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スクエニ、「ピアノ・コレクションズ ニーア ゲシュタルト&レプリカント」発売記念イベントを開催
ピアノ生演奏と秘話満載のトークで「ニーア」ファン大満足のイベントに


3月20日 18時〜18時30分 開催

会場:新宿アイランドホール



 株式会社スクウェア・エニックスの「ニーア ゲシュタルト」と「ニーア レプリカント」の楽曲をピアノアレンジしたアルバム「ピアノ・コレクションズ ニーア ゲシュタルト&レプリカント」が3月21日に発売された。これを記念したピアノ生演奏&トークイベント「トオク、チイサク、ハカナイ、ピアノ」が発売前日である3月20日に開催された。

 このイベントはコミュニティサイト“スクウェア・エニックス メンバーズ”会員200名を無料で招待し、ピアニスト・帆足圭吾氏、谷岡久美さんによるピアノ生演奏と、「ニーア」の楽曲プロデュースを担当した岡部啓一氏や「ニーア」のディレクターを務めたヨコオタロウ氏を交えたトークを楽しんでもらおうというもの。イベント終盤にはプロデューサーである齊藤陽介氏も登場し、気になる「ニーア」の今後に関するメッセージも語られた。その模様をお伝えしていこう。




■ ニーアピアノアレンジ生演奏に加え、トークではヨコオタロウ氏や齊藤陽介氏も登場!!

「ニーア」の楽曲を手がけた岡部氏、帆足氏、さらにピアノアレンジで参加した谷岡さんが登場。MCには「ニーア」でエミール役を務めた門脇さんが登場した

 会場となった新宿アイランドホールには「ニーア」ファン約200名が詰めかけた。応募は約2,000件弱あったということで、約10倍という競争率の高さから、本作への根強い人気の高さが伺える。

 イベントの進行役には、「ニーア」でエミール役を演じた声優の門脇舞似さんがサプライズで登場。イベント中の注意事項などをエミールとしてアナウンスするなど、サービスたっぷりなMCを披露してくれた。

 ピアノ生演奏では、帆足圭吾氏と谷岡久美さんがアンコールを含め全7曲を演奏。帆足圭吾氏は「ニーア」のサウンドを制作した有限会社MONACA所属で、「ニーア」の楽曲を岡部啓一氏、石濱翔氏と共に制作。「ピアノ・コレクションズ」でも収録曲のうち6曲を担当している。

 谷岡久美さんはスクウェア・エニックスの「ファイナルファンタジーXI」の楽曲などを代表作に、現在では幅広く活躍中。「ニーア」関連の楽曲には初参加で、岡部氏からのリクエストを受けて今作のピアノアレンジアルバムに参加となったということだ。

 壇上には他にも、「ニーア」楽曲制作の中心となったMONACAの岡部啓一氏、「ニーア」のディレクターを務めたヨコオタロウ氏が登場。ヨコオタロウ氏はメディア露出時にいつも被っているお面をつけた人形をステージの脇に置き、声のみの参加となった。その人形の出で立ちがなんともシュールで、トークと合わせて会場に笑いを生んでいた。


ピアノ演奏は帆足氏(写真左)と谷岡さん(写真右)。帆足氏は「ニーア」の楽曲を岡部氏、石濱翔氏と共に制作。当時はMONACAに入って間もない頃だったという。谷岡さんは自ら「ニーア」のサントラを購入しファンになったということで、今回のピアノアレンジ参加にも驚きと喜びがあったという
「ニーア」楽曲制作の中心となったMONACAの岡部啓一氏も登場(写真左)。MCには「ニーア」でエミール役を演じた声優の門脇舞似さんがサプライズで登場した
「ニーア」のディレクターを務めたヨコオタロウ氏も登場(?)。写真のシュールな人形を自分の代わりとして置き、声のみの参加ではあるが、トークを大いに盛り上げていた

 ピアノ生演奏では、帆足氏と谷岡さんが全7曲を披露を披露。岡部氏いわく、「ニーア」の楽曲には音数を少なめにして“メロディーを強調したソロ”と言える曲と、“賑やかで合唱っぽい”と言える曲に分けられるということだが、今回の「ピアノ・コレクションズ」では、前者のメロディーが強調された曲を中心に構成しているとのこと。それだけにピアノのみで聴かせる今回のアレンジは、よりメロディーの印象が強調された仕上がりになっている。

