GDC 2011レポート
Game Developers Choice Awards 2011表彰式レポート
GOTYはやっぱり「RED DEAD REDEMPTION」! 生涯功労賞はピーター・モリニュー氏
GDCのセッションが本格始動する3月2日には恒例のるGame Developers Choice Awards表彰式が開催され、すでに発表されているノミネート作品の中から各賞が発表された。今年は10部門中6部門にノミネートされていた大本命の「RED DEAD REDEMPTION」がGame of the Year(GOTY)、Best Technology、Best Game Design、Best Audioなど4冠を獲得した。
今年で11回目を迎えるこのアワードは、ゲーム開発者が選ぶアワードとして、数あるアワードの中でも高い権威を誇っている。セッション終了後に会場がオープンすると、入り口にはバーが設けられ、ショーアップされた会場はお祭りムードになる。各賞の結果は以下の通り。
【Game Developers Choice Awards受賞一覧】 | ||
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Game Of The Year | RED DEAD REDEMPTION | Rockstar San Diego |
Innovation Award | MINECRAFT | Mojang |
Best Visual Arts | Limbo | Playdead |
Best Downloadable Game | MINECRAFT | Mojang |
Best Technology | RED DEAD REDEMPTION | Rockstar San Diego |
Best Handheld Game | Cut the Rope | ZeptoLab |
Best Writing | Mass Effect 2 | BioWare |
Best Game Design | RED DEAD REDEMPTION | Rockstar San Diego |
Best Audio | RED DEAD REDEMPTION | Rockstar San Diego |
Best Debut Game | MINECRAFT | Mojang |
ステージでDJがディスクを回し、お酒も入って会場は大いに盛り上がる |
鈴木裕氏がPioneer Awardを受賞 |
今年旋風を巻き起こしたのは、インディーズゲームながら、全世界で100万本を超える売り上げを記録している「MINECRAFT」だ。日本にもファンの多い「MINECRAFT」は、材料を集めて道具や巨大な建築物を作ったり、広大な世界を冒険したりと自由に遊べるサンドボックス型のPCゲーム。Game Developers Choice Awardsの前に行なわれたIndependent Games Festivalでも数多くの賞を受賞し、さらに「Game Developers Choice Awards」でもInnovation Award、Best Downloadable Game、Best Debut Gameの3冠を獲得しインディーズゲームの底力を見せつけた。7部門にノミネートされていた「Limbo」はBest Visual Artsのみの獲得となった。
日本勢はコンソールゲームは昨年以上に影が薄く、ノミネートされたのはWii用の「Super Mario Galaxy 2」(Nintendo)と「Kirby's Epic Yarn」(Good-Feel & HAL Laboratory)のみ。だが、モバイルが対象のBest Handheld Gameでは「Metal Gear Solid: Peace Walker」 (Kojima Productions) 、「Game Dev Story」 (カイロソフト) 、「Dragon Quest IX」 (レベルファイブ)と5本中3本に日本のタイトルがノミネートされるなど携帯機が強い日本の実情を反映した形となった。しかし、残念ながら日本勢は一歩及ばず結果はiPhoneアプリの「Cut the Rope」(ZeptoLab)が受賞した。
ビデオゲームの歴史の中で画期的な技術やゲームコンセプトを生み出して道を切り開いてきた人物に贈られるPioneer Award(旧:First Penguin Award)は鈴木裕氏が獲得した。鈴木氏は「これで公式にパイオニアになれました」と喜びの言葉を語った。鈴木氏の授賞を祝って、アワードを笑いで盛り上げるMega64による「シェンムー ファイナルサーガ」のビデオも上演された。かなり奇想天外なストーリーを鈴木氏自身が映像のなかで朗読していた。ゲームキャリアとその成果を讃えるLifetime Achievement Award(生涯功労賞)には「ポピュラス」や「Fable」シリーズの開発者ピーター・モリニュー氏が選ばれた。
【Maga64の「シェンムー ファイナルサーガ」】 | ||
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主人公芭月涼がアメリカに渡り、最後は月面で超能力バトルを繰り広げるという壮大なストーリー |
□Game Developers Conference(GDC)のホームページ(英語)
http://www.gdconf.com/
(2011年 3月 3日)