E3 2011レポート

「Ubisoft E3 Media Briefing」レポート その1
「Far Cry 3」や「Assassin's Creed Revelations」のプレイデモが初お目見え!


6月7日~9日開催(現地時間)

会場:Los Angeles Convention Center



 創立25周年を迎えたUbisoftの「Ubisoft E3 Media Briefing」では、今回の最大の注目作「Assassin's Creed Revelations(アサシン クリード リベレーション)」や、Ubiモントリオールで開発されている「Far Cry」シリーズの最新作「Far Cry3(ファークライ 3)」など話題作のライブプレイデモが披露された。

 例年通りLos Angeles Theaterを会場に、冒頭にCEOのYves Guillemot氏が25周年を迎えた節目の年を祝って、長い間ゲーム産業と関わってきた感慨を述べた。その後、アドベンチャー、シェアリング、ライフの3カテゴリーに分けて新作のゲームが紹介された。

 今年紹介されたゲーム全体を見渡すと、続編やシリーズ物が非常に多い印象を受ける。発表されたタイトルは事前に情報が出ているものが多く、サプライズ的な発表はなかったのは少し残念だ。このレポートでは日本で発売される予定がある注目作を中心に、特に話題性の高い4作品を紹介する。それ以外の作品については、後ほど別のレポートでまとめて紹介したい。


会場はE3会場から歩いて20分ほどの繁華街にあるシックな劇場UbisoftのCEO、Yves Guillemot氏が25年の間に大会社となった感慨を述べた過去を振り返るという趣向で、タイトルの合間にはオールドゲーム風の映像が流れた



■ ジャングルで激闘する「Far Cry 3」のプレイ映像が初登場!

前作から3年ぶりとなる続編発表だけに、待ち焦がれていたファンも多そうだ

 Ubiモントリオールで開発中と長い間噂だけが先行していた「Far Cry 3」がこのプレスカンファレンスでライブデモの形でお披露目された。今回紹介されたのは、ピンチまたピンチというストーリーの中のワンシーン。

 ジャングルで住民を虐殺していた敵に捕まって、両手足を縛られれたまま重り付きで水中に突き落とされた主人公が、水から這い上がり、敵の銃を奪って反撃に出ると言う一連のプレイのライブデモだ。ヘリコプターを奪って逃げようとするが、墜落してしまい再び敵が目の前に迫るという緊迫したシーンで終わった。

 高いところから飛び降りざまナイフで相手に襲いかかったり、ジャングルの中を縦横無尽に駆け回ったりと「Far Cry」シリーズらしい自由度は今回も健在のようだ。緻密に描かれた美しいジャングルは圧巻の一言。ジャングルを駆けまわっての戦闘が好きなプレーヤーは今回も間違いなく楽しめそうだ。

 だが、何より印象的だったのは、FPS視点から見える主人公の腕のリアルさだ。泥と血にまみれた腕が実写さながらのリアルさで戦いの激しさを物語っていた。今回はどのプラットフォームで発売するかは明らかにされなかった。発売時期は、北米では2012年の予定だ。


雑草1本まで細かく作りこまれたジャングルが舞台今回も広大なマップで戦うことになりそうだ敵につかまり、手足を縛られた主人公はいきなりのピンチに
目つきの危ない敵。ゲーム画面とは思えないほど、表情までリアルな演技をする銃を奪って反撃開始。手前の銃への光の反射なども非常にリアル遠くにある可燃物を撃つと大爆発が起こる



■ 据え置き機とWindows用オンラインゲーム2つの「Ghost Recon」

1人が偵察用の小型ロボットを使って周囲を索敵しつつ、他のプレーヤーに指示をだす、タクティカルな協力プレイを披露
オンライン版では3つの勢力に分かれて、お互いの戦略を駆使したチーム対戦が楽しめる

