TGS2011「SCEブースレポート」
「ラチェット&クランク」や「俺の屍を越えてゆけ」など新作を出展。PS3、PSP、MOVEファーストタイトル編
ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCEJ)ブースレポートのファイナルは、プレイステーション 3、PSP、PlayStation Moveのファーストタイトルについてお届けする。今回のSCEJブースは、新プラットフォームのPlayStation Vita(PS Vita)にブース面積の大半を割いており、現行主力プラットフォームのPS3やPSPはかなり控えめ。トータルの台数はそれなりだが、大半の来場者がPS Vitaに殺到するため、やや割をくってしまった感は否めない。
待ち時間は、PS3「アンチャーテッド」が総じて長め。開場直後から90分待ち、直後にいったん受付が中断される人気ぶりとなっていた。他タイトルは長くても1時間くらいなので、興味がある方はぜひこの機会に各タイトルに触れていただきたい。
■ アンチャーテッド -砂漠に眠るアトランティス-(PS3)
シリーズ全世界累計出荷800万本以上、数々のゲームアワードを獲得した大ヒットアクションアドベンチャーゲームのシリーズ最新作。
試遊台は計5台で、すべて協力対戦モードでのプレイとなっていた。使用ステージは、薄暗い遺跡のような場所で、屋内、野外と隠れ場所がふんだんにあり、各所で激しいバトルが展開。筆者個人としては「ハリウッド冒険活劇の美味しいトコ取りの『アンチャーテッド』らしいシーンをシングルプレイでじっくり体験したかったなぁ」と思うが、今作は協力プレイが大きなテーマのひとつとなっているため、これはこれでファン必見の展示形態といえる。
製品版は、最大10人までのオンラインマルチプレイに対応。11月2日発売予定で、価格は5,980円。
(C)Sony Computer Entertainment America LLC. Developed and Created by Naughty Dog, Inc.
■ ラチェット&クランク オールフォーワン(PS3)
ファンキーなグラフィックスとモーション、理屈抜きに爽快なアクションが楽しめる「ラチェット&クランク」シリーズ最新作。今回は4人の仲間と一緒にステージを進んでいく“協力アクション”にフォーカスした作りとなっている。
体験版は、スタッフの方を含めた他来場者ふたりの計4名でチャレンジ。キャラ選択は早い者勝ちにつき、筆者は大好きなクランクを速攻でチョイス。余談ながら、選択キャラで難易度が大きく変わるといったことはない。超快適な操作レスポンスとグラフィックスは絶品のひとことで、シリーズのいちファンとしては正直アラを探すのが不可能ではないか? とさえ思う。
既に触れたとおり、本作は協力プレイが大々的にフィーチャーされている。たとえば、ジャンプでは届かないような足場に移動したいときは、誰かが×ボタンでジャンプし、他の誰かが○ボタンのバキュームで吸引。足場までポインタが表示されるので、あとはスポンと吸い込まれた仲間を○ボタンで射出。あとは△ボタンを押せば、スイングショットで仲間をひっかけ楽々移動。戦闘で仕掛けを破壊するとき、ミニゲームふうに4人で手をつないで浮き上がるシーンなど、楽しい協力プレイの仕掛けがあちこちで顔を出す。
字面だけ見ると「いちいち協力って、なんか面倒くさそう」と手間に感じられるかもしれないが、本作における他プレーヤーとの協力は“基本動作のひとつ”であり、実際そんなふうに感じることはない。協力して気持ちよく遊べるよう徹底的に調整されているので、プレーヤー側は安心してシステムに身をゆだねられる。4人で手をとり助け合いながら先に進むとき、コントローラーを通じて感じとれる絆と信頼。これが、元々素晴らしいアクションゲームの魅力を何百倍にも増幅してくれる。
プレイ時間は約10分で、普通に協力すればボスまで確実にたどり着けるはず。最大のネックは、試遊台が1台しかないこと。個人的には「シリーズ最高傑作といっても過言ではないのに……」と無念でならない。「見ず知らずの人と一緒に協力プレイなんて……」と尻込みされるかもしれないが、もし最終日に来場予定がある人は筆者を信じて(?)ぜひ4人プレイを体験していただきたい。アクションゲームが好きな人なら、1発でその魅力にとりつかれてしまうはずだ。10月20日発売予定で、価格は5,980円。CEROレーティングはA(全年齢対象)。
(C)Sony Computer Entertainment America LLC. Developed by Insomniac Games.
