ガンホー、「ECO」の大型アップデート「SAGA17」を9月20日に実装

目玉要素「無限回廊下層」のプレイレポートを一足早くお届け!


【SAGA17:太古の封印と無窮の檻】

9月20日実装予定



「SAGA17:太古の封印と無窮の檻」のイメージイラスト

 ガンホー・オンライン・エンターテイメント(以下、ガンホー)は9月20日にWindows用MMORPG「エミル・クロニクル・オンライン(以下、ECO)」の大型アップデート「SAGA17:太古の封印と無窮の檻」を実装する。

 アップデートの目玉は新ダンジョン「無限回廊下層」。これは既存のダンジョン「無限回廊」の下に新たに発見された3次職クロニクルジョブ専用のハイエンドコンテンツだ。また、2つめの「飛空庭」やユニオンペットの新スキルなど、ゲームをより楽しく、遊びやすくするための各種のアップデートも同時に実装される。

 今回は、ガンホー・オンラインエンターテイメントにお邪魔して、「ECO」の制作を担当している寺田美絵氏と、マーケティング担当の榊田毅氏に話を聞きながら「無限回廊」をプレイしてきた。このレポートでは、プレイのインプレッションを交えながら、新ダンジョンの中身を紹介していきたい。





■ 「無限回廊」の地下に72階から101階までの新ダンジョンが登場

「ECO」制作担当の寺田美絵氏
「ECO」マーケティング担当の榊田毅氏

 「無限回廊」は2005年に大型アップデート「SAGA1:白き大地と無限の回廊」で実装されたダンジョン。「挑戦型ダンジョン」と銘打たれ、レベル別に用意された「挑戦クエスト」を受けて進んでいくというものだった。今回実装される「無限回廊下層」は、現在の無限回廊の最深部に発見されたさらに奥へ続く通路の先にある場所だ。

「無限回廊は2005年に実装された時には地下40階までしか行けなかったのですが、今回は今まで発掘中だった場所からさらに先に入れるようになります」(寺田氏)。

 足を踏み入れることが許されるのは、3次職クロニクルジョブに転生したハイエミル、イクスドミニオンとアークタイタニア、そしてレベル100パーツ入手イベントをクリアしたDEMだけだ。

「地下40階より下に入れないように封印をしたのは、古代のハイエミルたちなのです。今のハイエミルたちは、古代に存在していたハイエミルに比べると能力が退化しているという裏設定があって、今の上位転生組はそれを1つ1つ学んでいっているわけです。だから古代の先人が施した封印もいっきに解くことはできなくて、少しずつひも解いていく必要があるという設定です」(寺田氏)。

 今回実装されるのは、41階のロビーと、72階から101階までの下層部。その間にある42階から71階までの中層部は次回以降のアップデートに持ち越される。先に下層が実装されたのは、高レベルのプレーヤーが増えて、高レベルが遊べるコンテンツへの要望が強かったからだ。

「今年のECOは“育む”というテーマでやっているのです。2010年に3次職クロニクルジョブを入れたのですが、その後、3次職クロニクルジョブになってもらおうというアップデートをたくさん入れてきた結果、かなり3次職クロニクルジョブが増えてきたのです」(寺田氏)。「1次職、2次職の調整や、各ダンジョンやモンスターの調整をして、3次職クロニクルジョブまでの道を整えてきました。そこで今度は3次職クロニクルジョブになった後の道を用意しておいてあげないと、ということです」(榊田氏)

ダンジョンの新モンスター。軽快なフックを繰り出してくるパンダはかわいいけど強い




■ 毎回変わるワープリンク。パーティーごとに違う目的地を目指せ

無限回廊の中は、4フロアごとにイメージカラーと敵の構成が変化する

 「無限回廊下層」はインスタンスダンジョンではなく、誰でも入れる通常フィールドのダンジョンだ。内部は4階ごとにイメージカラーの違う別のダンジョンになっている。

x「フロアごとに植物と動物とか、鳥と機械とか、種族特化をした形になっています。イリスカードには特定の種族に与えるダメージが増えるというカードがあるので、そこをちゃんと準備してくると攻略が楽になります」(寺田氏)。

