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100メガショック満載!! TVでも携帯機でもネオジオがたっぷり楽しめる
「NEOGEO X GOLD SYSTEM」プレイレポート
(2012/12/28 17:46)
「NEOGEO」のゲームが20タイトル内蔵され、それを携帯ゲーム機「NEOGEO X」でも、ステーションと組み合わせることでテレビに映してアーケードスティックでも楽しめるという、フリースタイル&フルに「NEOGEO」が楽しめる「NEOGEO X GOLD SYSTEM」がいよいよ発売された。今回は製品をお借りできたので、実際のところどんな製品になっているのかを詳しくお伝えしていこう。
パッケージから伝わるこだわりぶり! ポータブルにも大画面でもプレイできるフルシステム
早速開封! の前に、まずはパッケージに懐かしいものを感じた。パッケージには「NEOGEO」本体が大きくデザインされていて、そこに金のフォントで「NEOGEO X」の文字が。これは、90年代に発売された家庭用「NEOGEO」のパッケージを思い出すデザインになっている。
凝ったパッケージデザインに喜びつつも中を開けてみると、そこには2つの内箱があり、それぞれに本体類とアーケードスティックが入っていた。そしてそれぞれに「NEOGEO」のロゴマークシールで封がされている。
この内箱やシールもまた当時の家庭用「NEOGEO」風だ。筆者は当時お金が無く、家庭用「NEOGEO」を買えなかったのだが、友人が購入した「NEOGEO」を遊ばせてもらいつつ、羨望のまなざしで見ていた記憶がある。それが今ここに、パッケージの段階から忠実に再現され、より凄いものになって自分の手に!! 凝ったデザインは、コレクターズアイテム的なところもある製品だけに非常に嬉しい限りだ。
内容物は、携帯ゲーム機「NEOGEO X」の他に、家庭用「NEOGEO」の本体をそのまま再現したかのような「NEOGEO X ステーション」と、これまたそのままな作りの「NEOGEO X アーケードスティック」が1個入っている。
このほか、画面出力用のHDMIケーブルと、ステレオAVケーブル(コンポジットケーブル)、ACアダプタが同梱している。ケーブル長はいずれも約1.8m。
注意したいのがHDMIケーブル。本製品に使うHDMIケーブルは片側のコネクタは標準タイプだが、本体側はミニHDMIになっている。これは「NEOGEO X ステーション」とTVを繋ぐだけでなく、携帯ゲーム機「NEOGEO X」とも繋げられるよう、コンパクトなボディに収まるミニHDMIを採用していることによる。このHDMTケーブルを直接「NEOGEO X」に挿しても、画面出力でプレイができる。
・同梱物一覧
「NEOGEO X」 携帯ゲーム機本体
「NEOGEO X ステーション」 ドッキングステーション
「NEOGEO X アーケードスティック」 ジョイスティック
HDMIケーブル
ステレオAVケーブル(コンポジットケーブル)
ACアダプタ
ポータブルながらシステムのコアでもある携帯ゲーム機「NEOGEO X」の各部をチェック
さて、本製品は簡単に言うと、携帯ゲーム機「NEOGEO X」が本体であり“コア”だ。「NEOGEO X」単体でゲームプレイが可能で、前述のようにHDMIケーブルを挿して画面出力もできる。これに対して、「NEOGEO X ステーション」は充電スタンド+外部出入力アダプタ的なものであり、家庭用「NEOGEO」を再現してジョイスティックを繋げるためのアタッチメントとも言える。