帆足氏は「イニシエノウタ」、「エミール」、「カイネ」を生演奏! 曲に合わせた映像も上映され、ピアノ演奏と共に楽しめるようになっていた

 そうしたピアノアレンジの中から帆足氏は、1曲目に「イニシエノウタ」、2曲目に「エミール」、6曲目に「カイネ」を演奏した。

 「イニシエノウタ」はゲーム中ではボーカルの入った曲で、「ニーア」の楽曲の中でも代表的な曲。ピアノアレンジでは、印象の強いボーカルのメロディーラインを中心に響かせるような、静かで柔らかいアレンジがなされていた。

 2曲目に演奏した「エミール」も、原曲の印象的なメロディーラインを伸びやかに聴かせるアレンジとなっていた。岡部氏や谷岡さんが語っていたが、帆足氏のアレンジや演奏は繊細さがとても印象的だ。

 6曲目に演奏したのは「カイネ」。原曲では印象的なメロディーから鮮烈に始まり、新たな展開を予感させるようなテイストがある人気曲だが、ピアノアレンジではメロディーの美しさがより強調され、透明感や繊細さがこれでもかと言わんばかりに増しており、ピアノアレンジで高まった魅力を象徴するような曲になっていた。


帆足氏は全体的に繊細さが印象的な演奏で、ピアノアレンジのしっとりとした魅力を引き出していた

谷岡さんは「光ノ風吹ク丘」、「掟ニ囚ワレシ神」、「オバアチャン」を演奏! 「ニーア」楽曲に初参加ということで、新たな魅力を加えていた

 谷岡さんは3曲目に「光ノ風吹ク丘」、4曲目に「掟ニ囚ワレシ神」、5曲目に「オバアチャン」を演奏した。「ニーア」楽曲には初参加となる谷岡さんだけに、谷岡さんならではのアレンジや演奏といった、新たなアクセントを楽しめるものとなっている。

 「光ノ風吹ク丘」は、ゲーム中だと草原のフィールドに使用されていた曲で、タイトルにもあるとおり、風が吹き抜けるような疾走感のある曲。ピアノアレンジでは静かな導入から徐々に、谷岡さんならではの力強く躍動感のあるアレンジがなされていた。

 

 「掟ニ囚ワレシ神」はゲーム中ではボスとの戦闘曲であり、前述の岡部氏による原曲のパターンで言うと“賑やかで合唱っぽいと言える曲”と思えるのだが、そこは伸びやかな演奏から力強い演奏まで定評のある谷岡さんの真骨頂。ピアノのみで原曲のイメージにある激しさやうねりを作りだし、会場を圧倒。演奏後には大きな拍手が起きた。

 5曲目は甲田雅人氏がアレンジした「オバアチャン」を谷岡さんが演奏。原曲はボーカルありの悲壮感漂う楽曲だが、ピアノのみで演奏することでより悲壮感が高められ、心に染み渡るような曲になっていた。また、中盤には連続した音の厚みが重ねられていて、原曲とはまた異なる魅力が感じられた。こちらもまた谷岡さんがアレンジした曲のように、初参加の甲田氏による新しいアクセントが加わっている。


伸びやかな演奏から力強い演奏まで幅広く演奏する谷岡さんの魅力がこれでもかと発揮された演奏となった

曲の合間に行なわれたトークでは、楽曲の制作秘話やレコーディングでの裏話など、も盛りだくさんに披露された
ヨコオタロウ氏も声で参加! 独特なぶっちゃけトークで会場を盛り上げていた

 演奏の間には「楽曲制作秘話」や「レコーディングでの裏話」など、トークも盛りだくさん。トークではヨコオ氏も加わって、「ニーア」制作時のエピソードや、楽曲制作の秘話を披露していた。

 「ニーア」楽曲制作のエピソードでは、ヨコオ氏が「ニーア」で“音を使った実験”をたくさん試してみたいと考えていたそうだ。そこで、色々とリクエストしやすい岡部氏に楽曲をお願いしたという。

 一方の岡部氏はというと、当時ゲームミュージックから他方面の曲制作に転向を考えていたということで、「ニーア」を“最後に手がけるゲームミュージック”のつもりで制作に注力したという。それが、これほどに長く愛され、アレンジCDの発売までこぎつけたことへの驚きを改めて語っていた。

 「ニーア」は楽曲の依頼も独特だったという。通常のゲームミュージックではある程度ゲームができあがってきてから、そこにマッチする曲を作っていく事が多いそうだが、「ニーア」では試作段階から楽曲を作っていったという。また、楽曲制作はある程度の曲数をまとめて受けることが多いが、「ニーア」では2、3曲ずつ定期的にヨコオ氏から依頼があり、いつまでも終わりの見えないような状態になっていたという。だが、粘り腰で作り続けた結果、ゲームのテイストにもマッチした高い評価を受ける楽曲が完成したというわけだ。