 最初に入れるのは72階。ここから3階層下まではモンスターが徘徊する迷宮になっており、4階層目はボスのいる広場になる。その後も同じように4階層ごとにボスがいる。「ミッション」を受けると入れるインスタンスダンジョンのボスを倒すと次からはその階層までをショートカットできるようになる。ダンジョンは4階層ごとにイメージカラーが変って、青、緑、赤、黄緑、白と色々な雰囲気のダンジョンが楽しめるようになっている。

 古代遺跡と言う設定なので、内部は古い神殿のようになっており、ところどころに塔や神像が建っている。内部ではミニマップは表示されないので、仲間とはぐれないように注意が必要だ。このダンジョンの特徴の1つが、迷宮部分の出口が固定ではなく、いくつかのパターンの中から毎回選択されるという仕様だ。

「こういう迷路型のダンジョンって、1回攻略されてしまうと次からはルートががっちり固定されてしまうので、それは面白くないねということで、毎回変わるようにしています」(寺田氏)。

 また、パーティーごとに出口が違うため、他人の後をついていっても正しい道とは限らない。

「さまよっていればそのうちわかると思いますが、効率的ではないですし、広くて高低差や分岐もあるのでアイテムを使ったほうが見つけやすいです」(寺田氏)。

 出口を探すために必要なのが、「マジックコンパス」というアイテム。使うと、キャラクターの足元に円と矢印が表示されてゴールの大まかな方向を教えてくれる。この矢印はパーティーメンバーには見えないが、エリア移動するまではずっと表示されっぱなしになるので、使った人が道案内をしつつ先へ進むという感じだ。

 ダンジョン内部はかなり広い。素早く移動するために、ダンジョンのモンスターからドロップする「駿足のスクロール」というアイテムを活用したい。これは無限回廊下層の中だけで効果を発動するアイテムで、使うとパーティーメンバー全員の移動速度が一定時間早くなる。


内部は古代の神殿になっていて、あちこちに神像もある神々しさを感じさせる白いイメージカラーのエリア「駿足のスクロール」を使えば、一定時間パーティー全体の移動スピードが上がる




■ ミッションでフィールドボスとインスタンスボスを使い分ける

41階にいるNPCからクエストを受けることができる

 下層に入るためのロビーになる41階には、クエストをくれるNPCがいる。ここで「〇〇をいくつ持ってこい」とか「〇〇を探せ」といったクエストを受けて中に入る。

「クエストをクリアするとミッションチケットが手に入ります。これを集めるとミッションを受けられるようになります」(寺田氏)。ミッションを受けた状態で入ると、ボスのいる階層がインスタンスダンジョンになり、ゆっくりとボス戦に挑めるようになる。

 ボスのいる階は2階建の構造になっていて、入ってすぐの場所にはボスを見下ろす休憩所がある。ここにはアイテムを売買できるNPCもいて、不要なアイテムを売ったり、ボスに備えて補充したりといったことができる。

「無限回廊下層」は通常フィールドのダンジョンなので、ボスは常にいるとは限らず、先に来たパーティーが戦っている可能性もある。上からのんびり観戦しつつ、自分たちはどうするか、と作戦会議をするといった風景が日常になりそうだ。

「ミッションのボスとフィールドのボスは見た目は変わりませんが、ステータスとドロップアイテムが微妙に違うんです。フィールドのボスは大人数で戦うことを想定していますが、ミッションはパーティー単位なので。どちらのドロップアイテムが欲しいかで使い分けてもらえるといいと思っています」(寺田氏)。


ボスを見下ろす休憩所。アイテム販売のNPCもいて、一息つける場所だ




■ ダンジョン内はトラップがいっぱい! 注意して進もう

範囲毒のトラップに引っかかり全員毒状態に

 雑魚モンスターがいるエリアには、様々なトラップも仕掛けられているという。

「歩いていると水がザーッと流れてきて押し戻されたり、いきなり牢屋みたいなところに飛ばされたりと、結構大きな仕掛けがあります。1人で行くよりは、パーティーで行ったほうがより楽しく攻略ができるかなと思います」(寺田氏)。

