IGDA日本、福島県南相馬市で「福島GameJam」を8月27より開催
「『熱気』のあるところは、困難を乗り越える」、2日間でゲーム制作にチャレンジ!


8月27日~28日開催予定

会場:福島県南相馬市 労働福祉会館

定員:東北地域30名、東京30名

参加費:無料


 国際ゲーム開発者協会日本(IGDA日本)は、8月27日~28日にかけて、福島県南相馬市の労働福祉会館にて「東北ITコンセプト 福島GameJam」を開催することを正式発表した。

 「福島GameJam」は、国際ゲーム開発者協会(IGDA)が主催する「Global GameJam」のフォーマットを使ったゲーム開発者向けのイベント。「Global GameJam (GGJ)」は、世界各地で同時開催される会場にゲーム開発者や学生が集まり、少人数のチームに分かれ、およそ2日間かけて各チームが1本ずつゲームを制作するという、ゲーム開発者間の交流と教育を目的としたグローバルイベント。今年1月に開催された「GGJ 2011」では前年度比で2倍以上の規模で開催され、全世界170カ所の会場に6,500人以上の参加者が集い、およそ1500本のゲームが公開された。

 そして今回、IGDA日本と9leap(ユビキタスエンターテイメント)が主催、NPO法人イノベーションネットワークが共催する「福島 GameJam」は、東日本大震災の被災地を支援する趣旨で例外的に単会場で開催される。スローガンは「『熱気』のあるところは、困難を乗り越える」。参加資格は、ゲーム開発に関する何らかのスキルを有し、会場に持ち込める開発用のPCを所有していることとなっている。

 参加者の定員は東京からが30名、東北地域からの参加者が30名の計60名となっており、現在参加者を募集している。被災地周辺ではいまだ交通規制が敷かれているため、東京近辺からの参加者については、開催前日夜に秋葉原から大型バスでの移動手段が提供される見込みだ。

東京参加者申込向けページ(締切8月10日)
http://www.igda.jp/modules/eguide/event.php?eid=6

東北参加者申込向けページ(締切8月19日)
http://www.igda.jp/modules/eguide/event.php?eid=7

 IGDA日本代表の新清士氏は、イベントの趣旨を次のように解説している。



 「3月11日に東日本大震災が起きて以来、生活のためには不要不急のエンターテインメント産業である、ビデオゲーム産業に従事しているゲームクリエイターたちは、自分たちが日々従事している仕事を通じて、何か被災地のために行動できないだろうかという模索をしてきました。

 津波被害のための瓦礫の撤去といった基本的な生活秩序の回復に対しては、ゲームクリエイターは無力です。しかし、現地の生活状況が回復してきている現在、未来につながるような活動として、ゲームクリエイターらしい方法で、現地の復興へと協力できると考えたのです。

 それが、GameJamを、福島で開催するというものでした。福島は、今後、原子力災害という風評被害に長い間直面していかなければなりません。「Fukushima」という単語は、特別な意味を持ち、今後ネガティブな意味を持って、世界から見続けられることになります。だからこそ、あえて、その場所でポジティブなメッセージを発信するGameJamを開催する意義が生まれます。

 さらに、このイベントは、IGDAが持つ国際的なネットワークを通じて告知を行ない、イベントの開催中は、Ustreamを通じて日本はもとより、全世界に対して中継番組を放送し、世界に対してメッセージを発信します。そして、完成したゲームをインターネットを通じて、配信することによって、福島をはじめとする東北地域の復興のシンボルへと繋げていきたいと考えています。

 GameJamの最大の魅力は、イベント実施中に、ゲームをチームで作っている人たちから、立ち上る強烈な「熱気」にあります。それを通じて、被災地域は復興できるという、メッセージを発信していきたいのです。また、GameJamそのものの持つ高い「教育効果」も、世界で確認されています。プロのゲームクリエイターたちと共にゲームを作るという作業を通じて、東北地域の若者は、ゲームを作る物づくりの方法を実践を通じて、実感として学ぶことができます。

 福島GameJamを通じて、現地を視察した日本のゲームクリエーターたちと、東北地域の学生を中心とした若者たちとで、共にゲームを作り上げることには、様々な効果が期待できます。30時間という開発時間の制限の中で知力を尽くしたゲームは様々な効果をもたらします。



 現地では、6名ずつ10個のチームを組み、27日正午までに企画立案、正午より開発作業開始、翌28日17時に制作終了・作品プレゼン開始というスケジュールになっている。詳しいスケジュールや募集要項などについてはIGDA日本の募集要項・開催概要ページをご参照いただきたい。



(2011年 8月 5日)

[Reported by 佐藤カフジ]