SCEJとトヨタ、PS3「グランツーリスモ5」でスペシャルイベント「FT-86 GRAND PRIX」

タイムアタックの決勝イベントにドライバーの脇坂寿一氏が登場


【決勝大会】
12月10日 開催予定

会場:東京モーターショー・トヨタブース(東京ビッグサイト)



DJのピストン西沢さんとドライバーの脇坂寿一氏による、実際のレースに絡めた解説もイベントを大いに盛り上げた

 トヨタ自動車株式会社は、12月11日まで東京ビッグサイトにて開催されている「第42回東京モーターショー」の開催に合わせ、株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCEJ)の「グランツーリスモ5」を利用したスペシャルイベント「FT-86 GRAND PRIX」を開催した。

 今回のイベントは、トヨタから発表された新世代小型FRスポーツカー「86(ハチロク)」の関連イベントとして企画された。イベントは11月に「グランツーリスモ5」の「GTライフ」モードを利用した配信イベントで予選を実施。その予選上位70名が第42回東京モーターショー会場で行なわれた決勝戦へと駒を進めた。

 ちなみにオンライン予選への参加者は45,000人、36名が当日予選に進み、15時からの決勝に進んだのは実に6名という狭き門。当日予選も実力伯仲。8位まで2'13秒台でコンマ数秒を競うという非常にハイレベルな戦いとなった。

 イベントには、すでに86の実車に乗ったことがあるというDJのピストン西沢さん、そしてドライバーの脇坂寿一氏が登壇。お2人による、富士スピードウェイで86を使った対戦を行なうことになった。抜きつ抜かれつの白熱した戦いを繰り広げたが、最終コーナーを回ってからの最後のストレートで脇坂氏がピストン西沢さんを抜き去り勝利した。レースを終えた脇坂氏は「よくできている」と感心した様子だった。

 そして選手も入場し、セッティング時には残り3分の札を持ったレースクイーンも登場。脇坂氏の「3分前はメカニックもいなくて、なにも聞こえないシーンと静まりかえった状態。自分でレースのシミュレーションをしていて、皆の想いを背負って1人で戦うという感じ」といったレース前のレーサーの心理状況などの解説が入りながら、各選手のセッティングが進んでいく。

 ハンドルコントローラーがセットされた試遊台が6台用意されていたが、選手によってはコントローラーを使う選手もいた。また、ハンドルコントローラーを使用する選手も、多くは靴を脱いで試遊台に乗り込んでおり、それを見た脇坂氏とピストン西沢さんは「それほどセンシティブなんだ」と逆に感心していた。

 決勝戦は、富士スピードウェイを舞台に4周するレースとなる。脇坂氏は「予選は自分1人で走るけど、決勝はみんなで走るから自分のラインをトレースできない」と予選とは違う勝負の厳しさがある点を指摘。予選タイムが1秒以内という選手達の戦いとなるだけに会場の緊張感は弥が上にも高まっていた。

 レースが始まると、さすが45,000人のトップ6名だけに抜きつ抜かれつの戦いとなった。脇坂氏が「そのスピードでコーナーに入るとオーバーランするのでは……」というと本当にオーバーランするなど、まさにリアルな戦いとなった。脇坂氏は「我々の(実際の)試合展開と同じ。リアルだ」とコメント。実際に脇坂氏もドイツのコース「ニュルブルクリンク」で走る前に株式会社ポリフォニー・デジタルで十分に走り込み、シミュレートを行ない、コースを覚えた上で挑んだという。

 決勝戦は、最終コーナーを回り、なんと5台がほぼ団子状態でストレートに入ってきたが、スリップストリームを上手く利用してかわした“えるだー”選手が勝利をつかんだ。最終タイムは「9'03.696」。ちなみに2位の“kh”選手は「+00.027」秒差というほどの僅差となった。優勝したエルダー選手には盾とトヨタ製の自転車が贈られた。


トヨタブースに置かれた「86(ハチロク)」の前でイベントは行なわれた。ちなみに会場はどこも人でギッシリだったが、「86(ハチロク)」の前は普通に見るだけで30分待ちと凄まじい混雑ぶりとなっていた
脇坂寿一氏はドライバーとして実際に走った感想などを交えながら解説した。脇坂氏は「86(ハチロク)」を「ドライバーにワクワクドキドキを与える車」と表現したピストン西沢さんもすでに「86(ハチロク)」に試乗したという
脇坂氏とピストン西沢さんの「86(ハチロク)」対決。結果は脇坂氏に軍配が上がった
予選に続き決勝も本当に僅差の戦いとなった。1秒を争うどころかコンマ何秒の戦いになったことについて、脇坂氏もピストン西沢さんも驚いていた
優勝したえるだー選手。脇坂氏は「本当に(運転が)上手い。ぜひとも実際に86に乗ってそのすばらしさをみんなに伝えていって欲しい」とコメントした

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(2011年 12月 10日)

[Reported by 船津稔]