ゲームオン、WIN「Lime Odyssey」制作発表会開催
「『RO』より新しい発想の『LO』をお届けしたい」
ゲームオン取締役オンライン事業本部長の萩原和之氏 |
SIRIUS Entertainment代表取締役社長のファン・ビョンチャン氏 |
株式会社ゲームオンは6月23日、Windows用MMORPG「Lime Odyssey(ライムオデッセイ)」の制作発表会を開催した。
「Lime Odyssey」は、韓国SIRIUS Entertainmentが開発しているMMORPG。3月にゲームオンが日本国内におけるライセンス契約を締結したと発表しているタイトルで、2011年のサービス開始を予定している。
発表会ではまず、ゲームオン取締役オンライン事業本部長の萩原和之氏が挨拶し、「SIRIUS Entertainmentの方々がゲームを作っていく姿勢や、ゲームのコンセプトに感銘と刺激を受けた。このタイトルであれば、我々が思い描くカルチャライゼーションが実現できると確信している。みなさんの要望をなるべく多く取り入れていく形で、これからの運営を考えている」と述べた。
次にSIRIUS Entertainment代表取締役社長のファン・ビョンチャン氏が登壇し、ゲームの説明を行なった。まずSIRIUS Entertainmentは2006年に設立された開発会社で、「ラグナロクオンライン」の開発に携わったスタッフが多数在籍している。ファン氏は本作を手がけるにあたり、「『アークトゥルス』や『ラグナロクオンライン』を作りながら、我々は何に自信があるのか考えた。その結果、明るくかわいらしい世界観をコンセプトにしたゲームを再構成することにした」というきっかけを説明した。
またファン氏は本作について数点の特徴を挙げた。まず『ラグナロクオンライン』では2Dだったキャラクターグラフィックスをやめ、3Dで表情や躍動感を再現。またローディングが頻繁に発生しないよう、シームレスなフィールドをデザイン。そして戦闘職と生活職の切り替えができ、幅のあるゲームプレイを実現する。ファン氏は「『RO(ラグナロクオンライン)』ではなく、より新しい発想の『LO(Lime Odyssey)』をお届けしたい」と述べた。
ゲームのメインコンセプトは「生活」だという。「RPGなので抵抗勢力と戦い冒険を進めていくこともあるが、それだけのオンラインゲームが多いと感じていた。『Lime Odyssey』では、フィールドにあるさまざまなものを採集したり、農場で生産したりして物を作り出せる。そして他の人と取引して入手した武器や防具で戦闘に臨める。戦闘よりも農場などでの生産を主とするプレーヤーも出てくるかもしれない」という。
これを支えるシステムが、前述の戦闘職と生産職を切り替えられる「チェンジシステム」だ。1つのキャラクターが、生産職と戦闘職の2つを切り替えて使えるというもので、戦闘か生産のいずれかに特化したり、バランス型にしたりという調整をプレーヤーができる。これによって個性的なキャラクターを作れるのが魅力だという。現時点では、戦闘職はファイター、ヒーラー、シーフ、ウィザード。生産職はシェフ、茶人、鍛冶屋、裁縫師。職業は今後も増えていくという。
また開発においては、2人の日本人アーティストを起用している。まず音楽は、「クロノ・トリガー」や「ゼノギアス」で知られる光田康典氏。イラストは「虫姫さま ふたり」、「英雄伝説 空の軌跡 the 3rd」などを手がけたHACCAN氏が担当している。
サービススケジュールは、2011年サービス開始予定としており、クローズドβテストなどのスケジュールは未定としている。ビジネスモデルは基本プレイ無料のアイテム課金モデルを検討しているが、こちらもまだ確定はしていないとした。今後の情報については、23日16時から公開された公式ブログで順次発表するとしている。
本日の発表会に合わせて、光田康典氏とHACCAN氏からコメントが寄せられているので、合わせて紹介しておこう。
■ 光田康典氏のコメント
2007年、シリウス・エンタテイメントから「LIME」という開発名のMMORPGを制作しているのだが、その音楽を是非手がけて欲しい、という旨の熱いメールが届きました。それまで僕はコンシューマ機で数々のRPGの音楽を制作してきましたが、MMORPGは初めてでしたし、これほど大規模な作品に携わるという事も初めてでしたので、最初は不安でした。
ともあれ、1度内容を聞いてみないことにはわからないと思い、早急に韓国へ飛んだのが同年の5月の事です。そこで見せてもらったゲーム画面が僕自身のとても好きな世界観で、画面を見ているだけで壮大な音楽が頭の中で鳴り響いていました。この時すでに、ヨーロッパのオーケストラを使って、この世界観を表現してみたいと思っていました。
現代のクラシックになり得るものを作りたい、そういう思いで作曲していきました。個人的にはオープニングテーマはとても気に入っていますし、「Lime Odyssey」の世界をうまく表現できたのではないかと自負しております。
「Lime Odyssey」は音楽と同様にとても壮大なMMORPGとなっていて僕も日本でプレイできることを楽しみにしています。是非、みなさんも「Lime Odyssey」の世界を堪能してもらえたらと思います。
■ HACCAN氏のコメント
シリウスさんからいただいた最初のコンタクトは、謎の文字化けメールでした。その後も、たびたび文字化けしたメールが送られてきて、「これは何だろう……?」と不思議に思っていたのですが、2カ月ほど経ったある日、初めて読める状態のメールが送られてきました。その時初めてゲームの、しかも海外の作品のイラスト製作依頼だと知ったんです。僕が国外から注目していただいていたこと、そしてなにより、粘り強く連絡を下さったことがとても嬉しくて、「是非よろしくお願いします!」ということでお受けすることになりました。
イラストを書き起こすにあたり、開発中のスクリーンショットを拝見しました。やわらかな色彩溢れる世界観が「Lime Odyssey」の魅力だなと感じたので、一目でその印象が伝えられるようなイラストにしようと思いながら描いています。資料で送られてきた衣装デザイン、パーツや装飾が日本で見かける物とは違ったカッコよさ・面白さがあり、いったいどのキャラクターを登場させようかとても悩みました。
ちなみに、ゲーム内の「Lime Odyssey」は遠くの風景がピンク色に霞んで見えるなど、独特な表現がされているので、イラストでも影になる部分に明るめの色を入れ、ちょっと複雑な塗り方で描いているんですよ。豊かな色彩に彩られた広大なフィールドや街並みを、光田さんのドラマチックな音楽に包まれて冒険できる「Lime Odyssey」の世界、皆さん是非ご期待ください!
会場で公開されたHACCAN氏によるイラスト。色の塗り方をゲームのグラフィックスに合わせているそうだ |
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(2010年 6月 23日)