Apple、「iPhone 5」を発表。予約開始は9月14日、発売は21日

iPod touch/nanoも最新世代のモデルを発表



9月13日 発表


 米Appleは、9月13日の午前2時より始まった「Apple Special Event September 2012」にて、「iPhone 5」、「iPod touch(第5世代)」、「iPod nano(第7世代)」を発表した。




「iPhone 5」はディスプレイが16:9にワイド化

「ブラック&スレート」と「ホワイト&シルバー」

 新型のiPhoneは、名前はストレートに「iPhone 5」と発表された。最も大きな変更はディスプレイサイズの変化。4インチ(対角)でアスペクト比が16:9になった。

 iPhone 5のディスプレイは、1,136×640ピクセル、解像度326ppi(picel per inch)。iPhone 4Sのディスプレイは「3.5インチ(対角)960×640ピクセル、解像度326ppi」だったので、解像度は変わらないが横に長くなり、ピクセル数が増加している。

 ちなみに、これまでのアスペクト比3:2で全てのアプリケーションが作られていたが、この16:9になったiPhone 5では、左右に余白を付ける形で対応。そのまま使用できる。

 これに伴い本体サイズも変化。画面の縦が長くなった(縦持ち時)ぶん、筐体も縦長になった。また、厚みはiPhone 4Sの9.3mmから7.6mmになり、18%薄型化。重さも、iPhone 4Sの140gから112gになり、20%軽くなっている。縦長で、薄く、軽くなった。

【iPhone 5】【iPhone 4S】

Retinaディスプレイ 4インチ(対角)
1136×640ピクセル/326ppi
高さ:123.8mm
幅:58.6mm
厚さ:7.6mm
重量:112g

Retinaディスプレイ 3.5インチ(対角)
960×640ピクセル/326ppi
高さ:115.2mm
幅:58.6mm
厚さ:9.3mm
重量:140g


 本体のデザインも変化。iPhone 4Sでは両面の全体がゴリラガラスだったが、iPhone 5の背面は、「上下がゴリラガラス素材、中央部はアルミ素材」となった。それにより見た目も黒(上下)とグレー(中央)のツートンカラーになっている。ブラックモデルでは、側面がシルバーだった部分もブラックに。

コネクタが「Lightningコネクタ」となり、大幅に小型化された、また、裏表のないリバーシブルコネクタになっている

 ドックコネクタ形状も「Lightningコネクタ」に変更。これまでのコネクタよりも80%小型化した。ほぼUSBのコネクタに近い形状になっている。また、表裏がないリバーシブルコネクタで、向きを意識せずに挿せるのもポイント。これまでのドックコネクタとケーブル用に、変換アダプターも発売される。

 通信機能では高速な通信である「LTE」(ロング・ターム・エボリューション)に対応。

 CPUには最新のA6コアを搭載(iPhone 4SはA5)。A5コアより2倍速く、グラフィックス性能も約2倍高いという。アプリケーションの動作(起動など)もそれにともない、1.7倍~2倍ほど速くなる。

 バッテリーは3G/LTEともに通話8時間。3Gブラウズが8時間にアップ、WiFiデータ通信10時間、軒並みiPhone 4Sより長持ちするようになった。LTEデータでも8時間連続駆動するという。

 Wi-Fi機能は802.11b/g/nで、iPhone 4Sとの違いとして、新たに5GHz帯の周波数に対応(iPhone4Sは2.4GHz帯のみ)。これにより、最大で150Mbpsの速度が出るようになった。

 価格は、199ドル(16GB)、299ドル(32GBモデル)、399ドル(64GBモデル)となっており、iPhone 4Sと同じ。予約は9月14日より開始され、出荷は9月21日より。日本での取扱はソフトバンク、KDDIが行なう。ソフトバンクとauのどちらも、9月14日の16時から予約の受付を開始予定。

