アエリア、フランス産MMORPG「ドフス」先行体験レポート
3,000万人を魅了した不思議な感触のオンラインゲーム
ターン性のシミュレーションバトルで戦う戦略的なゲーム |
株式会社アエリアは、フランスのAnkamaが開発したオンラインアドベンチャーRPG「DOFUS(ドフス)」のオープンβテスト(OBT)を9月6日からスタートする。
「ドフス」は2004年のサービス開始以来、世界150カ国で3,000万人がプレイしているヨーロッパでは古参のオンラインゲーム。クライアントインストール型のオンラインゲームだが、Flashベースで開発されているためOSを選ばずに遊ぶことができる。画面は2D見降ろし型で、シンボルエンカウント式のシミュレーションバトルを採用している。
アエリアの担当者によると、Ankama Japanは当初自社での日本展開を模索していたらしいが、同社は日本での運営経験がなかったためノウハウのある会社に委託することになり、アエリアに声が掛けられたのだそうだ。
日本にもファンの多い本作の日本語版を、OBT前にプレイする機会を得た。シミュレーションバトルの醍醐味を味わえるダンジョンでの戦闘や、多彩な生産、クエストなど西洋のファンを虜にした多彩なコンテンツを紹介しよう。
なお、記事の最後にはGAME Watch読者限定アイテム「シゲカックス・メロン味」がもらえるキャンペーンサイトへの登録サイトを紹介しているのでぜひこの機会にプレイしてみてほしい。
■ 戦闘クラスは12種類。中には酔拳の使い手やバーサーカーも
キャラクター選択画面。服の色など5カ所の色をフルカラーのパレットから選択できる |
「ドフス」のキャラクターは12のクラスに分かれていて、それぞれが非常に個性的な名前や外見、スキルを持っている。
例えば「エカフリップのコイン」はギャンブラー戦士で、攻撃されるとHPが回復するかもしくは受けるダメージが倍増するといったギャンブル要素を持っている。今回筆者が試した「サディダのブーツ」は、イバラのツタで遠距離攻撃を行なったり、人形を召喚して攻撃や治癒を行なうというクラス。パンダに似た外見を持つ「パンダワのビールジョッキ」は酔うと強くなる酔拳の使い手だ。
そのキャラクターがどんな能力を持っているかについては、キャラクターのストーリーを見ればわかる。使用するスキルもすべて確認することができるので、どんな能力を使えるのかをじっくり考えつつ選びたい。
キャラクターはすべて男女から選択できる。容姿は固定だが、肌、髪の毛、上半身、下半身、パーツの5カ所の色をフルカラーのパレットを使って選択できる。色の組み合わせ次第では全身真っ黒なパンダや、ピンクのパンダも作ることが可能だ。
■ まずはチュートリアルで、独特な世界観に慣れよう
チュートリアルでは移動方法や戦闘の方法を学ぶことができる |
キャラクターメイキングが終わるとチュートリアルが始まる。このチュートリアルはスキップすることもできるが、一通りこなすと初期段階の装備が揃うので初めてのプレイなら受けておいた方がいい。このチュートリアルは日本語化する際に、最近のゲームの傾向に合わせてわかりやすく改良された。
例えば、始まってすぐのクエストで水を汲んで来てくれと頼まれるのだが、従来はどこへ行けば水があるのかなど一切説明がなかった。そこにヒントを追加するなどして、よりわかりやすく初心者が入りやすいようになっている。
本作ではクエストをくれる以外のNPCと会話をすると、会話の流れに応じて経験値が入る。会話には選択肢があり、正しい選択肢を選ぶと長く続いていく感じだ。筆者が体験したところによると、チュートリアルの会話では、より積極的で冒険者らしいロールプレイを意識した選択肢を選ぶといい感じに会話が続いていった。会話の結果によって受けられるクエストもあるようだ。
チュートリアルマップの全体図を開くと、背後にうっすらと別のマップが見える。実はチュートリアルマップは冒険の舞台となるワールドマップの上空に浮かぶ浮遊大陸なのだ。レベル15までは、上下のマップを自由に行き来することができる。
キャラクターの成長は、レベルアップごとにもらえるポイントをステータスやスキルに振って強化していくというものだが、チュートリアルマップではこのポイントを何度でも振り直すことができる。後ろでスキルの紹介もするが、本作ではステータスがスキルの性能にかなり重要な意味を持っているのでレベル15まではいろいろな振り方を試してみるのがよさそうだ。
チュートリアルの戦闘では、カカシや弱い敵を相手に、攻撃の仕方を丁寧に教えてくれる。ここで初期の武器や装備を入手することができる | ||
チュートリアルのクエストは、日本語化にあたって分かりにくかった部分が、よりユーザーフレンドリーなものへと改良された |
■ 戦闘はシンボルエンカウントのシミュレーションバトル
最初のインスタンスダンジョンに出てくるボスモンスターのパーティー。最初に立ちふさがる難関となる |
「ドフス」の戦闘はシンボルエンカウントで発生するターン制のシミュレーションだ。戦闘が始まると、それまでいたフィールドと同じ場所が、戦闘用のインスタンスになる。後はシミュレーションゲームをしたことがあれば難しくはない。
移動は1マス進むためにMP(ムーブメントポイント)を1ポイント消費する。攻撃はAP(アクションポイント)というポイントを消費するが、スキルごとに必要なAPが決まっており、1ターンの中でAPの上限までは何度でも攻撃を仕掛けることができる。向きの概念はない。
戦闘を左右するのが、隣接すると発生する足止めという要素だ。足止めされると数ターンの間移動不可になる。動かれると困るキャラクターを上手く足止めしたり、盾役のプレーヤーが痛い敵を固定するのにも役に立つ。この要素を上手く使えるかどうかで、対人戦ではかなり戦績が変わってくるのではないだろうか?
