらに謎が深まっていったのだ。Ronanは現場の記憶から、彼の殺害に居合わせた少女の存在を知る。少女は教会にいるらしい。Ronanは更なる情報を集めるため、教会に向かう。ここでデモは終了した。

 「Murdered: Soul Suspect」は“幽霊探偵”とも言えるユニークなゲームプレイが楽しめる作品だ。ゴーストの存在やDemonなどオカルト要素がかなり強めなところも面白い。最後に殺人者が超人的な力を持っていることがわかったところで、作品の方向性が大きく変わった印象を受けた。本格的な推理ものなのか、それとも超常的な存在がどんどんクローズアップされていくのか、今後の情報が楽しみだ。

【スクリーンショット】
幽霊が住む奇妙な世界の描写も面白い

(勝田哲也)