「ラグナロクオンライン」3次職スキル調整テストを先行体験!
精霊システムやホムンクルスS、新ダメージ計算式など新要素が目白押し
ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社は、Windows用MMORPG「ラグナロクオンライン」において、8月31日よりテストサーバー「SakrayJ」にて「3次職スキル調整テスト」を実施する。
このテストでは、新要素やバランスが盛り込まれた「3次職スキル」を中心に、DEXによって変化する新たなダメージ計算式や、モンスターのステータスおよび経験値の調整など様々な変更点を体験できる。
今回は、「3次職スキル調整テスト」の概要と運営側の想いをガンホー ゲーム事業部オンライン本部パブリッシング部第一企画課主任の中村聡伸氏と、同じく主任の山本兼寛氏、第一企画課の白川昌平氏に聞いた。
■ 変化するダメージ計算式。DEXを上げることで安定した性能を発揮
ガンホー、ゲーム事業部オンライン本部パブリッシング部第一企画課主任の中村聡伸氏 |
ゲーム事業部オンライン本部パブリッシング部第一企画課主任の山本兼寛氏 |
ゲーム事業部オンライン本部パブリッシング部第一企画課の白川昌平氏 |
今回の「SakrayJ」で行なわれる「3次職スキル調整テスト」は、今後の「RO」の目指すべきバランスを提示するものになる。これまで未実装だった精霊システムやホムンクルスS、養子3次職などが盛り込まれ、加えてプレーヤーごとに様々な方向性を目指せるようにスキルバランスが調整される。また、新しいダメージ計算式によりAtk(攻撃力)とMatk(魔法攻撃力)がDEXによって変化するようになった。これらの変化に合わせモンスターの強さや取得経験値も変化する。テスト参加者はこういった様々な変化を体験し、検証することができる。
テストに参加できるのは、RJC2011ブロック優勝・準優勝ギルド、7月10日と7月17日に攻城戦でギルド砦を獲得したギルドのプレーヤー、さらに抽選で選ばれた1,000人のプレーヤーだ。テスト参加には専用クライアントが必要となる。テスト終了日は未定だが、2週間ほどのテストを行なう予定だという。
テストでは、キャラクターのレベル、スキル、装備、ステータス、所持金など自由にカスタマイズできる。運営側の意図としては通常サーバーでの自分のキャラクターと同じキャラクターを作り、使用感を比較してもらいたいとのことだ。また、「SakrayJ」では毎日攻城戦を実施する。GvGでもキャラクター性能をたっぷり試せるというわけだ。
今回のスキル調整の大きなテーマが「全体の戦略性を高める」ということだ。現在の「RO」ではこの職業ならこのスキル、というように職業で“定番”が決まりつつあったが調整を行なうことで、プレーヤーでどんな戦い方をするのかを再び模索できるようにする。その上で、狩りや攻城戦でもより有効な役割分担を行なえるようにしたいという。また、多数のプレイスタイルが選択できるようになることで、ソロプレイはもちろんのこと、パーティープレイや対人戦においては、その組み合わせでさらに遊び方の幅が広がるようにしてあるそうだ。
今回の大きな変更点はAtk(攻撃力)とMatk(魔法攻撃力)の計算式だ。日本側の提案でこの計算式を変更することになったという。この変更点で大きなところは“最大値と最小値の差を縮めること”である。具体的にはDEXを上げるほど敵に与えるダメージの幅が縮まり、戦いの駆け引きの確実性が増すのだ。モンスターならば攻撃を何発当てれば確実に倒せるかが把握しやすくなる。DEXを上げることで最低値が上がり幅が縮まるのだ。
ちなみにMatkは回復魔法にも関係する。より安定した役割を発揮したいプレーヤーにとってDEXがこれまで以上に大きな意味を持つステータスとなる。「RO」は職業と自分の役割によって必要なステータスとそうでないステータスがはっきりわかれるゲームで、ステータスの割り振りのバランスは常に議論されている。今回のDEXの必要性がアップしたことによって、どうキャラクターを作っていけばいいか、議論が活発になりそうだ。
ログイン画面も新しいものに。中央がAtk、右がMatkのDexにより変化するダメージ計算式 |
■ 精霊システムを筆頭に様々なスキルを強化。待望の“ホムンクルスS”も実装
ソーサラーに追加される精霊システムによって召喚可能の火の精霊アグニ |
待望のホムンクルスSも実装。従来のものから変えるときに、名前を再設定できるという |
今回のテストの目玉がソーサラーの「精霊システム」だ。精霊は火の精霊アグニ、水の精霊アクア、風の精霊ペントス、地の精霊テラの4種類がいて、ソーサラーは「エレメンタルコントロール」などいくつかの新スキルで精霊を使役できる。ソーサラーのスキルはこれまでは13種類だったが、今回26種類まで増加した。4つ全ての精霊を使役するのはスキルポイントの割り振りで難しく、自分のプレイスタイルに合わせてチョイスすることになるだろう。