チュートリアルには「インカルナム・ダンジョン」という3人パーティー用のダンジョンがある。次々と強敵が現われるダンジョンでのNPCとのバトルは本作の魅力の1つ。狭いダンジョン内では、フィールドよりもより戦術的な動きが求められる。「サディダのブーツ」が呼び出すことができる召喚人形や、「スーラム」の罠、分身などを駆使すれば人数以上の効果的な戦いができる。クラスごとの個性が戦闘の中に生きてくるのは、シミュレーションならではの楽しみだろう。
もし敵に倒されてしまい、体力が0になるとその戦闘からは離脱する。もし味方が生きていればそのまま元に戻れるが、1人だと登録した拠点に飛んで復活することになる。体力が0になるたびに、エネルギーポイントというステータスが少し減る。エネルギーポイントがなくなると、移動以外何もできない幽霊状態になってしまう。こうなってしまうとフィールド上になる「不死鳥」のところまで行って復活しないかぎりは、ゾンビっぽい姿のままうろつかなくてはならない。
エネルギーポイントは宿屋で待機すれば少しずつ増えていく。ログアウトの間にも復活する。また、アイテムを使って増やすこともできる。
本作には対人戦やRvRのコンテンツもある。世界は2つの勢力に分かれていて、そのどちらかに所属して、もう一方の勢力と拠点を奪い合う「侵略戦」を戦うことができる。またPKもできるのだが、かなり厳しいペナルティがあるので覚悟が必要だ。PKをすると「不名誉ポイント」が貯まっていき、最後には街の施設が全く使用できなくなってしまうのだ。
不名誉ポイントはクエストをクリアするなど、名誉ある行動を寄ることで回復していく。リスクを提示したうえで、様々な自由を保障するのはいかにもヨーロッパのゲームらしい作りだ。
味方のプレーヤーがキャラクターを配置し終わったら戦闘が始まる。ターンの回ってくる順番は右下のキャラクターアイコンで確認することができる | ||
戦闘に勝つと、レベルに応じて経験値が入る。右側の枠にはその戦闘内で入手したアイテムが自動的に振り分けられる。レベルはかなり上がりやすい |
■ ステータスと属性、スキルの性能が絡み合った奥深い成長システム
武器や装備には、ステータスの必要値が設定されているものもある |
本作はキャラクターの成長システムにも独自性がある。レベルが上がると5ポイントずつ入手できるステータスポイントを各ステータスに振っていくというところまでは良く見かけるパターンだが、「ドフス」はさらに奥が深い。ステータスはHPに関連づいた「体力」、取得経験値に関わる「精神」のほか、「力」、「知性」、「運」、「素早さ」といった基本的なものばかりだが、このステータスに属性とスキルがひもづいている。「力」=「土」、「知性」=「火」、「運」=「水」、「素早さ」=「風」といった形だ。
また使えるスキルもこの4つの属性と、無属性の5つに分類されている。だから例えば良く使うスキルが「火」属性なら「知性」を上げるとスキルの威力やかかり具合が変わってくるわけだ。
キャラクターにはもう1つ、遊び要素として「しぐさ」を増やしていくという成長要素がある。キャラクターの仕草は、最初は「座る」しかないが、マップにある「しぐさ」というクエストで増やすことができる。一部を見せてもらったが、2Dで描かれたキャラクターにしては非常に豊かなバリエーションがあり、しかもアニメーションでよく動く。中には自分がトロフィーを掲げて、周囲の人に拍手してもらうといった、他人を巻き込む「しぐさ」もある。
レベルアップで獲得できるステータスポイントで、ステータスを育てていく | 横に同じアイコンが付いている属性は、そのアイコンに該当するステータスの影響を受ける | スキルはランクを上げることで強化できる。スキルアイコンの色は、それぞれのステータスに対応している |
■ 22もある生産職。リアルな工程が職人気分を盛り上げる
「漁師」は釣りで魚を集めることができる。採集のアニメーションはかなり細かい |