 カラーバリエーションは「ブラック&スレート」と「ホワイト&シルバー」の2種類。

 また、セッションではElectric Artsのゲームアプリも紹介。iOSのレースゲームの中でも定番タイトルとなっている「Real Racing 3」を披露した。こちらは年内に提供されるとのこと。

 このほか、iPhone 5にはまだまた新たな機能や特徴がある。まず、iSightカメラ。800万画素で、レンズ部分にサファイアクリスタルという素材を採用し、傷により強くなった。写真はよりクリアに撮影可能になり、暗所撮影も強化された。カメラの起動も40%高速化。

 パノラマ撮影機能も搭載。横に長く、最長のサイズで2,800万画素の写真が撮影できる。動画は1080p撮影。動画を撮りながらの静止画撮影も可能になっている。さらに、撮影した写真をアップロードして共有する「フォトストリーム」機能を搭載する。フロントカメラは720pのいわゆるHD解像度になり、顔認識機能も搭載した。

左から順にiPhone5、iPhone4S、iPhone4が並んでいる画像。縦が長くなったことが一目瞭然横に動かしながら撮影することでパノラマ写真も撮影可能


「iPod touch(第5世代)」はiPhone5の機能に追従。カラーは5色

「iPod touch(第5世代)」はiPhone 5にひけをとらないスペックや機能を持ちつつ、iPod nanoのようにカラフルに

 iPod touchも最新世代のモデルが発表された。おおまかに言うとiPhone 5の進化に追従したもので、ディスプレイが4インチのアスペクト比16:9に。

 筐体デザインもベースはiPhone 5に近いが、iPod touchはもう少しカラフルで、iPod nanoのカラーリングのように、フチから側面、背面全体へとカラーがついている。カラーバリエーションは5色あり、背面にはストラップを付ける丸いフックがあって、ストラップも本体カラーにあわせたカラーリングのものが用意される。

 筐体サイズは、123.4×58.6×6.1mm(高さ×幅×厚さ)で、重量は88gと、iPhone 5と高さや幅は同じなものの、より薄く、軽量。

 内部にはA5チップを搭載。Wi-Fi通信は5GHz帯のデュアルバンドに対応。カメラ機能はiPhone 5同様にサファイアクリスタルを使用しており、パノラマ撮影機能もあるなど、ほぼ同等のものとなっている。また、iPhotoも使えるようになって、写真を加工できるようにもなった。ビデオ再生・撮影機能もiPhone 5と同等なものを備えている。

 バッテリー持続時間は音楽再生が最大40時間、ビデオ再生が最大8時間。Appleストアでの予約注文は9月14日から。価格は32GBモデルで24,800円より。

「iPod touch(第5世代)」は、大きさはiPhone 5同様だが、薄く、軽い


「iPod nano(第7世代)」はクレジットカードサイズで、7色のカラーを用意

iPod nanoは7色のカラーバリエーションが用意される

 新型iPod nanoも発表。2.5インチ(対角)のワイドスクリーンマルチタッチディスプレイを搭載し、240×432ピクセル、解像度202ppi。マルチタッチのディスプレイで、ディスプレイ上には丸形のアイコンが6個並ぶ。

 筐体サイズは小さく、縦横はクレジットカードサイズ。詳細な数値では、76.5×39.6×5.4mm(高さ×幅×厚さ)で、重量は31gとなった。

 ビデオ再生機能があり、Bluetoothにも対応。コネクタはiPhone 5と共通の「Lightningコネクタ」を採用している。バッテリーは、オーディオ再生が最大30時間、ビデオ再生が最大3.5時間。

 筐体のフチから側面、そして背面全体と色がついていて、7色のカラーリングバリエーションが発売される。Appleストアでの予約注文は9月14日から。価格は16GBモデルで12,800円。

より小さく、薄くなった「iPod nano(第7世代)」

【追記】ソフトバンクとKDDIの予約受け付け開始時間予定が公開されましたので、追記しました。


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(2012年 9月 13日)

[Reported by 山村智美]