東京ゲームショウ 2011レポート
EA、「ニード・フォー・スピード ザ・ラン」プレビュー
Frostbite2を採用した「NFS」シリーズ最新作、川村ゆきえさんも変顔で激励!?
エレクトロニック・アーツ株式会社は、東京ゲームショウにおいて「ニード・フォー・スピード」シリーズ最新作「ニード・フォー・スピード ザ・ラン」を初公開した。一般ユーザーに対しては、セガブースに試遊台を出展し、メディアに対しては国際会議場にてプレビューイベントを開催した。
また、一般公開日初日の9月17日には、セガブースメインステージにおいて「ニード・フォー・スピード ザ・ラン」のステージイベントを開催。発売日や価格、初回特典、体験版などの情報が公開されたほか、特別ゲストとしてタレントの川村ゆきえさんが駆けつけ、同作に対して大きな期待を寄せるコメントを連発していた。
「ニード・フォー・スピード ザ・ラン」は12月1日発売予定で、発売プラットフォームはプレイステーション3、Xbox 360、Wii、ニンテンドー3DS。価格はPS3/Xbox 360版が7,665円、Wii版が6,090円、3DS版が4,980円。基本的なゲーム内容は同一だが、マルチプレイの仕様が各バージョンで大きく異なり、PS3/Xbox 360版は最大12人、Wii版が最大4人、3DS版が最大8人までのマルチプレイに対応している。本稿では、東京ゲームショウで明かされた「ニード・フォー・スピード ザ・ラン」の詳細についてお伝えしたい。
■ シリーズ第10弾はアメリカを舞台にした大陸横断レース!
今回出展していたのはGamescomと同じ英語バージョン。サンフランシスコ東部の「Desert Hill」と呼ばれる行動ステージで、150位から140位になればクリア、つまり10人抜きをすればクリアというレース内容で、所々カーブがある以外はひたすら地平線が続くストレートコース。ただし、アップダウンが激しくハンドルを取られやすく、簡単ではない。プレイ時間にして5分ほどの荒野コースだ。
細かいインプレッションに入る前に、「ニード・フォー・スピード ザ・ラン」の基本的なゲーム内容について紹介しておくと、「ニード・フォー・スピード ザ・ラン」は、「ニード・フォー・スピード」シリーズ第10弾となるシリーズ最新作。主人公は1万ドルの借金をしてギャングを追われる立場となった人間で、借金を返すためにサンフランシスコからニューヨークまで3,000マイルを1位で走りきれば莫大な賞金が得られるという賞金付きのアメリカ横断レースに参加することになる。
プレーヤーはサンフランシスコからレースを開始し、ニューヨークに1位でゴールするのがゲームの目的となるが、さすがにぶっ通しで走り続けるわけではなく、複数のエリアごとに数十のレースに細分化し、各レースごとに先述の150位から140位という具合に少しずつ順位を上げていくことになる。これを繰り返し、アメリカ横断レースを描いていく。ちなみに個々のレースで指定の数だけライバルカーを抜けなければその時点でゲームオーバーとなる。絶えず緊張を強いられるかなり厳しいレギュレーションだ。
また、レースゲームといってもそこは「ニード・フォー・スピード」ということで、横断レースの途中で、ギャングの暗殺者に狙われたり、ポリスに追いかけられたりするという。車はもちろん、お馴染みのヘリ、そして本作の新しい試みとして、徒歩で逃げるというシーンもあるという。中でもギャングの妨害は熾烈で、雪山で雪崩を起こしたりすることもあるという。ちなみに車はポルシェ、ダッジ、ランボルギーニなどのスーパーカーを中心に50以上~100以下の数の車が登場する。
シングルプレイは8時間程度のボリュームということで、3,000マイルといえども、それほど膨大な時間が掛かるゲームではないようだ。マルチプレイは複数人によるレースとオートログの2本柱がメインとなる。オートログは、前作「ニード・フォー・スピード ホット・パースート」で搭載された新機能で、フレンド登録した仲間に対してタイムやランクをリアルタイムで伝え、相手はそれを見て勝負を申し込んだり、挑戦を受けたりと、いわゆるソーシャル機能。このオートログは、iPad版やiPhone版にも盛り込まれるなど、「ニード・フォー・スピード」の大きな個性となっている。「ニード・フォー・スピード ザ・ラン」ではこのオートログ機能をさらに強化するということだが、詳細については後日としている。内容に注目したいところだ。
ゲームの開発は、前作「ホット・パースート」がCriterionが担当していたため、今作はEA Black Boxの担当となる。共にEAの開発子会社だが、社内的な区分けとしては、レーシングのCriterionに、ストーリードリブンのEA Black Boxという風になっており、今作は特にストーリーテリングに自信があるという。
ゲームエンジンについては、レース周りについてはCriterionと共同開発しているレースゲーム用のエンジンを使用しているというが、周囲のオブジェクトや遠景の描写については、「Battlefield 3」に採用されているEA DICEのFrostbite 2を採用。これにより過去最高のグラフィックスを実現したいとしている。完成が非常に楽しみだ。
さて、「Desert Hill」を実際に走ってみた。クリアしてもしなくても5分ほどで終わるので3回ほど繰り返してプレイしてみたが、ドライビングモデルは前作「ホット・パースート」と同様のアーケードライクな挙動で、アクセルベタ踏みでガンガン走るタイプのゲームだった。かなりの急カーブでもギュンギュン曲がれるし、かなり直前のブレーキングでもキキっと止まれる。
ただ、「バーンアウト」譲りのリアル系のフィジックスを搭載しているため、激しく衝突すると粉々に壊れるし、加速が付いた状態での接触は即大クラッシュに結びつく。それでいて対向車がガンガン走る公道で、こまめにニトロを使って常時高速を維持するタイプのゲーム性なので、「Test Drive」シリーズ顔負けのしびれるような緊張感が続くレース展開となる。快調にトップで走行していても一発クラッシュでたちまちビリになるため、「DiRT」や「GRID」のフラッシュバック機能が欲しいぐらいだ。
Frostbite2による遠景描写については、メリハリの薄い荒野ステージということもあり、特段の印象は持たなかった。もっとも、まだビジュアルについては開発途上と言うことで、今後さらに綺麗になるという。街路などオブジェクトの多いステージを見てみたいところだ。ちなみに風景描写については現実世界の風景をそのまま再現したものもあればフィクションもあるという。
今回はわずか1ステージ、しかも英語版だったのが残念だが、「ニード・フォー・スピード ザ・ラン」の現実世界のアメリカを舞台にした大陸横断レースという基本コンセプトは非、常におもしろいと思った。しかも伝家の宝刀であるオートログ機能を使えば、仲間と共に横断レースに参加しているような感覚でレースを楽しめそう。レースゲームファンには要チェックのタイトルと言えそうだ。
【スクリーンショット】 | ||
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左から順にブッカー・デュイット役の藤原啓治さん、ヒロイン エリザベス役の沢城みゆきさん、役名非公開のパク・ロミさん |
□CESAのホームページ
http://www.cesa.or.jp/
□「東京ゲームショウ 2011」のホームページ
http://tgs.cesa.or.jp/index.html
□エレクトロニック・アーツのホームページ
http://www.ea.com/jp
(2011年 9月 17日)