 試遊した時にも、様々なトラップに遭遇した。牢屋はモンスターがドロップする鍵を使えば簡単に出ることができる。単独での脱出も可能だそうだが、

「1人だと少し出にくくなっています。通りすがりの人やパーティーの人が鍵を渡すなどして手伝ってあげるといいかなと」(榊田氏)。

 ほかにも、床に見えないスイッチがあり、うっかり踏むとその周りにいたキャラクター全員が範囲毒のダメージを受けたり、氷に閉じ込められて動けなくなったり、床から伸びてきた手に掴まれて動きが遅くなったり、いきなり湧き出した波に部屋の隅まで押されたらそこにアクティブモンスターがいたりと、いろいろな目にあった。また、ダンジョン内にはキャラクターが近づくと自動的に攻撃を仕掛けてくる砲台がある。砲台は倒すことができないので、側を離れない限りいつまでも攻撃してくる。

しつこく遠距離攻撃をしてくる砲台には近づかないほうが無難。しかし、色々なアクションで回避できることもある突然現われた波がキャラクターを押し流す牢屋に突然飛ばされることも。出るには鍵が必要




■ 世界の循環を生み出す「キーモンスター」

複数のキーモンスターがほかのモンスターに混じってフィールドを徘徊している

 寺田氏らが今回のアップデートで1番表現したかったという要素が、ダンジョン内に出現する「キーモンスター」だ。「SAGA15」のアップデートでは、プレーヤーの行為がワールド全体に影響を及ぼす仕組みとして武具強化の成功率が上がる「リサイクルシステム」が実装されたが、「キーモンスター」も同様にゲーム世界全体に影響を及ぼすシステムだ。

 キーモンスターは各フロアで他の雑魚モンスターに混じって徘徊している特別なモンスター。このモンスターを倒すと、初心者向けのフィールドエリアのどこかに、ドロップや経験値の美味しいレアモンスターがポップする。

「3次職クロニクルジョブの皆さんが無限回廊でキーモンスターを倒す。すると序盤のユーザーさんにとって役立つモンスターが沸く。そんなふうに世界が循環するちょっとした仕組みを入れたいと思ったのです」(寺田氏)。

 キーモンスター自体には特別な報酬はないが、倒すとレアモンスターが出現するマップにいる全プレーヤーの画面に「〇〇さんがキーモンスターを倒したのでこのモンスターが沸きました」といったアナウンスが流れる。

「長く続いているゲームであるということと、無限回廊下層が3次職クロニクルジョブ用のダンジョンで初心者が入れないために、3次職クロニクルジョブがどれだけ活躍しているか感じ取れる機会がないのです。なのでこの仕組みを、少しでも交流のきっかけになるようなものにしたいと思っています。キーモンスターは3次職の人たちにとっては特においしいモンスターではないのですが、序盤の人たちにとっては、とても恩恵のあるモンスターなのです」(榊田氏)。

「最近のMMORPGのプレイスタイルって、交流する機会がなくなってきていると思うのです。昔なら『その装備かっこいいですね』とか、話しかける人が結構いたと思うのです。そこから友達になったりとか。今は初心者の方から話しかけるのが怖い、という雰囲気になっているのでどうしても序盤はソロで過ごす人が多いです。交流してくださいというのが難しくなっている気がします。だから、特別な行動をしなくても、誰かが何かをしたことで世界が動いて、コミュニティの一員になっているのを感じて欲しいと思っています。これが今回のダンジョンの大きな狙いになります」(寺田氏)。

 キーモンスターの種類は約18種類で、それぞれに対応するレアモンスターがポップする。キーモンスターは特にこれがそうだと分かるような派手さもないまま、他のモンスターに混じってダンジョン内をウロウロしている。だから特に意識していなくても、倒している敵にいつの間にかキーモンスターが混じっていた、となる。

 「無限回廊のボスや、レアモンスターを倒すと『異界の金貨』というアイテムをドロップします。これを集めてNPCに持っていくと、それでしか交換できないアイテムと交換できます。上級者が高値で買い取ってくれるでしょうから、初心者さんたちにはいい稼ぎになるかもしれないですね」と寺田氏。

モンスターを倒すと序盤のフィールドにレアモンスターが沸くどこかに沸くレアモンスターレアモンスターやダンジョンのボスからドロップする「異界の金貨」は特別なアイテムと交換できる




■ 2台目の「飛空庭」には「バックパッカー」が関連?

