SCE Asia、中国広東省にSCE Guangdong(広東)を設立

広東動漫城に全面協力、将来的には中国でのゲームビジネスも視野に


6月21日発表(現地時間)

会場:広東動漫城(広東省従化市)



 株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメントのアジア部門SCE Asiaは現地時間の6月21日、中国広東省従化市で行なわれた従化市主催のイベントにおいて、中国広東省にSCEグループ初となる中国法人SCE Guangdong(広東、SCEGD)を設立したことを明らかにした。

広東動漫城オープニングセレモニーで来賓挨拶を行なうSCE Asiaプレジデント安田哲彦氏
広東動漫城設立にあたり、SCE Asiaは3つの重要な決定を行なったと述べる安田氏
これがその3つ。左から順に広東動漫城の人材教育プログラムへの積極支援、SCEGDの設立、そしてプレイステーション体験センターの設立となる

 今回の発表は、中国広東省と従化市共同で推進するデジタルコンテンツの一大拠点“広東動漫城”のオープニングセレモニーの中で、同拠点の参画企業の1社として参席していたSCE Asiaプレジデント安田哲彦氏が来賓挨拶の中で明らかにしたもの。事務所は現在の広州の駐在所をそのまま利用し、人員は十名弱、資本金は数億円規模になる見込み。

 中国にはこれまで北京や広州に駐在事務所はあったが、法人の設立は今回が初めてとなる。董事長(会長に相当)はSCE Asiaプレジデントの安田哲彦氏、総経理(社長に相当)にはSCET(台湾)総経理兼中国事業企画部部長の本間和彦氏がそれぞれ就任する。

 事業内容については、中国ではいわゆる「44号文件」の規制により、WTOで「ゲーム機」、「ゲームソフト」にカテゴライズされる商品は販売することができないため、まずは、中国全土を対象にしたマーケティングリサーチや、今回正式オープンした広東動漫城の直接的な支援などがメインとなる。

 もちろん、将来的にはSCEGDを通じて、中国市場へゲームビジネスの正規参入も視野に入れており、水面下で行なわれている広東省をはじめとした各政府との交渉も最終段階を迎えていると見られる。交渉が順調に進み、中国の安全基準の試験にパスすれば、年内にも広東省内で販売が始まる見込み。

 今年の7月に上海で開催される中国最大規模のゲームショウ「ChinaJoy」では、SCE Asiaは4年ぶりとなるブース出展を予定しており、そこであらためて中国のゲームファンにプレイステーション 3やPS Vitaといった主要プレイステーションプラットフォームをアピールしていく。中国全土から報道陣が集まることから、発売日や価格を発表する絶好の機会でもあり、ChinaJoyでの動向が注目されるところだ。

 なお、広東動漫城のオープニングセレモニーの模様については後ほど詳しくお伝えするつもりだ。

【広東動漫城オープニングセレモニー】
広東動漫城のオープニングセレモニーは、多数の来賓を招いて大々的に実施された。詳細については後ほどお伝えしたい

(2012年 6月 22日)

[Reported by 中村聖司]