マイクロソフトとNHN Japan、ゲームポータル事業で協業

「MSN ゲーム」を2011年1月17日より提供開始


2011年1月17日 サービス開始予定



ショーン・チュウ氏
森川亮氏

 マイクロソフト株式会社とNHN Japan株式会社は12月13日、「MSN ゲーム」の提供を2011年1月17日より開始すると発表した。

 これはマイクロソフトのポータルサイト「MSN」のリニューアルに合わせて行なわれる施策の1つ。MSNのエグゼクティブ・プロデューサーを務めるマイクロソフトのショーン・チュウ氏は、「『MSN』のリニューアルは世界各国で行なっているが、日本は他の国とは違い、85%以上のサービスをがらりと変えた」と述べ、「MSN」のホームページ、トピックス、ゲーム、ニュースの4カテゴリを一気にリニューアルすることと、「MSN」のロゴを刷新することを発表した。

 中でもマイクロソフトが注目している点は、急成長を見せているソーシャルメディアだという。「MSN」ホームページでは、メールサービスのHotmailに加え、mixi、Twitter、Facebookの各ソーシャルメディアと連携し、更新情報を集約して見られる機能を搭載する。これに加えて、NHN Japanが提供するオンラインゲームサービス「ハンゲーム」と手を組み、新たなソーシャルゲームサービスとして「MSN ゲーム」を提供する。利用料金は基本無料で、一部タイトルではアイテム課金制を採用する。

 NHN Japan 代表取締役社長の森川亮氏は今回の提携について、「これまでゲーム専門のWEBサイトは、男性やゲーム好きのお客様が多く、どうしても一部の人に限られてしまっていた。『MSN』さんと組むことで、幅広い層のお客様を取り込んで、日本最大のソーシャルゲームプラットフォームを作っていきたい」と述べた。

 提供されるタイトルは、初期は約130タイトルの予定。そのうち約10タイトルはソーシャルゲームとなる。具体的なタイトルとしては、株式会社ドリコムが提供する「ハッピーアイランド」、株式会社バンダイナムコゲームスが開発する「プロ野球 ファミスタ オンライン 2010」、NHN Japanが自社開発するMMORPG「チョコットランド」といったカジュアルなタイトルが中心。「ドラゴンネスト」のような本格的なオンラインゲームも提供される。

 タイトルラインナップについては、「『ハンゲーム』は10代から20代の若い方が多く、可愛いものやゲーム好きに向けたデザインにしているが、『MSN』は大人のお客様も多い。『ハンゲーム』と『MSN ゲーム』で、それぞれターゲットにあったゲームをアグリゲートするなり作るなりして、サイト上で新しい価値を自ら作っていきたい」と説明。また「MSN ゲーム」での取り組みについては、「『MSN』で取り組まれるソーシャルな機能や、既にあるメッセンジャーやWindows Live IDとのシングルサインオンなど、サイトの機能と連携させたい」と述べ、「ハンゲーム」とは異なる方向性を強調した。

 このほか両社の取り組みとして、Windows Live メッセンジャーに『ハンゲーム』のアバターを導入することも発表された。森川氏は「今後、メッセンジャーとゲームとの連携も図っていきたい。この取り組みを通じて、『MSN』のソーシャル機能と連携し、アジア展開視野に入れていきたい」と語った。

 なおNHN Japanとして「MSN」以外のサイトとの協業を考えているかという質問に対して
森川氏は、「今のところは『MSN』とがっちりやっていきたい。ただライブドアがグループに入ったので、ライブドアでの展開だけは進めている」と述べた。


「ハンゲーム」とは異なる層のユーザーの取り込みと、「MSN」の各種サービスとの連携がNHN Japanの狙い提供タイトルはソーシャルゲームを始めとしたカジュアルタイトルが中心だが、本格的なオンラインゲームの提供も予定されている
「ハンゲーム」との客層の違いを考慮し、WEBサイトも異なるデザインで提供される「MSN」との連携第1弾として、Windows Live メッセンジャーのアイコンにハンゲームアバターの画像を使用できる

(2010年 12月 13日)

[Reported by 石田賀津男]