 今回のピアノアレンジに関するトークでは、谷岡さんが参加に至ったきっかけが語られた。岡部氏はあるイベント(昨年3月に開催されたピアノライブイベント「Keys Of Game」と思われる)で谷岡さんの演奏を生で聴いて、谷岡さんの演奏のパワーと繊細さを両方持ち合わせたダイナミックレンジの広さに感動し、今作での参加をリクエストしたという。

 谷岡さんはというと、そのイベント時に帆足氏の演奏を聴いて、非常に繊細な演奏をする人だという印象を受けたという。それから約1年が経って、今回のイベントで一緒に演奏をすることになった縁に、不思議なものを感じたという。

 レコーディングの裏話では、帆足氏の独特な楽譜(?)が話題に。帆足氏の楽譜には音符はひとつもなく、「このあとキラキラ」といったように文章で曲の構成が書いてあり、即興を中心に仕上げるのだという。これには門脇さんも興味津々で、「どこかで公開して欲しい」と要望していた。

イベント参加応募時に寄せられた質問に答えるコーナーも。質問への答えからも「ニーア」楽曲の裏話がたくさん飛び出した

 ファンの方から寄せられた質問に答えるコーナーも実施された。「思い入れの強い曲はありますか?」という質問では、岡部氏は「イニシエノウタ」を選出。ゲーム本編ではいくつかのバージョンがある曲だが、その中の戦闘バージョンに、“戦闘中にデボルとポポルが曲に合わせて踊る”というギミックが入っているという。だが、実際にゲーム中にそのシーンを見るとあまり目立たずに驚いたという思い出を含めて、印象に残っているそうだ。

 帆足氏は「ニーア」の楽曲を手がけた当時はMONACAに入社して間もない頃で、ゲームミュージックを本格的に手がけた初仕事と言っていい状況だったという。その中で岡部氏に猛烈なダメ出しのオンパレードを受け、どの曲も相当に苦労したそうだ。その中でエピソードのあるものとしては、「魔王ノ城」の曲が釣りのミニゲームにも使われていたことに驚いたという。

 谷岡さんは「オバアチャン」を選出。「ニーア」を知ってサウンドトラックをすぐに購入し、1番気に入っている曲だそうで、谷岡さんは次の質問の「ピアノ・コレクションズに参加することにプレッシャーはありませんでしたか?」という質問でも、自身でCDを購入してファンになったほどに「ニーア」が好きで、世界観が完成しているところに参加するということにかなりのプレッシャーを感じていたと語っており、「ニーア」楽曲への愛情の強さを感じさせた。


“バシッと決まった曲”というのは特になく、スムーズにOKが出た曲が多かったとのこと。一方で“なかなかOKが出なかった曲”は「青イ鳥」。ヨコオ氏から「もっと弾けた曲を」というオーダーがあり、リテイクが重なったという 谷岡さんへの「ピアノ・コレクションズ参加のプレッシャーはありませんでしたか?」という質問では、谷岡さんは相当にプレッシャーを感じていたという。「ニーア」楽曲のファンであったことも理由にあったそうだ
「曲作りに心がけていること」という質問では、帆足は当時岡部氏からダメ出しを多くもらっていたこともあり、心がけるような余裕はなく、とにかく必死だったと語っていた。だがそれだけに、これだけ高評価な楽曲が完成したのでは、と振り返っていた 「ピアノにアレンジするのが難しかった曲」という質問では、「どの曲も元々ピアノアレンジを想定したものではなく難しかった」と谷岡さん。完成度の高い世界観を崩さないよう、新鮮さも取り入れていくのはやはり難しいようだ
「ピアノアレンジすることで印象が変わった曲」という質問では、やはり「ニーア」楽曲初参加の方によるアレンジはいずれも新鮮なものになったとのこと。谷岡さんは独特な譜面(?)で即興アレンジをする帆足氏にも相当に驚かされたそうだ 質問コーナーの最後には、齊藤陽介氏からの謎めいた質問がオチ(?)に。ヨコオ氏が改めて自己紹介をするとともに、制作当時、特に開発スタート時にはかなりの苦労があったというエピソードを語った

 スクウェア・エニックス ミュージックのUstreamページでの配信は、6曲目の演奏とイベント終了のご挨拶までで終了したのだが、会場ではその後にアンコールで7曲目が演奏された。当選して来場してくれたファンの方だけに向けた特別なサービスだ。