■ 俺の屍を越えてゆけ(PSP)
12年前にプレイステーションで発売された同名の世代交代RPGをPSP向けにリメイク。弊誌でも何度かご紹介しているので、チェック済みの方も多々おられるだろう。今回、SCEJブースで行なわれたイベントにて、ゲームデザイナーの桝田省治氏から、続編制作の正式決定がアナウンスされた。桝田氏は「何年かかかるだろうが、今回のように12年お待たせすることはない。PSP版のセーブデータを残してお待ちください」とコメントした。
「俺の屍を越えてゆけ」は、神々としか子孫を残せない「種絶の呪い」と、通常より何10倍もの速さで成長し、遅くとも2年以内に死を迎える「短命の呪い」を鬼の頭目・朱点童子にかけられた一族が、その呪いを解くために朱点童子の討伐に挑む物語。プレーヤーは一族の血を絶やすことなく、神々との“交神の儀”と呼ばれる儀式によって強化していかなければならない。
試遊台は計4台で、体験時間は約10分。開始時、スタッフの方から「あまり時間がないので、出陣と交神、どちらかひとつを選んでプレイしてください」と言われたため、筆者は出陣を選択。操作性などが大幅に改善されており、プレイ感覚は快適そのもの。我が家にあるPS版のディスクも、PSP版の発売後には「お疲れ様でした」とお役ごめんになるだろう。
今作には「神の成長」、「代償をともなう攻撃的なプレイ」、「形見の継承」など、いくつかの新要素が追加されている。イベントの発言から、桝田氏はこういった新要素について「続編を踏まえて追加した要素で、これが絶対にいいのかどうか、まだわからない」とご自身で確証が得られていないことを吐露。そのため、新要素などに意見がある人は、ツイッターやブログ宛にどしどし寄せてほしいという。続編の企画が具体化するのは12月頃で、それまでに寄せられた意見でいいものがあれば反映される可能性があるとしている。
「俺の屍を越えてゆけ」は11月10日発売予定で、価格はUMD版が4,980円、UMD復活記念限定版が6,980円、ダウンロード版が3,800円。UMD通常版(初回生産分のみ)および限定版には限定特典として“レア神様”がダウンロードできるプロダクトコードが封入される。“レア神様”は、通常版、限定版ともに同じ神様となる。
(C)Sony Computer Entertainment Inc.
■ その他の主な出展ファーストタイトル
【ゴッド・オブ・ウォー 落日の悲愴曲&降誕の刻印 HDコレクション】 | ||
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PS3。10月6日発売予定。価格:5,980円(ブルーレイ版)、4,900円(ダウンロード版)、2,700円(単品:PlayStation Store専売) |
ゴッド・オブ・ウォー 落日の悲愴曲 …… (C)2008 Sony Computer Entertainment America LLC.
ゴッド・オブ・ウォー 降誕の刻印 …… (C)2010 Sony Computer Entertainment America LLC. Developed by Ready At Dawn Studios LLC.
【ICO】 | ||
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PS3。9月22日発売予定。価格:3,980円 |
(C)2001-2011 Sony Computer Entertainment Inc.
【ワンダと巨像】 | ||
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PS3。9月22日発売予定。価格:3,980円 |
(C)2005-2011 Sony Computer Entertainment Inc.
【ハッピーチャーリーと空飛ぶカーニバル】 | |
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PS MOVE。12月1日発売予定。価格は未定 |
(C)Sony Computer Entertainment America LLC.
□プレイステーションのホームページ
http://www.jp.playstation.com/
□CESAのホームページ
http://www.cesa.or.jp/
□「東京ゲームショウ」のページ
http://tgs.cesa.or.jp/index.html
(2011年 9月 17日)