そんなシステムの中心になる携帯ゲーム機「NEOGEO X」だが、非常にスタイリッシュな形状。全体がブラックとグレーのカラーリングで、前面は全体が1枚のクリアパネルで覆われている。そこに、「ネオジオCD」付属のゲームパッドを彷彿とさせる丸形の「方向キー」、「A/B/C/Dボタン」、タイトルセレクト画面へ戻る時に使用する「メニューボタン」、「スタートボタン」、スピーカー穴を搭載している。
上の側面を見ると、中央部には「ミニHDMI端子」、「ステレオAVケーブル接続端子」、「マイクロUSB端子」があり、左右にはL1/L2ボタン、R1/R2ボタンを備えている。L1/L2/R1/R2ボタンは、横一列に並んでいるのが特徴的だ。
右側面には、「NGXゲームカード」を入れるスロット、そして電源スイッチがある。左側面には何もない。
底面には、左側に「ボリューム+/-ボタン」、右側に「イヤフォン端子」、画面の「明るさ調節ボタン」を搭載。背面は全体が滑り止めの溝があるラバーになっていて、中央にSNKのロゴがある。非常に凝縮感があり、スタイリッシュなデザインだ。
サイズはというと、こちらは角張ったPSPを想像してもらえるとわかりやすいかもしれない。170×74×14mm(横×縦×厚み)で、重量は約197gと軽量だ。
スペック面を見ると、クロック周波数1GHzのCPUを搭載しており、OSにはLinuxを採用。液晶パネルは4.3inch、解像度は480×272。アスペクト比は16:9となっている。システムメモリは256MB、Flashメモリを2GB内蔵。3~4時間ゲームが可能、充電時間は3時間となっている。
「NEOGEO X」の内蔵Flashメモリには、「NEOGEO」のソフトがぎっしり20タイトル収録されている。収録タイトルのラインナップは以下の通り。
【内蔵ゲームタイトル】
ファイヤースープレックス
LEAGUE BOWLING
龍虎の拳
マジシャンロード
ASO II -LAST GUARDIAN-
メタルスラッグ
ベースボールスターズ2
MUTATION NATION
CYBER LIP
NAM 1975
餓狼伝説
餓狼伝説スペシャル
PUZZLED
リアルバウト餓狼伝説スペシャル
THE KING OF FIGHTERS '95
真SAMURAI SPIRITS 覇王丸地獄変
キングオブザモンスターズ
SUPER SIDEKICKS
LAST RESORT
ワールドヒーローズ パーフェクト
このラインナップ、単に「NEOGEO」タイトルの定番……というわけではなく、こだわりの感じられるラインナップになっている。個人的にこれは外せないという「餓狼伝説スペシャル」がありつつ、「リアルバウト餓狼伝説スペシャル」もあるし、「ワールドヒーローズ」シリーズからは「ワールドヒーローズ パーフェクト」が選ばれている。ひとクセありつつも、面白みのあるラインナップだ。
ご注意頂きたいのは、本製品は米Tommo Inc.の製品であり、“英語版の輸入販売品”だというところ。そのため、収録ソフトも英語版となっている。一部タイトル(「真SAMURAI SPIRITS」など)では、ゲーム内に多言語が収録されていてオプションで切り替えれば日本版になるが、そうでないものもある。国内での輸入販売元はビックで、翻訳された取扱説明書が付属するほか、商品対応・ユーザーサポート等のカスタマーサポートセンターも国内で行なうということなので、取扱いに関しては万全と言える。
ちなみに、初回特典には「NINJA MASTER'S」のNGXゲームカードが付属する。こちらは見る限りはSDカードのようだが、内部のデータには特殊フォーマットが使われているようで、例えばPCなどで見てみても読み取れなかった。
内蔵タイトルとこの「NINJA MASTER'S」以外のタイトルは、今後にNGXゲームカードで提供されるということだが、その予定は今のところまだ未定のようだ。ここはぜひとも多数タイトルの提供を期待したい。
「NEOGEO X」でたっぷりと「NEOGEO」タイトルをプレイ!!
