ゲームオン、「クロノス」新開発体制を副社長と運営プロデューサーにインタビュー
アップデート「ODYSSEY」を実装。2012年にはシステムもグラフィックスも完全リニューアル!
10月14日に第1弾が実装される大型アップデート「ODYSSEY ~神話を紡ぐ者達~」 |
株式会社ゲームオンは、Windows用MMORPG「眠らない大陸クロノス(以下、クロノス)」の大規模アップデート「ODYSSEY ~神話を紡ぐ者達~」を10月14日に実装した。「クロノス」は韓国のリザードインタラクティブが開発し、2003年からゲームオンが運営を行なっていたが、2010年の7月にリザ―ドインラタクティブの一部を譲り受け子会社化する形でゲームオンスタジオが設立された。今後「クロノス」はゲームオンの内製タイトルとして開発が続けられていくことになる。
今回は、ゲームオン本社にお邪魔して、ゲームオン代表取締役副社長のキム・ジョンチャン氏と、「クロノス」のプロデューサー竹内哲氏に話を聞くことができた。キム氏からは、ゲームオンスタジオ設立までの経緯と、今後予定されている「クロノス」の大規模なリニューアルについて、竹内氏からは大型アップデート「ODYSSEY ~神話を紡ぐ者達~」の内容と、今後のアップデート予定を教えてもらった。
「クロノス」はサービス開始から今年で7年目となる長寿タイトルだけに、熟成された部分も多いが、長く遊んで高レベルに達したプレーヤーにとっては物足りなさを感じる部分もある。キム氏によると、2012年までには全く新しく作り直すほどの大幅なリニューアルを考えているということだ。今はまだ構想段階だという未来の「クロノス」像を紹介したい。また日本運営からの提案で実現したという、今回の大規模アップデートについても詳細をお伝えする。
■ 2年かけてグラフィックスやシステムを大きくリニューアル
ゲームオン代表取締役副社長のキム・ジョンチャン氏 |
編: ゲームオンスタジオ設立によって「クロノス」が内製タイトルになりましたが、どういった経緯があったのですか?
キム・ジョンチャン氏: クロノスの開発会社だったリザードインタラクティブは、「クロノス」を続けたいものの、新しいタイトルを開発しないと未来が見えないという状況でしたが、開発会社としては両立するのが難しいのが実情でした。そこで昨年の秋くらいから、どうすれば「クロノス」を続けていけるかという相談を受けて、当社としてもこのタイトルを続けたいのでIPと開発チームをうちが買収する形にしましょうということになりました。それで「クロノス」の開発チームをごっそり譲り受けて、夏にゲームオンスタジオという会社を設立しました。
もともとゲームオンという会社は、自社開発部門を保有したことがなかったのです。開発スタジオを持つことは長年の宿題のようなものでしたので、今回のことをきっかけにまずは開発スタジオを設立して、「クロノス」を定期的にバージョンアップしながら次のタイトルを作っていくことも可能なのではないかと考えています。
編: その新開発スタジオには「クロノス」を作っていたチームがそのまま移ってきているのですか?
キム氏: そうです。「クロノス」というタイトルは質はいいのですが、もう7年以上前に始まったタイトルですからサーバーのプログラムとか、クライアントのプログラムなどが今の時代からみると古くなっています。その部分のリニューアルを視野に入れて、今新しい「クロノス」へ向けて企画を練っているところです。
編: 企画は日本ですか?
キム氏: まずはゲームオンスタジオに、どんな内容で開発にどのくらいかかるのかという初期段階の企画を作ってもらっています。後から日本の運営からの意見を反映していくことになると思います。将来的には日本のスタッフを加えるかもしれませんが、まずは向こうから設計図をもらって、ここはもっとこうしたほうがいいのではないですか、と一緒に作る形になるのではないでしょうか。
編: リニューアルして生まれ変わらせるほどにこの「クロノス」というタイトルにこだわるのはどうしてですか?
