タミヤ、モーター内蔵プラモ「M4A3シャーマン戦車」を発売

米陸軍の名戦車を再現、ドイツの「パンサーG初期型」も同時発売


10月27日発売

価格:6,090円



 タミヤはモーター内蔵プラモデル「アメリカ M4A3シャーマン戦車(シングルモーターライズ仕様)」を発売した。価格は6,090円。スケールは1/35で、全長17.02cm、全幅7.6cm。走行させるためには別売りの単四電池2本が必要となる。

生産性を優先させたアメリカ軍の戦車。ギアボックスユニットもアピールポイントだ

 M4シャーマンは第2次世界大戦で活躍した米軍の戦車で、アメリカの工業力を活かし大量生産され、第2次世界大戦の連合軍側の勝利に大きく貢献した名戦車として知られる。M4シャーマンはヨーロッパ戦線のみならず、太平洋戦線にも投入され、戦後も朝鮮戦争や印パ戦争、中東戦争でも使われた。搭載されている主砲は75mm、エンジンはフォードV型8気筒水冷ガソリンエンジン、そしてVVSS(垂直渦巻バネ式サスペンション)を装備している。

 M4シャーマンは様々なバリエーションが作られたが、M4A3はその中でも最も大量生産されたタイプ。今回モデル化されたのは、第2次世界大戦時期の後期型で、砲塔への車長用キューポラ(外部視認用に砲塔上面に設けられた突起)や装填手用ハッチの追加、弾薬誘爆を防ぐため砲弾の周囲を水で囲った湿式の弾薬格納箱の採用など改良が行なわれている。

 タミヤはこのM4A3後期型を前進走行が楽しめるプラモデルとして再現。車体はタミヤならではのリアルで精密な造形となっている。M4A3は車体は板金溶接構造で、砲塔は鋳造で作られている。本来、鋳造一体構造の方が戦車の耐久度は高いのだが、大量生産を優先したM4A3ならではの構造であり、プラモデルもこの工程の違いをきちんと感じさせるものになっている。スコップなどの作業用の道具がくくりつけられていたり、予備の履帯やスペアホイール、様々な軍事物資が詰まった木箱などもついており、活躍当時のリアルな姿が再現されている。

 駆動部分はギアボックスにモーターを組み込んだユニット化されていて、取り付けも簡単になっており、力強さを感じさせる走行が楽しめる。電池交換は車体底面のハッチを開けて行なうため、簡単にできる。ハッチは開閉状態を選択でき、コマンダーとドライバーが顔を出した状態も再現できるようになっている。

 また、「アメリカ M4A3シャーマン戦車(シングルモーターライズ仕様)」と同時に、「ドイツ戦車 パンサーG初期型 (シングルモーターライズ仕様)」も発売されている。価格は7,140円。ソビエトのT34戦車に対抗するために生まれた第2次大戦のドイツ軍の戦車で、パンサーG初期型は大戦末期に登場し、終戦までドイツの主力戦車として戦い続けた。大戦後期のドイツ戦車は、吸着地雷を防ぐため、装甲表面に非磁性体のコーティングを施す「ツィメリットコーティング」が施されていたが、プラモデルではこのコーティングをステッカーシートで再現しており、切り抜いて貼るだけで独特の表面パターンを再現できる。

 第2次大戦の戦車の戦いは、エンターブレインが発売していた「PANZER FRONT」シリーズでこだわりが強く感じられる描写がされていた。オーバーランドからは2011年にPCゲームとして「パンツァー エリート アクション フィールド オブ グローリー(日本語マニュアル付き英語版)」がダウンロード販売されている。海外では基本プレイ無料で楽しめるオンラインゲームとして「World of Tanks」などもある。また、リアルな世界観ではないが、戦車で戦うゲームとして、バンダイナムコゲームスより、Wii U向け「TANK! TANK! TANK!」が発売予定となっている。発売日は未定だが、アーケードで稼動しているゲームが、Wii Uにどう移植されるか興味深い。

【M4A3シャーマン戦車(シングルモーターライズ仕様)】
電池交換は底面のハッチを開けるだけ。タミヤのプラモデルならではの細かな表現が楽しい

【パンサーG初期型 (シングルモーターライズ仕様)】
同時発売されたドイツのパンサーG初期型。価格は7,140円

(2012年 10月 30日)

[Reported by 勝田哲也]