LG、IPSパネル搭載で3万円台のゲーミングモニターを発表
新デザイン筐体にスルーモードや超解像技術を搭載。1月下旬発売


【E2370V-BF】

1月下旬より発売開始

店頭予想価格:33,000円前後


 LGエレクトロニクスは1月20日、IPSパネルを採用した23インチのフルHDゲーミングモニター「E2370V-BF」を発表した。LEDバックライトを採用し、スルーモード、超解像技術などを搭載する。価格はオープンプライス。店頭予想価格は33,000円前後の見込みで、1月下旬より発売開始される予定だ。



■ IPSパネルを採用したLGエレクトロニクス初のゲーミングモデル「E2370V-BF」

製品写真
製品コンセプトを説明するLGエレクトロニクスのチェ・ソグヨン氏
LGエレクトロニクス・ジャパンの和田恵一郎氏

 1月20日に都内で行なわれた発表会では、LGエレクトロニクスの製品企画担当チェ・ソグヨン氏および、LGエレクトロニクス・ジャパンの和田恵一郎氏より「E2370V-BF」の詳しい説明が行なわれた。

 「E2370V-BF」は、2009年に発売された「W2363V」、2010年に発売された「W2363D」からの流れを引き継ぐ製品として、ゲーマーおよびハイパフォーマンスユーザーをメインターゲットに据える製品だ。応答速度を高めるスルーモードを搭載しつつ、IPSパネルによる高画質化、LEDバックライト採用によるダイナミックコントラスト比の大幅な拡大といった基本性能の強化を果たした。

 パネルに採用されているのはUH-IPSと呼ばれる液晶技術。従来の一般的なIPSモニターで採用されてきたH-IPSに比べ、画素開口率を18%向上し輝度・色再現性が強化されている点が特徴だという。

 製品企画を担当したチェ・ソグヨン氏は本製品について、前身となるゲーミングモニター製品の欠点を洗い出し、徹底したユーザーフィードバックを反映して生み出したモデルであると説明した。本製品の開発にあたっては、韓国のプロゲーマー、日本のPCユーザーをはじめとした広範囲の調査を行ない、その結果を製品仕様に反映したのだという。

 その現われとして本製品では、前モデル「W2363」シリーズから筐体デザインが刷新されている。コンテンツに集中できるシンプルな形状のベゼルを採用し、タッチ式のボタン類はすべて機械式のボタンに変更してOSDの操作性を向上させた。また、室内の明るさを自動検知してモニター輝度を調整する機能を搭載し、長時間使用による目の疲れを軽減する。

 また、実際の使用シーンを想定して、FPSやMMORPG、一般作業など使用ジャンル毎の映像設定を個別に呼び出せるカスタマイズ機能にも力を入れたという。これらの映像モードの呼び出しをより簡易にするため、小型のリモコンを付属させた点も、本製品における操作性へのこだわりのひとつだ。

シンプルなベゼルデザインを採用ボタンは機械式に変更された
映像モード等の切り替えがワンタッチで可能なリモコンが付属映像端子はD-SUB、DVI-D、HDMI×2。音声出力ジャックもある

PinP機能でHDMIの映像を小画面出力
過去モデルとの比較。左から「W2363V」、「W2363D」、「E2370V-BF」

 映像機能としてはLGエレクトロニクス独自の超改造技術を搭載する。これは単に高解像度化処理をするだけでなく、白浮きを軽減するシュートコントロール技術を組み合わせたものになっており、より自然な超解像映像を出力できるという。また、PinP(ピクチャー・イン・ピクチャー)機能を搭載。2系統のHDMI同士の組み合わせ以外の全てで、PinP及びスワップ機能が利用できる。

 気になる応答速度については、中間色平均で14ms、白→黒で6ms秒となっている。従来のゲーミングモニターに採用されていたTNパネルに比べ、全色域での応答速度が安定していることが特徴だ。TNパネルでは一部の色域における応答速度が非常に速く、また他の色域では非常に遅いという特性があるが、IPSパネルでは全ての色域について平均的に高速な応答速度を持つため、全体としてより残像が抑えられるなど、高い動画性能が期待できる。

 画面サイズは23インチワイド、解像度は1,920×1,080ドット、輝度250cd/m2。コントラスト比はダイナミック時5,000,000:1、視野角は水平・垂直それぞれ178度。走査周波数は56~75Hzで、フレームシーケンシャル方式の3D表示には対応しない。入力端子はアナログRGB、DVI-D、HDMI2系統を搭載。前モデルでは課題であったVESAマウントへの対応も果たしている。

 IPSパネル搭載のゲーミングモニターは他社からも発売されているが、そのほとんどはプレミアムモデルとして位置づけられ、非常に高価である。その点本製品では、必要な機能に絞って市場価格3万円台を実現し、圧倒的な価格競争力を備えている点に特徴が集約されている。本製品がゲーマーにとって魅力的な選択肢となることは間違いないだろう。


(2011年 1月 20日)

[Reported by 佐藤カフジ]