生産の豊富さは魅力的だ。「ドフス」はNPCの販売が少なくゲーム内の物流や経済はプレーヤーに委ねられている。生産にかかわる職はなんと22もあり、「素材収集」、「アイテム製作」、「装備製作」、「特殊製作」の4系統に分かれている。1人のプレーヤーはそのうち3つを覚えることができる。
チュートリアルでは「木こり」、「漁師」、「農夫」、「錬金術師」のいずれかを覚えることができる。前の3つは素材収集職で、「錬金術師」は集めた素材からポーションを作るところまでをこなす「特殊製作」に分類される。素材を集めるにはそのための道具がいるが、チュートリアルでは無料でくれる。
筆者は「漁師」を選んでみた。釣竿をくれるので、それを装備して水辺で釣り針のマークがある場所を探してクリックすると後は自動的に釣りを始める。集めた魚はそのままでは売れないので、生産材料に加工しなければならない。そのために必要なのが「作業場」で魚の場合は作業場ではらわたを抜いて食材にする。加工はレベルが低いうちは失敗しやすく、失敗すると素材はなくなってしまう。
チュートリアルマップでは全生産職の作業場が宿屋の横に集まっているが、ワールドマップでは街の施設として点在している。ただ材料を採取するだけではなく、生産素材に加工して出荷するというプロセスが、とてもリアルで新鮮だ。作った品物はバザーとオークションで販売できる。
ちなみに、生産用の道具は武器の場所に装備して使うのだが、これら生産道具でも敵を攻撃することができる。釣竿は周囲3マス程度のレンジを持つ近接攻撃を繰り出せる。ちゃんと専用の攻撃モーションもある。うっかり道具を持ったまま戦闘に突入しても、それなりに戦えるのは面白い。
「農夫」 | 「木こり」 | 「錬金術師」 |
チュートリアルマップの宿屋横にある作業場 | 「錬金術師」は唯一、採集と生産を両方こなすことができる | 成功すると、ポーションが完成する |
■ キャラクターを助けてくれるペットやマウント。将来はハウジングも
1度所属した同盟は後から変えられないので、入る時はよく考えてから |
キャラクター成長、戦闘、生産という基本的な要素を駆け足で紹介してきたが、本作にはほかにもペットやマウントもある。ペットは戦闘ユニットではなく、キャラクターと共に行動してステータスを強化してくれる存在だ。成長要素があり、成長のさせ方で強化できる成長要素が変化する。
サービスが始まってからすでに数年がたっているので、その間に大きなアップデートが数回行なわれている。日本でOBTが始まるクライアントは、そのアップデートで追加された内容を含んだものになる。今後入る要素としては「ハウジング」に注目したい。「ハウジング」には個人の家とギルドハウスがあるらしい。
Flashで動くゲームと聞いて、ソーシャルゲームのようにカジュアルなものを想像するかもしれないが、「ドフス」は大作MMORPGにも引けを取らない豊富なコンテンツと深いゲーム性、そして細かい演出の妙を楽しめるゲームだ。今回はほんの短い時間プレイをしただけだが、それでも十分に面白さは伝わってきた。ぜひ自分の手で、この名作を体験してみて欲しい。
ペットのアートワーク |
■ 「ドフス」をプレイした方全員にGAME Watch限定アイテムをプレゼント!
「シゲカックス・メロン味」 |
下記のURLから「ドフス」に登録した方に、戦闘を有利にできるアイテム「シゲカックス・メロン味」をプレゼント。
アイテムを使うと、その後5回分の攻撃で、スキルを使うために必要なAPの上限が1増加する。APが少ない序盤には絶大な効果を発揮しそうだ。
http://www.aeriagames.jp/skip/dfs?cckp=17
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□アエリアのホームページ
http://www.aeriagames.jp/
□「ドフス-12の世界-」のホームページ
http://dofus.aeriagames.jp/
(2010年 9月 3日)