「メタルギアソリッド」シリーズの系譜をまとめた年表1枚にまとめられている

　株式会社コナミ・デジタルエンタテインメント（ＫＯＮＡＭＩ）は、プレイステーション 3/Xbox 360用タクティカルエスピオナージアクション「METAL GEAR SOLID HD EDITION」が11月23日に発売されるのを記念し、「『METAL GEAR SOLID HD EDITION』CM発表会」を同社内にて開催した。

　「METAL GEAR SOLID HD EDITION」は、プレイステーション 2で発売された「METAL GEAR SOLID 2 SONS OF LIBERTY」と「METAL GEAR SOLID 3 SNAKE EATER」を、PS3とXbox 360用ソフトとしてリメイク。グラフィックスをHD解像度にすると共に、アイコンなど情報要素の画像、ノイズエフェクト、すべてのフォントを高解像度に対応させ、ユーザーインターフェイスのバランスも再調整されている。両作とも60フレームにも対応している。これらの作品はエミュレーターで動作しているのではなく、各ハードウェアに合った最適化処理が行なわれ、単なるリメイクで終わらずリビルドされている。グラフィックスだけでなくサウンドやキーコントロールの面でも今の時代に合った仕様へと調整されている。

　さらにパッケージにはMSX2版の「メタルギア」、「メタルギア 2 ソリッド・スネーク」を収録。PS3版には加えてゲームアーカイブス版「METAL GEAR SOLID」のプロダクトコードも同梱される。また、2012年に発売が予定されているPlayStation Vita版とセーブデータが共有できるトランスファリング機能にも対応している。

　来年の夏で25周年を迎えるという「METAL GEAR」シリーズ。全世界に多くのファンがいるフランチャイズだが、発表会に登壇した同社のセールス＆マーケティング本部本部長の古川真一氏は「若い世代にプレイしていただきたいと思いAKB48の小嶋陽菜さんをCMに起用しました。これをきっかけに『METAL GEAR』を見て、触れて、楽しんで欲しい」とアピール。

　続いて登場した小島プロダクションの小島秀夫監督は、「明日が発売日と言うことで興奮しています」と語り、いまなぜ「HD EDITION」を発売するのかについて「ゲームはハードウェアに依存するので、基本的には操作感も含めその時代の人だけが楽しめるものだと思う。でもビデオがBlu-ray Discになったり、CDがリマスターされるように、そういった感じであれば問題ないと思う。その時代の感じを残し、操作感などを今の時代に見直しリリースするのも、こういった形もそろそろ良いかなと」と説明。

　「METAL GEAR」シリーズのファンはコアなゲームファンでハードの進化と共に徐々に年齢層も上がってきたが、若い世代にもプレイして欲しいという想いからPSP版「METAL GEAR SOLID PEACE WALKER HD EDITION」を制作したところ「本当に、多くの若い人にプレイしてもらった」といい、大会では若い女性や親子連れで楽しんでいる姿も見かけ、「胸が熱くなりました。世代を超えて交流している。それがやりたくてシリーズを続けてきた」と小島監督は打ち明けた。「今後もそういったシリーズにしていきたいか？」と問われた小島監督は「プロデューサーとしてはそうですね。クリエイターとしては新しいものを作りたいです」と複雑な心境を一言で表した。

　小島監督は「毎回これで最後という気持ちで作っている。今回のはある意味、集大成。テーマ的に今こそ見て欲しい部分もある。これまで遊ぶ機会の無かった人もいるかと思うので、この機会にぜひ遊んで、感じて欲しい」とアピールした。

発表会に登壇した小島プロダクションの小島秀夫監督。今回リメイクした理由などを語った	セールス＆マーケティング本部本部長の古川真一氏。「多くのファンがいるが、若い世代にプレイして欲しいので、小嶋陽菜さんを起用した」と説明

【METAL GEAR SOLID HD EDITION】
PS3版パッケージ	Xbox 360版パッケージ

【METAL GEAR SOLID 2 SONS OF LIBERTY】

【METAL GEAR SOLID 3 SNAKE EATER】

【「フルスクリーンモード」と「レターボックスモード」】
デモシーンをお好みの表示モードを選択できる。左が迫力のある「フルスクリーンモード」で、右がドラマチックな「レターボックス」。映画的な雰囲気で楽しみたいのであれば「レターボックス」を選択したい。ディスプレイの大きさなどで、よりよい画角を選択すると良いだろう