 「Ghost Recon」シリーズは最新作の「Ghost Recon: Future Soldier」と、Ubiシンガポールが開発しているWindows用のオンラインFPS「Ghost Recon ONLINE」が紹介された。「Ghost Recon: Future Soldier(ゴーストリコン フューチャー ソルジャー)」は時期未定ながら日本でもプレイステーション 3とXbox 360での発売が予定されている近未来を舞台にしたサードパーソンシューティングゲーム。今回は4人でのCoopプレイで人質を救出に向かうミッションのライブデモが行なわれた。

 光学迷彩で姿を消した兵士が敵を倒していく様や、小型の偵察機や衛星からの映像を使って周囲の状況を偵察したりする様を見ることができた。物陰に隠れるカバーアクションから、それを飛び越えてダッシュしたり、中腰のままカバーからカバーへと銃弾の雨の中を駆け抜けたりと、映画さながらのド迫力な画面はそれがゲームのプレイデモであることを忘れさせるほどだった。

 「Ghost Recon ONLINE」は多人数が参加できるWindows用サードパーソンシューティングオンラインゲーム。基本無料で、現在βテストの募集が行なわれている。プレーヤーは3種類のゴーストから勢力を選び、武器をカスタマイズしながら戦う。本作はチーム内での情報のシェアリングに重点が置かれており、シリーズの特徴であるタクティカルシューティングの要素もしっかりと入った作品になっているそうだ。βテストは2011年の夏予定だ。


【Ghost Recon: Future Soldier】
風景にデータが重なる未来的な映像4人で人質を救出するミッション上空からの映像で、敵がどこにいるかを知ることができる
【Ghost Recon ONLINE】
チームを組んで武器をカスタマイズしながら戦うオンライン版。日本でのサービスも期待したいところだ



■ 「Assassin's Creed Revelations」の謎に満ちたムービーが初公開

いまやUbisoftの看板ゲームとなった話題作だけに、ひときわ大きな拍手で迎えられた
来場者に配られたおみやげの限定版ポスター

 カンファレンスのトリを飾ったのは予想通り「Assassin's Creed Revelations」。主人公のエツィオが先祖のアルタイルの痕跡を追いながら戦うというストーリの今作をイメージして、アルタイルの幻影とともに戦うエツィオを描いたムービーと、新しいフィーチャーを含んだライブデモが披露された。

 ムービーではテンプル騎士団との戦いを続けているエツィオが、単身海を越えてコンスタンティノープルに至り、砂漠を旅して「アサシン」の原点ともいえるマシャフ砦にたどり着く。しかし待ち伏せをしていた敵に肩を射ぬかれ、再び戦いになる。この時待ち変えている敵は、第1作目でアルタイルの前に立ちはだかった強敵ロベール・サブレに似ている。戦闘の最中、人ごみの中にアルタイルの幻影が見え隠れしたり、かつてアルタイルが飛び降りた場所から突き落とされそうになったりと、第1作目と絡めた謎がちりばめられたムービーとなっている。

 ライブデモでは軌道を設定して爆弾を投げつけたり、煙幕を張った中で「イーグルセンス」をレーダーの用に使って敵を倒す様や、アサシンブレードに付けたフックを使って空中に張ったロープを移動する様子などが紹介された。また、火炎放射器のような武器を使って港に停泊している船に火を付けた後、燃え盛る中を移動して脱出するというシーンも見ることができた。「Assassin's Creed Revelations」は北米では11月、日本では2011年冬にプレイステーション 3とXbox 360から発売予定だ。


【プリレンダムービー】
数百年の時を超えて、2人のアサシンの運命が交錯していく様を描いたミステリアスなムービー
【ゲームプレイデモ】
美しい色味で、まるで絵画のようなコンスタンティノープルの風景。背景のクオリティは前作から大幅に上がっている印象
フックを使った移動。途中で飛び降りて、そのまま下にいる敵を暗殺することもできる敵に射程を合わせて、爆弾を発射すると2人同時に倒すことができる煙幕のなかで「イーグルセンス」を使うと、レーダーのように敵の位置がわかる
プレイデモでは、依頼を受けたエツィオが港の船を襲撃して火だるまにした後脱出する様子を見ることができた

(2011年 6月 7日)

[Reported by 石井聡]