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GDC 2011レポート

グラスホッパー、「Shadows of The Damned」プレビュー
日本が生み出した異色の“地獄パンクホラーゲーム”


2月28日〜3月4日開催(現地時間)

会場:サンフランシスコ Moscone Center



 「Kingdoms of Amalur: Reckoning」のプレビューに続いては、日本のゲーム界が生んだ鬼才須田剛一氏と三上真司氏の手によるサイコロジカルアクションスリラー「Shadows of The Damned」のプレビューをお届けしたい。

 「Shadows of The Damned」は、昨年の東京ゲームショウ2010の開催に合わせて開かれた「EA Tokyo Showcase」で正式発表されたPS3およびXbox 360向けのアクションゲーム。開発を務めるのは須田剛一氏が代表を務めるグラスホッパー・マニファクチュアで、外部からクリエイティブプロデューサーとしてタンゴの三上真司氏を招き、サウンドディレクターには「サイレントヒル」等のサウンドを手がけた山岡晃氏が務めるなど、豪華制作陣も魅力となっている。

 「Shadows of The Damned」は、欧米市場でE3 2011初日と同日の6月7日に発売を予定。日本市場についてはすでに発売は確定しているが、発売時期やローカライズの詳細については機会を改めて発表するという。発表時期のタイミングは、同社が3月31日に開催する13周年記念イベント「GRASSTREAM2 TRAVIS VS. GARCIA」となる可能性が高い。なお、発表会後に行なわれた須田氏と三上氏へのインタビューは別稿にてお届けしたい。まずは、その世界観を余すことなく表現した最新トレーラーをごらん頂きたい。


【「Shadows of The Damned」最新トレーラー】



■ 「Shadows of The Damned」がいよいよ完成間近! 欧米での発売日は6月7日に決定

スピーチを行なう「Shadows of The Damned」エグゼクティブディレクターの須田剛一氏と、クリエイティブプロデューサーの三上真司氏
「地獄での回復薬はアルコール、というわけで飲みましょう」と三上氏がおどけた後、ステージに酒が配られ、ウィスキーを一気のみする一幕も。かなり強い酒だったようで咳き込んでいた

 「Shadows of The Damned」は、伝説のデーモンハンターGarcia Hotspur(ガルシア・ホットスパー)となり、地獄の魔女フレミングとデーモン軍団により囚われの身となった愛する女性ポーラを救うために、地獄を旅することになる。ステージクリア型のアクションゲームで、シングルプレーヤー専用のゲームとなっている。

 ステージでの発表では須田氏と三上氏のふたりの掛け合いによって進行していった。場内から大きな拍手で迎えられた須田氏は、「この歪んだサイコロジカルパンクアクションスリラー『Shadows of The Damned』で、三上さんとウチの山岡と一緒に仕事をすることができて大変光栄です」と口火を切り、「このゲームは三上さんと長い間話をして出来上がったプロジェクト。今日初めてプレイアブルを公開できることを嬉しく思います」とやや上気した顔で報告。次に三上氏が、「『Shadows of The Damned』は僕たちのイメージする地獄の世界です。狂ったアンダーワールドに引きずり込んで、体験したことのないような世界に誘います」と語った。

 続けて三上氏は「僕たちはクエンティン・タランティーノやロバート・ロドリゲスのファンで、その影響からグラインドハウススタイルの雰囲気とパンクロック調のエッジの効いたテイストを加えて独特のゲームスタイルを確立しています。このゲームでホラーとアクションを融合させた新しいゲームイメージを作ろうと思って開発しました」とゲームコンセプトを説明した。

 次に須田氏が、「ゲームプレイは光と闇がコンセプトになっている。暗闇は常に敵がいるデーモンの巣窟で、彼らのパワーの源となっています。そして主人公は光のパワーを使って敵を倒し、光と闇のバランスを操作することでまったく新しいタイプのバトルができ、アクション、バトル、パズルに対して新しいチャレンジを行なっている」と、新規IPの出来映えに自信を覗かせた。

 これを受けて三上氏が、「でも安心してください。ヘルプなしで地獄に行くことはさせません。特に強いデーモンと戦う場合などは、ドクロの“ジョンソン”という者が案内してくれます。ガルシアは、色んな武器に変身する元デーモンのジョンソンにサポートして貰いながらゲームを進めていくことになります。ジェムを集め武器を強化し、最終的には愛する者を救うために地獄を制覇していきます」とゲーム概要を紹介した。

 その後、地獄での体力回復はアルコールということで、須田氏と三上氏がなぜかウィスキーを一気のみ。最新トレーラーを見せてステージ発表は終了となった。

【最新スクリーンショット】
さらにクオリティを増した最新スクリーンショット。地獄の闇を表現するためにライティングは大人しめだが、それがかえって地獄のおどろおどろしさを表現することに一役買っている




■ 闇に包まれた東欧風の地獄をドクロのジョンソンと共に駆け巡る!