【Xbox 360版特典アバター】
「MGS2」に登場する「Metal Gear Ray」	「MGS3」に登場する「Shagohod」

【METAL GEAR SOLID PEACE WALKER HD EDITION】
PS3版パッケージ	Xbox 360版パッケージ

【スクリーンショット】

【PSP版との比較】
左がPSP版のスクリーンショット。右がHD EDITIONのスクリーンショット拡大画面で、その違いを確認していただきたい

【Xbox 360版特典アバター】
ダンボール戦車	PEACE WALKER

AKB48の小嶋陽菜さん。小島監督のだじゃれで決まったと言うことを聞き、「小嶋という名前で本当に良かった」とコメント

プレイしている場面を見ながら「METAL GEAR」のゲームの面白さをアピール

　そして今回の発表会の主役とも言える、CMキャラクターとして採用されたAKB48の小嶋陽菜さんが登場。CMやゲームをプレイした感想などに応えた。

　まず、小嶋さんが採用されたのは前述の通り若い世代にアピールするためだが、小島監督曰く「小島プロダクションでちょっと大きなプロジェクトがあって、なかなか先に進まず雪解けが来ない感じなので、『小島プロダクションに春が来る』というコンセプトで小嶋陽菜さんというわけです」と実はだじゃれだったことを明かした。小嶋さんは「『METAL GEAR』シリーズは有名なシリーズなので知っていたのですが、CMが決まった後ネットで調べてみたら小島監督の名前が出ていて、まさかそういうことかな？ と思いましたが、まさか本当とは。でも、“小嶋”という名前で良かったと思いました」と笑いながら答えた。

　CM撮影は「1人は初めてで緊張しました。小島監督の優しい視線を感じながら、潜入しているように見えるように頑張りました」と撮影時を振り返った。さらに初めてゲームをプレイしたときの映像を見ながら、小島監督は「すごい上手いですよ。『METAL GEAR』はコントローラーのあらゆるボタンを使うんです、女性の方は難しかったりするんですが、5分後くらいには操作できるようになってました」と舌を巻くほどだったとか。小嶋さんは「蝶々は撃てないらしいんですけど、蜂の巣を撃ったりワニをよけたり、女性にも楽しめる要素があるんです」と楽しくプレイできたようだ。ただし、初めて敵兵に出会うシーンでは「CMのように謝って済ませることはできなかった（小島監督）」と言うことであえなくゲームオーバーとなったようだ。

　女性ファンが増えることについて小島監督は「すごくありがたいですね。アクションゲームですからすごく簡単にはできないのですが、取っつきやすくするように工夫したりしていこうと思います」と答えた。

　最後に小嶋さんは「私も初心者で、今回『METAL GEAR』デビューしましたが、『潜入にはドラマがある』というキャッチコピーを実感できました。初めての人もその言葉をぜひ実感して欲しいと思います」とアピールし締めくくった。

今回の衣装はCMで実際に使用されたものだとか。小嶋さんは「AKBでは可愛い服を着ることが多いので、迷彩服はあまりありません。新しい私かも」と衣装について振り返りながら、フォトセッションでは様々なポーズを要求されながらも、カメラマンに応えていた
イベント後半に「スネークと雷電のどちらが好みか？」の問いに「スネーク」と応えた小嶋さん。理由は男らしい外見と一途ってところにも惹かれます」とか	ところが小島監督から「スネークは昭和の男で言うことを聞かない。雷電は真っ白なところがあり、小嶋さん好みの色に染めることができる」と説明され、急に悩み始める小嶋さん……	結局「私好みになるなら……」と雷電を選択。しかし最後に「どちらと結婚しても、どこかに潜入しに行くと思うので、私もついて行きたいです」とコメントし会場の笑いを誘った
CMのスクリーンショット。潜入している小嶋さんに急に携帯電話にコールが入る！ 慌てながらも「5時に秋葉原なんて無理！」と応対する。ここで「その潜入には、ドラマがある」のコピーが被る。結果的には兵士に気付かれ「ごめんなさい……」と謝る小嶋さんが可愛らしい

会場にはスネークの等身大フィギュアが飾られていた。小嶋さんのフォトセッションの時にカメラマンから「スネークっぽくお願いします！」との声に、このフィギュアのポーズを参考にポーズを取っていた

「メタルギア」と言えばダンボール。Twitterをやっている小嶋さんは「ファンの方からダンボールに隠れないの？」と聞かれたとか	ダンボール戦車の実物が展示されていた	売り場の飾り付け例。こちらも小嶋さん一色になるようだ