さぁいよいよ携帯ゲーム機「NEOGEO X」でのゲームプレイへ。
「NEOGEO X」の電源を入れると、数回ロゴが現われ約20秒でタイトルセレクト画面(ゲーム選択画面)が現われた。ここからタイトルを決定すると、約4~5秒の読み込みのあと、おなじみの「NEOGEO」の起動画面が表示され、ゲームプレイが可能となる。
収録されているゲームはいずれも、家庭用「NEOGEO」のカセットROM版。クレジットが起動時から入っていて、難易度選択をし、プレイする。タイトルによってはオプション画面があり、キーコンフィグや言語設定などもあるが、それがあるかどうかは元のカセットROM版次第。要するにカセットROM版がそのままに収録されていた。
液晶パネルの映りはというと、「若干暗めだな」と感じるものの、遅延感や残像感は少なく良好だ。電源オン直後のロゴが妙に黄色く映るのでその発色には驚かされたものの、それはそのロゴだけの話。起動ロゴ以降の画面は、色味がしっかりとしている。輝度については控えめで、明るさ設定を最大にしてもギラつきを感じないぐらいに抑えめなバックライトになっている。
「NEOGEO X」本体は軽く、とても持ちやすい。背面のラバーコーティングも手触りが良く、ホールド感は良好だ。
方向キーはキーが丸形でトップに指先を置けるよう窪んでいる。8方向にクリック感があってカチカチとスイッチ音が鳴るところは「NEOGEO CD」に同梱されていたパッドの方向キーを彷彿とさせる作りで、感触もまさにそのもの。その操作性に関しては、さすがに複雑なコマンド入力ではジョイスティックには劣るものの、携帯ゲーム機でプレイできるという側面から見れば充分。本体のホールド感の良さが加わっているからか、「NEOGEO CD」のパッドよりも操作しやすく感じられた。
A/B/C/Dボタンは、ボタントップが適度に高めになっていてクリック感もほどよい。押しやすいボタンだ。ただ、同時押しには多少慣れが必要になる。方向キーもそうだが、そのあたりはより良い操作性を求めるなら、ステーションに繋げてジョイスティックを使おうというところになるだろう。
L1/L2/R1/R2ボタンはカチカチとした硬めの感触で、ボタンというよりはスイッチライクな感触。だが、実はこれらはゲームプレイには使わない。R1/R2ボタンはポーズ機能で、L1/L2ボタンは画面アスペクト比を4:3と16:9に切り替える機能になっている。元々「NEOGEO」はA/B/C/Dボタンのみのハードだったし、本製品の収録ソフトもカセットROM版をそのままに収録しているようで、L1/L2/R1/R2ボタンに操作を割り当てるような項目は当然ない。「NEOGEO X」としても、設定画面のようなものは一切ないので(メニューボタンはタイトルセレクト画面へ戻る機能のみ)、ハード的にもキー割り当て機能はないというのが現状だ。できれば同時押しが割り当てられると嬉しかったのだが……。
内蔵スピーカーの音はというと、高音が響いて聞こえてくるライトな音質。このコンパクトな筐体からすれば必要充分という印象で、より良い音質を求めるならイヤフォンを使えば、中低音もズシズシ響くような本格的な音で楽しめる。
バッテリーの持ちは明るさ設定最高でも3~4時間は持つかな、というところで、明るさを低~中にすればさらにいけるだろう。ただ、充電に関しては約3時間と長く感じなくもない。
こうして各部をチェックしつつもゲームプレイを楽しんでいたのだが、20タイトル+1タイトルのボリューム感はたっぷり。「餓狼伝説スペシャル」を当時を思い返しつつ楽しんだかと思えば、「リアルバウト餓狼伝説スペシャル 」でブルーマリー等のRB以降のキャラも楽しめる。かと思えば、「ワールドヒーローズ パーフェクト」でマッドマンやラスプーチンといった奇抜なキャラもお目見え。「LAST RESORT」で今も見劣りしないクオリティのシューティングをプレイし、「メタルスラッグ」で撃ちまくりアクションを楽しむ。当時ゲーセンで各タイトルを楽しんだ人なら、いずれもたまらないものがあるだろう。余分な手が入っておらずアーケード感覚そのまま。「NEOGEO」の魅力がコンパクトな筐体の中にギッシリと詰まっている。
「NEOGEO X ステーション」で充電&画面出力プレイ! アーケードスティックも家庭用「NEOGEO」そのもの
「NEOGEO X ステーション」を使えば、TVに画面を出力し、家庭用「NEOGEO」そのままのアーケードスティックでのプレイが可能だ。