キム氏: 「クロノス」は内容やコンテンツには非常にいいものを持っているのでそこを大事にしたいと思っています。
編: 大切にしているタイトルだからこそ、作り直して「2」として生まれ変わらせようということですね。
キム氏: 「2」になるか「1.5」になるかはまだわかりませんが(笑)。
編: 今回の大型アップデートがリニューアルの第1弾になるのですか?
キム氏: 今回のアップデートは「クロノス」を継続的にサービスしていくためのアップデートの一環ですので、1.5とか2までつながるようなアップデートではありません。リニューアルには1年半から2年くらいはかかりますので、その間もアップデートを続けながら新しいコンテンツを提供することになると思います。
編: 自社開発が長年の宿題だったというお話ですが、自社開発に興味があったのですか?
キム氏: 興味はずっと持っていましたが、実現させるのが大変でした。実は日本でも開発会社を探したのですが、日本ではオンラインゲームよりもコンソール向けのゲームを開発している会社が多かったので見つけるのは難しかったのです。
編: 「クロノス」だけのためのスタジオというわけではなく、今後は別タイトルの開発も考えていくということですか?
キム氏: そうしたいですね。
編: 最初の話で大きなリニューアルをするということでしたが、今後「クロノス」はどうなっていくのですか?
キム氏: そこはまだまだ企画段階で、まだ私も1回くらいしか企画書を見たことがないですから。
編: グラフィックスはどのくらいのクオリティアップを目標にされているのでしょうか?
キム氏: いま韓国でもゲームエンジンの選定をしているところなので、どんなエンジンを使うかでグラフィックスのイメージをリアル系にするか、もう少し優しい感じにするか、可愛い系にするかリアル系にするか決まると思います。どちらにしても見た目は綺麗になって欲しいです。
編: グラフィックス以外にはどういった部分が変わるのですか?
キム氏: 今までゲーム的に入れたかったものや、入れたくなかったものが整理されます。基本的なゲーム性はあまり変わりません。ゲームの中で重要なコンテンツは維持されます。
■ バランス調整と上位コンテンツの充実を兼ねた「2次転生クラス」
「クロノス」のプロデューサー竹内哲氏 |
新規に追加された2次転生クラス |
編: いよいよ「ODYSSEY」が実装されますが、かなり大規模なアップデートになりそうですね。
竹内哲氏: 10月14日に2次転生クラスのアップデートを予定しています。ほかにもコンテンツがありまして、多岐にわたる大規模なものになっています。ですので、アップデートは10月14日から11月の始めごろまで段階的に行なっていく予定です。
編: どういったものが入るのですか?
竹内氏: 主なものとしては2次転生クラスと、その関連コンテンツです。マップやアイテムなど数自体は既存コンテンツが倍になるくらいのボリュームになっています。ほかに「称号システム」というものが入ります。クエストをこなしたりレベルが上がることでタイトルを獲得できて、そのタイトルでステータスが上がるというものです。最近のRPGではかなりメジャーなシステムですが、それが新しく加わります。キャラクター作成画面のインターフェイス(UI)も予定しています。
編: 既存部分の変更もあるのですか?
竹内氏: 既存マップのなかで人気の高い「ツインタワー」というダンジョンがあるのですが、それをリニューアルしました。いまプレーヤーから不満が出ている部分を払拭して、新しい面白みをつけての提供になります。
編: 2次転生を導入することになった理由を教えてください。
竹内氏: 2つ理由があります。1番大きなものは、レベルキャップに達している方に向けた中高レベルのコンテンツが不足していることです。もう1つはキャラクター間のバランス調整のためです。PvPとPvEのバランスが悪いキャラクターが存在していまして、特に「マジシャン」というキャラクターが1番問題になっているのです。
「クロノス」は魔法が防御力無視の必中なのですが、モンスターはHPが多いのでそれほどダメージを与えられないけれど、プレーヤーはモンスターほどHPが高くありませんから、PvPでは当たると必ず死んでしまうほどに強くて、かなりバランスブレイカ―なところがあるのです。またバフ(ステータス上昇魔法)やデバフ(ステータス異常魔法)が非常に少なくて、PvEでは活躍しづらいためパーティーに誘われにくいキャラクターになってしまっているのです。
既存のキャラクターの調整でバランス調整を行なうには新職業や新スキルが必要で、開発元にもコストに見合ったものが少ないという判断をされていました。それなら高レベル以降の新コンテンツとして提供したらどうだろうと、日本か「2次転職クラス」の企画を持ちかけたのです。
編: 2次転職クラスは、現状のキャラクターでレベルがキャップに到達している人が使う上位クラスという位置づけになるのですか?