「休止している人も、ぜひこの機会に遊びにきて」と両氏
9月6日より「目指せ三次職!経験値1.5倍キャンペーン」がスタートする
「SAGA17」実装に合わせて、しばらく休止していた3次職クロニクルジョブのキャラクターに「EXブランクイリスカード1」が2枚プレゼントされる

 「SAGA17」ではほかにもいくつか新要素が実装される。詳細はこの記事よりも少し後に発表される予定だが、ここでは概要を聞くことができた。

・ユニオンペット

 「SAGA17」からすべてのペットがユニオンペット化できるようになる。そして「ストライダー」、「マエストロ」、「ハーヴェスト」などのパッシブスキルがユニオンペットにも発動するようになる。さらに「ユニオンペットを実装してから、ご要望が多く寄せられている仕組みを入れようと思っています」(寺田氏)。1つめは、ユニオンペットのステータスリセット。1度振ったステータスをリセットできる仕組みを入れる。

 もう1つは、「負傷状態」から早く回復するためのもの。現在はペットが戦闘不能から復活すると「負傷状態」になるが、この状態のまま連れて歩くと再び倒されやすくなってしまう。そこでアイテムかスキルなどで、負傷状態から早めに回復できるようにする。

 さらにユニオンペットが行動するタイミングを時間で設定できるようになる。そしてペットが言葉を話すようになる。「ユーザーと仲良くなると上がる信頼度のようなものがあって、それが高くなるとしゃべる内容も親しげになります」(榊田氏)とセリフが変化していく。しゃべる内容はペットごとに異なっているそうだ。

・DEMの新パーツ

 2種類のパーツが実装される。

・2台目の飛空庭

 ユーザーが家具を自由に飾れる「飛空庭」。しかし部屋がいっぱいになってものが置き切れないという要望を受けて、2つめを持てるようになる。2つの飛空庭は切り替え式になっていて、どちらか一方を表示することになる。

 入手条件を聞いてみたところ「バックパッカー」が関係することになるらしい。

「今年はスキルやダンジョンの調整で遊び方を変えていくということをやっているのですが、その中で『バックパッカー』の優遇を望まれる声が多いのです。それを去年くらいから考えているのですが、バックパッカーは戦闘が苦手な職だけど、ものはたくさん持てたり、何かを作ったりというのが特性なのですね。だから飛空庭が持てたり、もっとものが持てるようになる仕組みがあってもいいんじゃないかと考えています。ですからバックパッカーがかなりのキーになっていると思います」(寺田氏)。

 最後にユーザーに向けてメッセージを頂いた。

「3次職クロニクルジョブをお持ちのみなさん、本当にお待たせしました。友達同士でふらっと行っても楽しめる内容になっていると思うので、今日、ログインして何をしようかなと思っている方は、ぜひ1度遊んでみてください。よろしくお願いします」(寺田氏)。

「無限回廊はかなりやりごたえのあるダンジョンになっていると思います。まだ3次職クロニクルジョブになっていない方のために、9月6日から経験値1.5倍キャンペーンを開催しますので、今のうちにレベルを上げてください。休止している方についても、ちょっとしたお帰りアイテム的なものを用意していますので、このタイミングでみんなが集まって声を掛け合いながらダンジョンに挑戦していただきたいと思います」(榊田氏)。
(C) BROCCOLI/GungHo Online Entertainment,Inc./HEADLOCK Inc.

(2012年 9月 7日)

[Reported by 石井聡]