「Shadows of The Damned」試遊コーナー。イベント終了まで絶えず多くの人で賑わっていた
主人公のガルシア・ホットスパー。ドクロのジョンソン(左側のたいまつ)と共に地獄を旅する
薄幸のヒロイン ポーラ。デモでは偽物ばかりが登場し、むごたらしいデーモンに変化してガルシアを苦しめていた

 試遊コーナーでは「Shadows of The Damned」は今回出展されたタイトルの中で1番の盛り上がりを見せていた。わずか2台の試遊台に常時数十人が詰めかけ、スタート直後は人が多すぎてモニターすら見えないほどだった。

 デモは、レベル2(ステージ2)の途中からスタート。東欧風のややひなびた市街地のような薄暗く不気味なフィールドを、ドクロのジョンソンをたいまつ代わりにして当たりを照らしながら進んでいく。所々でデーモンが行く手をふさぐ。この対処がゲームの基本になる。

 三上氏が説明したように、ドクロのジョンソンは、旅のアドバイザーであると同時に、メインウェポンでもあり、銃撃したい場合は彼が瞬時にマシンガンやショットガンに変身し、たいまつのまま殴れば近接武器になる。しかし、単にデーモンを攻撃しても彼らはビクともしない。彼らを倒すためには近接攻撃で殴りつけるか、光の力を借りる必要がある。

 地獄でも闇と光があるというのがユニークな設定だが、ガルシアはサブウェポンとして割り当てられているレーザー光のような“光”を駆使し、暗闇の進行を押しとどめ、光の届く領域を広げていく。銃撃が効くようになると、気分爽快なシューティングゲームのスタート。デーモン達は見事に粉々に粉砕され、あたりに肉片を散乱させながら倒れていく。この辺りのビジュアルエフェクトは実に見事で、むごたらしくも美しい。

 ところどころで印象的なカットシーンが入る。今回見ることができたのは、いずれもボス戦の直前のカットシーン。シーンの主役は、不倶戴天の敵として頻繁に出現する魔女のフレミングやポーラなどの女性陣。フレミングはセクシーな衣装で不思議な踊りでボスを召喚する。ポーラの場合は常にワナで、毎回引っかかりそうになるが、ドクロのジョンソンが助けてくれる。ボスデーモンの登場の仕方は、本作におけるハイライトのひとつで、その惨たらしさや迫力はぜひトレーラーで確認して見て欲しい。

 ボス戦は、ボスの強烈な攻撃を避けながら、小刻みに攻撃を加え、一定の条件で現われる弱点を集中攻撃するというもの。唯一ボス戦はオーソドックスなバトルに見えたが、攻撃の選択肢が増えてくるとここにも何らかの仕掛けがあるのかもしれない。ギターギンギンのサウンドトラックはバトルを熱くさせてくれる。

 ゲームの大きな謎なのが、フレミングとポーラの相似性だ。キャラクターとしての造形は非常に似通っており、トレーラーでフレミングがポーラを引き摺っていくシーンがあるため、別のキャラクターであることは間違いないが、2人の関連性は本作における大きな謎として残っている。

 「Shadows of The Damned」のタイトルは、有名なパンクロックバンドの“The Damned”から取ったというぐらいパンクロックな世界観で満たされた本作だが、プレイする前は、パンクロックに通じてないとゲームを楽しめないのではないかと心配だったが、杞憂だった。むしろ、繰り返し顔を覗かせるストレートなホラー表現は、夢に出るほどのインパクトがあり、ホラーが苦手な人は覚悟を持ってプレイした方がいいかもしれない。ともあれ、本作は日本のデベロッパーが開発したことが信じられないほど、欧米テイストで、パンクロックで、ストレートなホラー表現に満ちた個性的なアクションゲームだ。


【スクリーンショット】
「Shadows of The Damned」には多彩なデーモンが登場する。その造形は怖気が走るほど醜いものだが、ガルシアは光の力を駆使して、彼らを撃退していかなければならない

(2011年 3月 9日)

[Reported by 中村聖司]