NHN Japan、「TERA」の正式サービスを2011年夏よりスタート!
日本総合プロデューサー潮田氏に最新情報を聞いてみた


「TERA -The Exiled Realm of Arborea-」

2011年夏サービス開始予定

ビジネスモデル未定


「TERA」日本総合プロデューサーの潮田太一氏

 NHN Japan株式会社は、サービス開始に向けて現在準備を進めているWindows用MMORPG「TERA -The Exiled Realm of Arborea-(以下、TERA)」のサービススケジュールを発表した。正式サービス開始時は今夏を予定し、その前に実施されるクローズドβテストおよびオープンβテストとも実施時期は今夏としている。ビジネスモデルは未定。

 「TERA」は、韓国Bluehole Studioが開発している期待の次世代MMORPG。美しいグラフィックスで再現された広大な世界と、敵をターゲットせずに攻撃するフリーターゲッティングシステムで、アクションゲームのような臨場感のある戦闘が楽しめる、今年最大の話題作だ。

 開発国の韓国では1月25日からいよいよ正式サービスがスタートした。日本でも昨年のティザーサイトオープン以来、少しずつ情報が公開され、じわじわと盛り上がりを見せている。今回は「TERA」日本総合プロデューサーの潮田太一氏から、直接発表されたロードマップについての詳細を聞くことができた。正式サービス開始までのプロモーションプランやローカライズ状況、そして気になるビジネスモデル等について最新情報をお届けしたい。


移動や回避で敵の攻撃を避けつつ戦う、アクションゲームのような「フリーターゲッティングシステム」が特徴だ




■ 正式サービスは2011年「夏」。それまでに複数回の体験会を予定

 韓国で正式サービスがスタートして、いよいよ日本のサービス開始も近づいてきているのではと期待している人も多いと思う。そんな中、NHNから日本版サービスのロードマップが発表された。現段階ではあくまでも予定ではあるが、発表されたスケジュールは以下の通りだ。

1月28日(金)「LIVE SHOW TERA CHANNEL」 20時配信開始(以後隔週放送)
2月26日(土)「TERA LEADER限定『TERA』体験会」(東京本社開催・抽選)
3月後半 「TERA LEADER限定『TERA』体験会」(東京開催・抽選)
4月以降 「お客様『TERA』体験会」(会場未定・抽選)(以後数回の開催)

2011年夏 「TERA」発表会
2011年夏 CBT(クローズドベータテスト)開催
2011年夏 OBT(オープンベータテスト)開催

OBT終了後、あまり時間をあけず正式リリース予定!

「LIVE SHOW TERA CHANNEL」は公式HPにある特設サイトで、リアルタイムに配信される予定だ
12月に開催されたプレス向けの体験会の様子

 1月28日から始まる「LIVE SHOW TERA CHANNEL」は、公式ホームページの特設ページから見ることができるWeb番組。潮田氏とMCの長柄ひろみさんが日本版クライアントの画像と共に、生放送で「TERA」の魅力を伝えていくというものだ。

 現在は公式HPの「Developer's ブログ」や公式Twiiterで最新情報を確認することができる。Web番組は初心者にもわかるような丁寧な内容を心がけ、第1回目の放送は、まったく「TEAR」を知らない人に、「TERA」の世界観や、特徴的な「フリーターゲッティングシステム」などをわかりやすく説明していく予定だ。

 番組は隔週の放送で、生放送中には視聴者からの質問に答えるQ&Aのコーナーもあるそうだ。「今から緊張しています」という潮田氏だが、生放送だけにどんな情報が飛び出すかは見てのお楽しみだ。

 2月26日には「TERA LEADER」を対象にした体験会「TERA DAY」が、NHN本社ビルで開催される。これは12月にあったプレス発表会の規模を大きくしたもので、ユーザーが「TERA」日本版に触れる最初の機会となる。

 人数は50名程度を考えており、応募できるのは現在「TERA LEADER」に選ばれているユーザーが対象だ。「TERA LEADER」はTwitterやブログで積極的に「TERA」の情報を発信しているユーザーの中から公募で選ばれる。現在は第2回の募集で、400名が選ばれている。今後も人数を増やしていく予定だ。

 3月後半の「TERA LEADER限定TERA体験会」も「TERA LEADER」向けだが、こちらは友人を一緒に連れてくることができる。参加できる人数はまだ不明だが、本社ビルの会場ではキャパシティ不足になるので別の会場を予定しているということで、2月の体験会よりはたくさんの人が参加できるイベントになるようだ。

 4月以降の体験会は、すべてのユーザーが対象となる。月1回程度のペースで東京だけではなく、全国各地で「TERA」を体験してもらうというものになる予定だ。




■ 日本の課金プランは2月26日に発表?