竹内氏: そうなります。今は「マスター転生」という転生システムが入っているのですが、その「マスター転生」のキャラクターが高レベルになった際に行なえるのが「2次転生」です。クラスもスキルも見た目も完全に変わります。
マスター転生になれば、未転生キャラクターとの差がついてはいるのですが、既存のクラスとの差が劇的にあるわけではないのです。ですから上位コンテンツとして強いダンジョンを出すと、マスター転生でもクリアが難しくなってしまいます。そのため、誰でも遊べるようなコンテンツを提供するのが難しくなっていました。
装備などが整っていないと入れない難しいコンテンツの追加が、今後韓国でも予定されていますので、マスター転生から2次転生という道筋を作ることでマスター転生ではできなかった差別化をしていこうかと思っています。マスター転生の上に2次転生があって、そのさらに上に2次転生のマスターが予定されているので段階的にぐんぐん上がっていくようなイメージになっています。最終的に2次転生のマスターになることで新しいコンテンツが十分に楽しめるようになるよう思い描いています。
「マジシャン」の2次転生クラス「ソーサラー」 | 「パラディン」の2次転生クラス「ヴィクター」 |
「バルキリー」の2次転生クラス「アイドネス」 | 「ウォリアー」の2次転生クラス「ベルセルク」 |
編: 2次転生は、同じ系統の違うキャラクターになるのですか?
竹内氏: 基本的には今のクラスが持っている特色が強く活かされたものになります。さきほど言いました「マジシャン」と、韓国で問題視されていた「バルキリー」は技能が調整されています。「マジシャン」の2次転生クラス「ソーサラー」は、対人での活躍は抑えられますが、その分モンスター戦で活躍ができるようなキャラクターになっています。デバフが多くなり、モンスターの能力を下げながら味方の支援ができるのと、PvPでの最大ダメージは下げられているのですが、継続ダメージといったところでバランスを取っています。
「バルキリー」の2次転生クラス「アイドネス」は、PvPの瞬間ダメージ量がかなり上がっていることと、モンスターのクリティカル確率を下げるスキルを持っています。「クロノス」ではクリティカル確率がかなり意味を持っているので、そこに影響するスキルをいれたことで活躍の場を与えた形です。
編: 強くなるだけではなくて、バランス調整の意味合いが大きいのですね。
竹内氏: そうですね。やれることもかなり増えていると思います。
編: 2次転生クラスは、PvPではマスター転生よりは強くなっているのですか?
竹内氏: 今のところはイーブンか、少し上くらいの想定でバランスを構築している状態です。まだクラススキルの上位であるアドバンストスキルと、マスターになった時のマスタースキルが導入されていない段階なので、それが導入された時に初めて差が明確に見えるような形を考えています。
キャラクターの外見はかなり変わっています。「クロノス」はDirextX 6で作られているのですが、今年の3月にそれをDirextX 9まで上げました。今回は上げてから初めてのキャラクターなので、かなり差が明確に見えています。
編: 今後の開発はすべてDirectX 9に移行するのですか?
竹内氏: DirectX 9のほうが動作が軽いようで、ゲームオンスタジオでもリニューアルしたがっているのです。軽くなるのは日本の運営側としても喜ばしいことなので。
編: 今回のアップデートは日本の意見がかなり反映された結果になりますが、いま「クロノス」のユーザー数は日本が1番多いのですか?