1度に呼べる精霊は1体のみ。「サモンアグニ」というように召喚には4つのスキルがあり、最大で3レベルまで習得できる。レベルによって精霊の姿は全く変わる。スキルの構成も変わるので、支援向けや範囲攻撃、単体攻撃用など状況によって使い変えることが可能だ。精霊は基本的に自動で攻撃を行なう。精霊のステータスは術者のものに準じる。精霊のHP回復には「エレメンタルキュアー」という専用の回復スキルが必要だ。
この他、“インシグニア”というスキルで、精霊の紋章を設置することができる。「ファイアーインシグニア」は効果範囲のキャラクターにAtk増加と武器へ火属性を付与する。「ウォーターインシグニア」は回復魔法が増加するなど、スキルによって紋章の効果は変わる。ソーサラーは場所によって様々な働きができる。属性敵に合わない場所の狩りでは精霊のタイプを変えて支援に徹するなど、状況に合わせた幅広い戦い方ができるようになるのだ。
メカニックは「魔導ギア」というロボットに乗れる。この魔導ギアの能力がアップした。メカニックは通常の狩りでは斧を使ったスキルが強力だが、魔導ギアは攻城戦向けのチューニングが行なわれ、メカニックのプレーヤーはどちらを選ぶか悩むことになるという。「バルカンアーム」は連射できるようになり、離れた距離も攻撃できる範囲攻撃となった。さらに上位スキルの「アームズキャノン」でより強力な攻撃ができるようになった。
「ステルスフィールド」は周りのキャラクターを消すスキル。これまでは再使用時間が長かったため使いにくかったが、この時間が短くなり連続使用が可能になった。また、「ホバーリング」することで地上に設置されるタイプの攻撃を無効化できる。こちらも攻城戦で活用できるスキルだ。そして魔導ギアが使えなくなってしまうが最大の攻撃力を誇る自爆スキル「セルフディストラクション」はさらに強化され、高い攻撃力を獲得した。
ギロチンクロスは「ベースレベルを上げると敵へのダメージが増加する」という要素がなかった。今回1部のスキルがベースレベルが上がることで威力が上昇し、さらに元々の攻撃力もアップし、より強い職業になった。スキルとしては「ローリングカッター」から「クロスリッパースラッシャー」のコンボはかなり距離が離れて当たるようになり、実用性が上がった。
また、ジェネティックの「ホムンクルスS」が実装された。ホムンクルスSはホムンクルスを育てることで成長させられる。今回の実装に合わせホムンクルスはレベルが上げやすくなるという。この他アークビショップの支援能力もアップされたりと、様々なスキルが強化され、各職業はより特徴的になった。一方で弱体化したスキルもある。DEXの重要性も増したことで、ステータスのバランスを取るのが難しくなった。自分なりの求める理想のキャラクター像を目指すため努力することになるだろう。
スキル調整に合わせてモンスターも調整されている。新しいバランスだとプレーヤーキャラクターはこれまで強力だったスキルが弱体化しており、従来のモンスターだと狩りの感触が変わってしまう。これは主に攻城戦を見越した調整のためだ。このため、狩りでキャラクターがあまり弱すぎてしまわないようにモンスター側も調整している。モンスターの戦い方も変化しているので、こういった部分にも意見が欲しいとのことだ。さらに特定の条件を満たすことで上位2次職を飛ばして3次職になれる「養子3次職」といった要素も入っていたり、様々な要素が盛りこまれているという。
今回の調整で3次職そのものの印象が大きく変わることになる。3次職の特徴がより明確になるとともにプレイスタイルや戦略の幅が大きく広がるが、その中で、新たなステータスバランスや、新スキルの追加、強化だけでなく、モンクの「阿修羅覇凰拳」など2次職のスキルでも弱体化するものがあり、ユーザー達の活発な議論が期待される。今回の変更で、「新しい発見もして欲しい」とのことだ。
最後にユーザーへのメッセージとして山本氏は「今回のテストも含めてお待たせして申し訳ありません。テストではかなり良くなっていますが、多人数での検証などで、みなさまのお力をお借りできればと思います。よろしくお願いします」。白川氏は「ここまで調整するのに時間がかかってしまいました。より幅広く遊べるようになったと思います。色々な検証を行なっていただければと思います」。
中村氏は「遊びの幅が広がることで、こちらとしても色々な遊びが活かせる場や楽しめる企画を提供していきたいと思っています。今回のテストで新しい遊び方を見つけて欲しいです」と語った。3次職に関しては正直、「またさらに調整するのか」というところで驚きがあったが、まだまだ進化させようというスタッフの気合いも感じた。こちらのテスト結果の本サーバーへの実装はそう遠くないとのことだが、まずテストの反応、そしてその後の「RO」の進化に注目したい。
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(2011年 8月 31日)