「NEOGEO X ステーション」は家庭用「NEOGEO」の本体そっくりのデザインになっているが、実はスライドスイッチで筐体の上半分が開くようになっている。この中に携帯ゲーム機「NEOGEO X」を入れて充電&プレイができるという、斬新な作り。
「NEOGEO X」の充電は、ステーションの中に差し込んだ後にステーションの電源を入れるだけ。これは要はステーションで画面出力してゲームプレイする時と同じで、つまり、プレイしながら充電もされるという作りになっている。本体を動作させながらだからか、充電時間が少し長めなのは気になったのだが、大画面でプレイしつつ充電できるという手軽さは嬉しい。
ただ、こうした設計なので、携帯ゲーム機「NEOGEO X」に直接ACアダプタを繋げて充電したり、充電しながら「NEOGEO X」のみでプレイするというのができないのは残念なところ。ステーションで充電のみを行なうモードがあり、ACアダプタを直接「NEOGEO X」に繋いで充電ができるようになっていたら、より良かっただろうか。
なお、このステーションへの差込みは慣れるまでちょっと難しい。ミニHDMIとAVアウトとマイクロUSBと、3つの端子をまとめて差し込むために、角度に少しでもズレがあると入らない。使い始め直後はコネクタにズレがあったのか差し込みづらかったのだが、使い込んでいくうちに挿しやすくなっていった。こなれてくると楽々と脱着できるようになる。
画面の出力解像度は640×480ピクセル。HDに対応しているわけではないが、HDMI出力された画面はクッキリと映ってくれて気持ちいい。ちなみにアスペクト比はテレビ側の設定で変える作りで、フル表示にすると横が引き延ばされる。携帯ゲーム機「NEOGEO X」側のアスペクト比切替機能は使えないので、テレビ側での対応のみとなっている。なお、タイトルセレクト画面だけは、16:9比率の解像度853×480で出力されていて、引き延ばしではない。
ステーションにはUSB接続のアーケードスティックも使えるので、操作性も当然と言えば当然だが「NEOGEO X」単体で遊ぶよりも快適だ。アーケードスティックは、レバーのボールが外れないようになっている以外、過去にリリースされていたものに近く、違いはほとんど感じられなかった。
この「NEOGEO X アーケードスティック」だが、本製品に同梱されているのは1個。そこで、他のPS3/PCで兼用できるような、いわゆる汎用ドライバさえあれば動いてくれるアーケードスティックが使えないものかと、いくつか手持ちの製品を試したのだが、結果はいずれも動かなかった。レバーもボタンも反応しない。どうやら「NEOGEO X」側にはゲームコントローラー用の汎用ドライバが入っていないようだ。逆に「NEOGEO X アーケードスティック」をWindows PCに接続すると汎用ドライバで動作してくれたのだが……。ここはちょっと残念だが、専用の「NEOGEO X アーケードスティック」に限られる。
プレイの方はと言うと、遅延感もなくて快適そのもの。HDMIケーブルでデジタル出力されている画面、音、ともにキレイで満足度は非常に高い。
プレイ楽しんだ後は、ステーションの本体にあるモードボタン(家庭用「NEOGEO」本体でのリセットボタンの位置にある)を押して、タイトルセレクト画面へ。そしてまた、別のタイトルを起動して遊んでいく。ステーション、アーケードスティックともに、家庭用「NEOGEO」を操作の感触に至るまで忠実に再現されていた。我が家に、当時そのものな「NEOGEO」がやってきたなぁと強く実感できた次第だ。
“NEOGEO愛”たっぷりなこだわりの作り! 満足度の高いフルセット
携帯ゲーム機+TV出力用ユニットのステーションとアーケードスティックで、まさにフリースタイルに手軽にも、そしてTVで家庭用「NEOGEO」そのままにも楽しめるシステムだ。
パッケージから、携帯ゲーム機「NEOGEO X」でのプレイ、そしてステーションとアーケードスティックと、随所に「NEOGEO」を当時そのままに楽しめるように再現しようという“NEOGEO愛”とも言えるこだわりが見られた。独自の仕様に厳しい目線であたったところもあるが、これ全部で19,900円なら充分満足できる。
これだけ高く「NEOGEO」を再現しているゲーム機というのは今後に現われるかどうか。残念ながら、今回の入荷分で当面の製造は終了となり、次回の国内への入荷は未定とのことなので、気になっていたという方はこの機会を逃さずにゲットして頂きたい次第だ。