竹内氏: 規模的に日本が大きく成功例として上がっているので、注力していただけていたことが、今回のゲームオンスタジオ設立の背景にもなりました。今後は日本の企画を中心に韓国のアップデートも行なっていくような形になり、日本のプレーヤーの意見を反映しやすくなりました。
編: 今までも差はあったのですか?
竹内氏: 日本のコンテンツの方がかなり多かったです。「クロノス」は開始当初からイベントが多彩に行なわれていたので、イベントアイテムでも韓国より日本の方が多いのです。最初はイベント部分での協力が中心でしたが、2008年~2009年以降は日本のアップデートを優先して、日本向けのコンテンツをかなり多く入れてくれています。そのせいで、コンテンツも韓国よりも日本の方が多いとか、ステータスも日本の方が強いといった部分で、かなり明確に差が見えています。
2次転生クラスの新スキルで、今までとは違う戦い方が楽しめるようになる |
■ 「ツインタワー」ダンジョンを「2次転生クラス」用にリニューアル
新エリア「ファブリカ平原」 |
新エリア「インフィニタス雪道」 |
編: 今ユーザーさんはどういったコンテンツを中心に楽しまれているのですか?
竹内氏: やはりレベル上げが1番の目的です。後は装備集めですね。経験値が美味しくて、レアアイテムを集めやすい上位コンテンツが人気です。現在はレベルキャップが125なのですが、最近入ったレベル100以上の「水中ダンジョン」や、レベル110以上の最上位コンテンツ「アビスフォール」といったところが今のプレーヤーが1番楽しまれている場所です。ただ、2006年のころに入った「カノンの図書館」という「クロノス」で1番プレーヤーに愛されている30階までを順番にクリアしていくランダムダンジョンがあるのですが、そこは未だに楽しんでいただけているようで、週末になると集まっていただいてます。
編: 新しく入るマップと、リニューアルされる「ツインタワー」はどういった形になるのですか?
竹内氏: 新マップに関してはキャラクターが2次転生を行なったら、そこがそのまま新しいホームポイントになります。そこでレベルを10~20くらいまで上げていただいて次のマップにいきます。新しく入る2つのマップと、リニューアルする「ツインタワー」のうちの1つを2次転職用のエリアに接続して、3連結の縦並びのマップになっています。
編: 今回「ツインタワー」をリニューアルすることになったのは、どういう理由からなのですか?
竹内氏: 攻略時間がかかり過ぎると言う声が多いのです。今はカジュアルゲームで遊ばれているプレーヤーが多いと思います。「ツインタワー」は攻略時間が最短で40分から1時間くらいは必要なので、それだけの時間を拘束されることがストレスになるのです。据え置き型のゲームでも、今は1時間やるのは辛いと思いますので。特に「クロノス」のプレーヤーは年齢層が高めになっていますので、あまり拘束時間が長いと厳しいのです。
編: 新しい「ツインタワー」ではどうなるのですか?
竹内氏: 片方は既存のプレーヤーに残して、もう片方は新しい2次転生のプレーヤーが楽しめるようなバランスにしていこうと考えています。内容はかなりリニューアルされていますので、新鮮味があって面白いのではないかなと。2次転生専用の装備もそこで落とすので、2次転生のプレーヤーが楽しめる場所になると考えています。
ソロ用とパーティー用がありますが、パーティー用の攻略に必要な時間は20分から30分くらいで、ソロ用だと10分から20分くらいで攻略できるものにします。パーティーで時間をかけるか、ソロ用で簡単に行くかをプレーヤーが選択できるようになっています。
編: コンテンツ量を減らしたということですか?