「課金については2段階に分けて発表するつもりです」と潮田氏

 「TERA」は韓国では1月25日に正式サービスが開始された。1月11日から始まったOBTでは初日に16万という人数を集め、「タワー オブ アイオン」が更新し続けていたネットカフェの人気ランキング第1位の座を103週にして止めた。ちなみにこれは「サドンアタック」の106週に続く、歴代2位の記録。この数字を見ても、いかに「TERA」の注目度が高いかが窺える。

 韓国ではネットカフェでオンラインゲームをプレイするユーザーが多い。日本に比べて利用料金が安いということもあるが、潮田氏によれば、学校帰りに友達と連れ立って何人かでモニターを囲んでああだこうだと話をしながらプレイする文化があるのだそうだ。日本で格闘ゲームが流行っていたころのゲームセンターの雰囲気が近いかもしれない。潮田氏は「個人的に、機会があればそういった雰囲気を日本でも作ってみたい」と語っていた。

 日本では、冒頭でも紹介したように、CBTから正式サービスまですべて「夏」という予定になっている。この夏がいつを指すのかが気になるところだが、潮田氏によれば「6月から8月くらい」を夏と認識しているとのことなので、CBTで大きなバグがなければ8月までには遊べそうだ。CBTは何度かに分けて行なう可能性もあり、規模は1万人程度になるということだ。同じくサービスが予定されている北米とヨーロッパは日本の後になるということで、日本が韓国に続く2番目のサービス開始国になる。

 ビジネスモデルは、韓国では月額制を採用しており、30日が19,800ウォン、90日が47,500ウォンという料金プランとなっている。他にも3時間利用といった時間区切りのプランもある。正式サービスが始まる前に事前購入した場合は、少し安くなるサービスやゲーム内アイテムがもらえるキャンペーンイベントも行なわれている。

 こうなると日本の課金モデルが気になるところだが、現在はまだ詳細を聞くことができなかった。課金については2度に分けての発表が予定されており、早ければ2月26日の体験会で課金モデルが発表されるかもとのこと。ただしあくまで予定なので、まだしばらくは期待を胸に待つことになりそうだ。

 内部的には既にある程度は固まっているそうだが、なにぶんデリケートな部分でもあり、確実に決まってから発表したいということなので、今しばらく待つ必要がありそうだ。




■ 追加の翻訳が100万文字。膨大な量のクエストが待ち受ける

「翻訳しなければならない文字量は、今までのオンラインゲームの数倍あります」と潮田氏

 以前のインタビュー記事でお伝えしたように、「TERA」は世界統一クライアントでのサービスが予定されている。CBTのクライアントは、韓国でOBTに用いられたものをレベル制限したバージョンになる予定だ。使える種族に制限は入れないとのことなので、CBTからすべての種族でたっぷりとキャラクター作成を試すことができる。

 韓国では正式サービスと同時に、新エリアやインスタンスダンジョン、政治システムの一部であるプレーヤーの中から領主を選ぶシステムが実装された。これらは日本でも正式サービスで入る予定だ。サービス後は韓国のアップデートを後追いする形で、日本版のアップデートが行なわれることになる。

 日本語へのローカライズは社内の翻訳チームによって進められている。クエストは非常に大量にあり、最初に予定されたものだけでも今まで経験がないほど膨大な分量だが、さらに追加で100万文字ほどが送られてきて、現在必死で作業をしているとか。ボイスデータについても、韓国語の部分はすべて日本語に吹き替えられる。まだ名前は教えてもらえなかったが、ボイスの吹き替えにはかなり名の知られた声優も参加するようだ。

 日本版の正式な推奨スペックはまだ発表されていないが、韓国版は、OSはWindows XP以上、CPUはCore2 Duo E6750 2066GhzもしくはAthlon 64 X2 6000+以上、メモリ2GB以上、GPUはGeforce 8800GTかRadeon HD 3870以上と、美しいグラフィックスのゲームであるにも関わらず、ミドルスペックのPCでも動く。

 「G-Star2010」や、プレス体験会でお目見えしていた6画面を同時に表示するAMDの「ATI Eyefinity」にも正式に対応しているので、頑張れば家で6画面プレイを楽しむこともできる。ゲームパッドについてはCBTには間に合わないが、「OBTまでには対応できるように頑張りたい」とのことだ。


このグラフィックスが、ミドルスペックのPCでも楽しめるのは嬉しい!




■ 不正対策のため、ワンタイムパスワード必須を検討中

楽しいゲームライフのためにも、不正対策に手を抜きたくはないと決意を語ってくれた

 多くのゲームで被害が続出しているアカウントハックなど、不正対策については厳しく対応していくつもりだ、と潮田氏。「ハンゲーム」には現在任意で登録できるワンタイムパスワードがあるが、「TERA」ではそれを必須にする方向で検討している。RMTに対しても、売る側だけでなく買う側にもできる限り対処していくとのことだ。

 「顔の見える運営」を目指したいという潮田氏。サービス開始前の今はまだ好意的な意見が多いが、今後CBTが始まるとともにどうしても不満点が出てくる。その時に誠実な対応ができるかが、ファンとの信頼関係を築けるか否かの鍵になる。

 現在NHN Japanの一番人気は、Windows用アクションMO「ドラゴンネスト」だ。NHN Jpanaでサービスをしてきた中でも、最大規模のプロジェクトとして進行中だという「TERA」が、日本でどれほどの人気を博することができるのか、今年は「TERA」から目が離せなさそうだ。


【「TERA」のプレーヤーキャラクターの種族】
「アマン」男性「アマン」女性「バラカ」は男性のみの種族
「キャスタニック」女性耳としっぽのついた少女の姿をした「エリーン」いろいろな動物がいる「ポポリ」
「ハイエルフ」女性「ハイエルフ」男性「ヒューマン」男性


TERA and“TERA : The Exiled Realm of Arborea” is a trademark of Bluehole Studio Inc.
Copyright(c)2007-2010 Bluehole Studio Inc. All rights reserved.
Published by NHN Japan Corporation.

(2011年 1月 28日)

[Reported by 中村聖司]