 アンコールでは、まず岡部氏による「ヨナ」が演奏されたのだが、実は岡部氏は作曲はするもののピアノの演奏はできないということで、精一杯の演奏を少しだけ披露。ヨコオ氏から「がんばった!」とフォローされつつ、会場からも暖かな拍手が起こった。ある意味、来場した人だけが聴けたとても貴重な演奏と言える。

 本当の最後を締めくくったアンコール曲では、帆足氏が「魔王」を演奏。「魔王」は原曲だとコーラスが重ねられ、悲壮感と狂気を感じさせる曲となっているが、ピアノアレンジされたことで悲壮感が全体に高まり、こちらもより繊細な曲に変わっていた。旋律の美しさが感じられる仕上がりで、本イベントを締めくくるのに相応しい曲となっていた。

「ニーア」のプロデューサーである齊藤陽介氏が飛び入りで登場!! 発売から約2年と長く続いた「ニーア」だが、「今回で一区切りにしたい」と語るとともに、「まだ個人的な思いだが“次のニーア”を目指したい」と語った

 イベントの終盤には「ニーア」のプロデューサーである齊藤陽介氏が飛び入りで登場! たくさんのファンの方が今回のイベントに応募してくれた事に感謝しつつ、念願だった「ニーア」のピアノライブイベントが実現したことを喜んでいた。

 なお、「ピアノ・コレクションズ ニーア ゲシュタルト&レプリカント」のスコアブックも今後に発売されるという。以前にも「ニーア」楽曲のピアノスコアが発売されているが、今回は「ピアノ・コレクションズ ニーア ゲシュタルト&レプリカント」のアレンジを収録したもの。詳細は今後アナウンスされる。

 また、齊藤氏は「今回で1度「ニーア」の展開を一区切りにしたい」と語った。だが、まだ約束できるようなものではないものの「次の『ニーア』を実現していきたい」と続けた。「ニーア」ファンが1番気になっているであろう今後の動きに対する前向きなサプライズコメントに、会場には大きな拍手が起きた。

 こうしてイベントは幕を閉じた。ピアノ生演奏によるアレンジ曲の美しさを堪能しつつ、トークでも貴重な話が満載で、来場した方も配信をご覧になった方も満足度の高いイベントになったのではないだろうか。齊藤氏の言うように、おそらくこれで「ニーア」の展開は一区切りを迎えることになるが、またいつか新たな「ニーア」の世界が始まることを楽しみに待ちたい。


来場した方へプレゼント抽選会も行なわれた。サイン入りのゲームボイス収録用台本や、サイン入りの「ロード オブ ヴァーミリオンRe:2 〜慟哭〜」のカイネと実験兵器7号のカードセットが贈られた。また、Ustream配信を見ていた方へ公式サイトでキーワードプレゼントも実施しているので、視聴していた方は忘れずに応募頂きたい
岡部氏、谷岡さん、帆足氏によるサイン会もイベント後に行なわれた。最後までファンサービス満点のイベントとなった
メインホール以外にも物販コーナーと展示コーナーが設けられており、物販コーナーでは「ピアノ・コレクションズ ニーア ゲシュタルト&レプリカント」の先行販売や各種「ニーア」関連製品が販売された。また展示コーナーには「ニーア ゲシュタルト」と「ニーア レプリカント」のポスターが飾られ、サイン入り台本やスクウェア・エニックスメンバーズのアルティメット会員限定だったパネルなど、貴重なグッズが展示されていた。西新宿の高層ビルをバックに「ニーア」のポスターを見るという、なかなか粋なレイアウトとなった

【セットリスト】

開演:MC 門脇舞似さん
M-1「イニシエノウタ」(演奏:帆足圭吾氏)
トーク 岡部啓一氏、帆足圭吾氏 登壇
M-2「エミール」(演奏:帆足圭吾氏)
トーク 谷岡久美さん登壇
M-3「光ノ風吹ク丘」(演奏:谷岡久美さん)
トーク 楽曲制作秘話
M-4「掟ニ囚ワレシ神」(演奏:谷岡久美さん)
トーク レコーディング裏話、質問コーナー
M-5「オバアチャン」(演奏:谷岡久美さん)
プレゼント抽選
M-6「カイネ」(演奏:帆足圭吾氏)
M-7 アンコール「ヨナ」(演奏:岡部啓一氏)、「魔王」(演奏:帆足圭吾氏)

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(2012年 3月 21日)

[Reported by 山村智美]