竹内氏: マップ数が減っています。「クロノス」は1マップが1つのゾーンになっているので、今までの「ツインタワー」にはだいたい400ゾーン存在してメモリをかなり圧迫していました。ですからメモリ軽減という意味でも今回のリニューアルが考えられています。全体マップを減らす代わりにスクリプトシステムでランダム性を出して、全体のリソースを減らしながら攻略時間も減らしていくという一挙両得を狙いました。
編:ユーザーインターフェイス(UI)の変更について教えてください。
竹内氏: 今までキャラクター作成を3Dキャラクターでやっていたのですが、やはり2003年から続いているものなので、一見して他のゲームに比べて見劣りするなというところがあり手を出しにくかったと思います。そこで日本でのイラストレーターのイラストを採用しました。キャラクター作成までは公式ページの印象を残したまま、ゲーム内に入っていただくような工夫になっています。あとはワールド選択画面の文字が小さいという要望がありましたので、フォントを大きくしました。
■ 12月以降「生産」と「武器スロット」でさらなる強化が可能に
「生産をただの付加価値的なものにはしたくない」と竹内氏 |
編: さらに12月にもアップデートが予定されているそうですが。
竹内氏: いまのところ12月のアップデートでは生産が入る予定です。
編: 今まで生産はなかったのですか?
竹内氏: 「クロノス」は「Diablo」タイプのハックアンドスラッシュ型3Dゲームと言うジャンルのゲームです。単純に敵を倒してレベルを上げて、レアアイテムをとって、スキルを上げてということがメインになります。でも生産を楽しまれたいプレーヤーも今では多数存在していると思うのです。
チャットをしながらみんなと遊びたくても、戦闘だと忙しくてチャットができませんから。まったりと遊びたい方には、ゆっくりと自分を強くするアイテムを作ってもらおうということで2次転生と同時に開発に提案しました。あちらは戦闘コンテンツを入れたいという気持ちがあったようで、合意を得るまでは時間がかかりましたが、最終的には戦闘以外のコンテンツも大切だというところで合意を得ることができました。
編: 今まで生産がなかったゲームに後から入れるのは相当大変そうですね。
竹内氏: はい、すごく大変でした(笑)。
編: どういった形で生産を組み込むのですか?
竹内氏: 日本側の要望としては「鍛冶屋」のような完全な生産用の新職業と、生産専用のマップを作って取引の場だけ共有させるというアイデアだったのですが、最終的には、既存のキャラクターに生産系のスキルを追加して、既存マップに採取や採掘ができる場所を追加して、今の合成を生産に進化させる形になるだろうと思います。今も開発と話をしているところで、12月以降の目玉コンテンツとして開発中です。キャラクターに愛着もあると思いますから。
編: 採集や採掘があるということですが、どのような生産になるのですか?
「生産」が入ると、既存エリアで材料の採取ができるようになりそうだ |
竹内氏: 草とか木とか石とかの材料を集めるところは自動放置でやっていただいて、生産の熟練度を上げて新しいものを作っていく形になります。生産と結び付けたいと思っているのが「武器ソケット」です。「武器ソケット」は既存の武器やアイテムに付加価値を与えるようなものです。
編: そのソケットに何かをはめ込むことでステータスをアップさせるようなものですか?
竹内氏: そうです。生産職でも食べていけるように、戦闘で稼いだものと生産で稼いだものが両立できるような形にしたいと思っています。
編: 生産ではどんなものが作れるのですか?
竹内氏: 今お話しした武器ソケットと、できればユニーク武器も作れるようにしたいと思っています。既存武器ではあるけれど、ステータスが高くて生産者の名前が入るようなもの。さらにいけそうなら新しい装備部位も入れたいと考えています。
編: 生産専用の装備部位ということですか?
竹内氏: 生産でしか作れない装備ですね。そう言ったものがあれば、現状の戦闘コンテンツに並ぶくらいの価値が見出せそうかなと。ただ、付加価値的なものでは終わりたくないので、がっつり遊べる目玉コンテンツにしたいと思っています。ですので少し時間はかかるかもしれませんが、楽しみにお待ちいただきたいと思います。
編: 生産が12月で「武器ソケット」は同時に入るのですか?
竹内氏: 同時に入れたいのですが、ちょっと難しいかもしれません……。でも頑張っています。
キム氏: まずは年末を目標にしていますが、どうしても間に合わない場合は武器ソケットを先に入れて生産が後になる可能性もあります。
編: 12月のアップデートでは他にどんなものが入るのですか?
