Electronic Entertainment Expo 2010現地レポート

 

カプコンブースのアクション2タイトルをプレイレポート

PS3/Xbox 360「MARVEL VS. CAPCOM 3」、DS「大神伝 ~小さき太陽~」


6月15~17日(現地時間) 開催

会場:Los Angeles Convention Center



 カプコンは今年のE3に合わせて、プレイステーション 3/Xbox 360用対戦格闘「MARVEL VS. CAPCOM 3 Fate of Two Worlds」を発表した。元々北米で非常に人気が高いシリーズで、続編を望む声が常に上がっていたが、それにようやく応えた形だ。来場者の反応もよく、試遊台は常に多くの観客に囲まれていた。

 ほかのタイトルも注目作が揃っている。ニンテンドーDS用アクションアドベンチャー「大神伝 ~小さき太陽~」は、こちらも特に海外での評価が高い「大神」の続編で、既に英語版が動いていた。本稿ではこの2タイトルのプレイレポートをお届けする。

 なお、同社の今回の目玉タイトルである「デッドライジング2」については、既にこちらの記事でお伝えしているので、あわせてご覧いただきたい。




■ 「MARVEL VS. CAPCOM 3 Fate of Two Worlds」

 マーヴルとカプコンのキャラクターが競演する対戦格闘「MARVEL VS. CAPCOM」シリーズの最新作。前作「MARVEL VS. CAPCOM 2」はアーケードで2000年に登場しており、2011年春発売予定となっていることから、11年ぶりのシリーズ新作登場となる。

 ゲームは前作と同様、3対3でキャラクターを入れ替えながら対戦する。味方の援護攻撃を呼ぶヴァリアブルアタックも健在で、一見すると大きく変化していない。しかじ実際に触ってみると、攻撃ボタンが3つになり、代わりに「Air Combo Button」が追加されている。これはいわゆるエリアルレイヴの始動技を出せる専用のボタンになっている。

 さらにこのボタンを使って、交代してすぐのキャラクターが空中コンボを繰り出す「Team Aerial Combo」と、それを逆転反撃する「Team Aerial Counter」という新要素が追加された。もともと味方の援護要素によって駆け引きの多いシリーズだったが、本作でもさらに新しい駆け引きを生む戦術が増えたことになる。

 ゲームそのものの変化以外に目を向けると、やはりグラフィックスの進化に驚かされる。3Dキャラクターを2Dのように見せる手法は「ストリートファイターIV」でもとられていたが、本作はそれとは違うアメコミっぽい陰影表現で、写真だけで見ていると元々2Dで描かれたのかと思ってしまうほどよくできている。シリーズの伝統である画面全体を埋め尽くすような極太ビームは、本作ではより派手に輝いて迫力を増している。

 キャラクターはまだ少ない状態だったが、「デビル メイ クライ」のダンテと、マーヴルのデッドプールという新キャラクターの姿も見られた。まだまだ空きスロットは多数あり、前作にも負けない数のキャラクターが登場すると思われる。


本シリーズの特徴である派手なアクションは、本作でさらに磨きがかかっている。新キャラクターを試す人も多く、特にダンテは対戦時に取り合いになるほどの人気だった



■ DSでイメージががらりと変わった「大神伝 ~小さき太陽~」

 DS用「大神伝 ~小さき太陽~」は、プレイステーション 2/Wiiで発売されている「大神」の続編。日本では2010年発売予定。

 本作の主人公は、「チビテラス」という白狼。前作の主人公である「アマテラス」は狼の凛々しさが前面に出ていたが、「チビテラス」は名前のとおり小さくデフォルメされた印象。さらに同じくらいの大きさの少年「クニヌシ」を相棒として背に乗せて動き回るので、DSの画面の小ささとあいまって、「アマテラス」とはまるで違う可愛らしいキャラクターになっている。

 可愛いといっても、ゲームはなかなか骨太だ。シリーズの特徴である、筆を使ったアクション「筆しらべ」は、今回はタッチスクリーンを使って描ける。Lボタンを押すと上画面が下にスライドしてくるので、その画面に筆をいれてやるだけでいい。

 「筆しらべ」では、枯れた木を囲むように丸を描くことで花を咲かせたり、進路をふさぐ邪魔な岩に横線を描いて断ち切り、進めるようにしたりできる。さらにボス戦では、ボスの弱点が見えた瞬間に筆で線や丸を描かないと倒せないものもいた。

 序盤だったこともあってか、アクションはそれほど難しくなかったが、「筆しらべ」による謎解き要素は前述のボス戦を含めてあちこちに用意されており、アドベンチャーゲーム的な要素が強まっていると感じた。タッチスクリーンを持つDSとはもともと親和性の高いゲームだが、内容的にもDSにフォーカスしたチューニングがなされているようだ。


しばらく操作しないでおくと、退屈になった「クニヌシ」が「チビテラス」の頭に乗っかったりと、デコボココンビのやりとりが面白くて可愛い。ゲームは骨太な謎解き要素が多く、アクションではあるがじっくり遊びたい人にこそオススメしたい

(2010年 6月 18日)

[Reported by 石田賀津男]