ソニー、HMD「HMZ-T2」を10月に発売!
ヘッドフォンを分離しスリム&軽量化
ヘッドマウントユニット |
付属のヘッドフォン |
プロセッサーユニット |
「ハーモニクスイコライザ」 |
ソニー株式会社は、3D立体視対応ヘッドマウントディスプレイ(HMD)「HMZ-T2」を10月13日に発売する。価格はオープンで、実売価格7万円前後の予定。
有機ELパネル2枚を採用し、クロストークのないHD(1,280×720)の3D立体視に対応したHMD。パネルのスペックは前モデル「HMZ-T1」を踏襲するが、前モデルユーザーの要望に応える形で各部に手が入っている。ヘッドマウントユニットとHDMI接続のプロセッサーユニットのセットとなっている点もHMZ-T1と同様。
HMZ-T2は、ヘッドフォン部分を独立させ、ヘッドマウントユニット内側左にステレオミニプラグが設けられた点が見た目の大きな特徴。付属のヘッドフォン(MDR-EX300相当)だけでなく、好きなものを組み合わせて使えるようになっている。サウンドモードもインナーイヤー/オーバーヘッドとヘッドフォンにあわせて切り替えが可能。圧縮音源で失われがちな“消え際の微小な音”を再現し、深みと伸びのある音場を再現する「ハーモニクスイコライザ」も搭載された。
この変更により、ヘッドマウントユニット後部がすっきりしており、メガネをかけている人でもセットアップしやすくなっている。ヘッドバンドも改良され、装着したままでの長さの調節もやりやすくなった。従来ははめ込み式の後部アジャスターでおおよその長さを決め、装着時に左右のアジャスターを動かして決定していたが、HMZ-T2では後部のアジャスターを緩めて調節しやすくなった。ヘッドフォンを分離したことで、横になってもヘッドマウントユニットの位置を維持しやすくなるだろう。
また、有機ELパネル、レンズユニットに関してはHMZ-T1とほぼ同じものが採用されているが、左右のレンズ位置を調整するアジャストスライダーが左右独立で動くようになった。各部の調整により、重量もHMZ-T1の約420gから約330gまで軽量化されている。
映像モードでは新たに「ゲーム」が追加。パネルの特性を活かした発光制御を行なうことで、さらに動画ボケを抑える「パネルドライブモード『クリア』」が搭載されているほか、24p True Cinemaに対応。画質面では、レンズ特性を考慮した新エンハンスフィルターと14bitリニアRGB 3×3色変換マトリクスエンジンを採用し、画質モードのチューニングを見直した。新エンハンスフィルターは、光学レンズの周波数特性を考慮し立体感が向上した。
額に当たるヘッドパッドも大型化され、グリップ感のある素材を採用。重みを受け止める部分が分散されたため、HMZ-T1よりも額が痛くなりにくいと思われる。また、パッドの位置も4段階で調整できる。ヘッドマウントユニット裏側の音量操作ボタンが左側に移動したことで、右の電源ボタンとの押し違いが少なくなっているのも改良点だ。
HMZ-T1にも付属していた下からの光をさえぎるライトシールドは、形状が改良されて遮光性がアップ。HMZ-T1では上部用のライトシールドも付属するため、没入感が向上している。
プロセッサーユニットは、音声入力にあらたにリニアPCM、ドルビーデジタル、AACに対応(HMZ-T1ではリニアPCMのみ)。
なお、本製品の予約受け付けは10月1日より随時開始予定としている。
【ヘッドマウントユニット】 | |
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ヘッドフォンを独立させたことで、後部がすっきりした | |
額にあたるヘッドパッドは大型化 | 装着イメージ |
有機RELパネル、レンズユニットはHMZ-T1と同じ |
左がT2、右がT1 | 音量調節ボタンが左に移動 | ヘッドフォン端子は左側に |
ヘッドバンド微調節ボタンは大型化 | 装着したままでもバンドの大幅な調節が可能に |
■ TGS2012に出展、限定仕様HMDの公開実験も
東京ゲームショウ2012にて、HMZ-T2が出展される。ソニー・コンピュータエンタテインメントブースにて、HMZ-T2による試遊プレイ(リンク先は対象タイトル)が可能。
さらに、ゲームのアイデアコンテスト「センス・オブ・ワンダーナイト」の特別企画ブース「HMZ没入快感研究所」にて、ヘッドトラッキングシステムと、ライブカメラを内蔵した限定仕様ヘッドマウントディスプレイ“PROTOTYPE-SR”による新しいエンタテインメントの可能性を探る“公開実験”が開催される。
(2012年 9月 11日)