竹内氏: 「クロノス」には今最強のボスが5体いるのですが、うち3体は既存マップで楽しめて、4体目が出現するクエストが12月に入ります。それと4体目のボスから入手できるレアアイテムです。それと既存ダンジョンの上位コンテンツである「ハードモード」を新たに2カ所のダンジョンに追加します。今は、かなり強い一部のプレーヤーしか遊べませんが、おそらく2次転生のプレーヤーならもっと気軽に遊べるようになると思います。
編: 高レベル向けの追加要素が目立ちますが、もっと下のレベル向けのものはないのですか?
竹内氏: 新規用のコンテンツは、全体の比重でみた場合「クロノス」はかなり多い部類に入ると思います。ただ並べ方が少しプレーヤーの目に付きにくい場所にあると思いますので、初心者向けに直近でやりたいのは新しいものの追加ではなくて適性化で全体的な流れを良くしたいと思っています。
■ 今後はデータベースやAIも見直して、より遊びやすいゲームに
「リニューアルに向けて、今はエンジンを選択している段階」とキム氏 |
編: 将来的にこんな風にしていきたいという目標を教えてください。
竹内氏: 今の段階でもまずは入れなくてはならないのはメインストーリーとメインクエストだと考えています。一本軸があって初めてサブが成り立つと思いますから。日本のプレーヤーはほぼコンシューマからゲームに入っていらっしゃる方だと思いますので、目標としてのストーリーがあった方が始めやすいと思います。ハックアンドスラッシュがメインの「クロノス」なのですけれども、もっと日本の客様向けにしていくつもりです。後はクラスバリエーションと見た目のバリエーションを、今のMMOに負けないくらいに頑張っていきたいと思います。
「クロノス」はシステム的にインスタンスダンジョンをずらして存在させることが難しい仕様になっているのです。データベース化されていない部分が問題なのですが、今後はそういったところをシステム化することでインスタンスダンジョンとか、1カ所のマップにいるけれど、ミラー方式でたくさんのプレーヤーに楽しんでいただけるようなMO方式のダンジョンを提供できるようになると思います。
編: 今はそれが難しいのですか?
竹内氏: プレーヤーが存在するゾーンがあったとしたら、ミラーを作るためにもう1ゾーン必要になるのです。構造がシンプルなぶん、そういう構造になっていないところが大きい問題になっていますのでシステムのアップグレードもやらなきゃと考えています。
編: ユーザーに見えない部分での改良が大きく入っていくわけですね?
キム氏: 見える部分では、ボスのAIが良くなります。今はボスの反応が他のゲームに比べて単純ですので、AIを変えてもっとモンスターらしい行動をするようにしていこうと思っています。
竹内氏: お客様はほかのMMOもいろいろ遊んでおられますので、どうしても比べられた時に「クロノスではこういうことはできないのか」、「こういうことがやりたいのに」となるのです。うちでも考えてはいるのですが、システム上どうしても改善できない部分がお客様の不満の大きな部分になっていますので、そういう部分をフォローできるようなシステムアップグレードにしたいと思っています。
編: 最後にユーザーへのメッセージをお願いします。
キム氏: 今まで「クロノス」で大きな問題だったのは、不具合が多くてその修正に時間がかかっていたり、修正ができないまま来ていた部分があったことです。プレーヤーの方々に迷惑がかかっていたと思います。ゲームオンスタジオになったことで不具合の修正をもっと早めに対応できるようになるのではないかと思います。日本の皆様が楽しめるようなゲームの企画をアップデートで入れていきたいです。
竹内氏: 今年の12月で正式サービスから7周年になります。かなりの長寿タイトルになりますが、それでもまだ遊んでくださっているお客様が多数存在しているのが、すごくありがたいです。楽しんでいただいているお客様を大事にしたいですし、それができる体制がようやく整ったと思っています。これからも楽しみにして、ご愛顧いただければと思います。
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(2010年 10月 15日)