Electronic Entertainment Expo 2010現地レポート
Xbox 360 E310 Media Briefing「Kinect」プレイデモ
ペットやレースなどファーストパーティタイトル4本を紹介
「Kinect」Creative DirectorのKudo Tsunoda氏 |
米Microsoftは6月14日(現地時間)、米国ロサンゼルスで開催した「Xbox 360 E310 Media Briefing」において、Xbox 360用コントローラー「Kinect」対応タイトルの実演デモを実施した。
「Kinect」はこれまで「Project Natal」と呼ばれていた、カメラとマイクを使ったコントローラーで、北米では11月4日に発売が予定されている(日本では未定)。全てのXbox 360でも利用可能だが、インストールには175MB以上の外部メモリが必要。「Xbox 360 アーケード」のユーザーは注意が必要だ。
「Kinect」はゲーム操作だけでなく、Xbox 360のメニュー操作も可能。手のひらを画面のほうにかざすと画面上に手のマークが出るので、そのまま手を動かしてマークを操作。選びたいメニューの上ないしはアイコンの上で一定時間手を止めると、そのメニューを選択したと認識される。また手を横に払うように動かすと、メニューをスクロールさせることもできる。
さらに動画再生のデモでは、「Xbox Pause」と言うと一時停止、「Xbox Play」と言うと再生したり、ビデオチャットで「Xbox End Chat」というとチャットを終了したりと、音声認識による操作も実現している。
本稿では、イベント内で行なわれた「Kinect」のデモの中から、Microsoftが発売するファーストパーティータイトルを4本紹介する。いずれも日本で発売される予定だが、現状では「Kinect」の発売日が未定であるため、ソフトの発売日も全て未定となっている。
■ Kinect Animals
トラやヤマネコ、ライオンなどネコ科の動物と触れ合えるペットコミュニケーションゲーム。開発はFrontier Studio。会場では小さな女の子がステージに登場し、「Kinect」に両手を向けて動かして、画面に映し出されたトラの子供をなでてみせた。さらに女の子がジャンプしたり仰向けに寝転がったりすると、ペットもそれを真似て同じ動きをしていた。この動きの指示には音声入力が使われているという。
続いて女の子が「Kinect」から見えない位置に隠れると、ペットが画面のほうに寄ってきて、不安げな様子でこちらを覗き込むようにして探しに来た。女の子が再び元の場所に戻ると、ペットも引いて元の位置に戻っていった。
最後は縄跳び。女の子がなわとびの一端を持つようにして腕を動かすと、それにあわせて縄が周り、それに合わせてペットがジャンプ。時々失敗して縄にかかったりもしていたが、うまくジャンプできると時間が止まり、ジャンプ中のペットをカメラがぐるりと1周するといった演出も見られた。
今のところは「Kinect」を使って直感的にコミュニケーションを取れるソフトといった感じのもの。ただグラフィックスが精細で、ペットがリアルなのはもちろん、細かな感情を表情で表現している(人間的に誇張された表現ではあるが)のが特徴的だ。
動物と直感的に触れ合えるコミュニケーションソフト。縄跳びなどの道具を使ったり、声で指示したりといった要素もある |
■ Kinect Sports
2つ目は、Rare開発のスポーツゲーム「Kinect SPORTS」。まずゲームを始める前にスタジアムの様子が映し出され、プレーヤーが手を大きく上げると、多数の観客が立ち上がって大声で沸くというユニークなデモから始めた。
競技では、2人でのハードル走をデモプレイした。2人のプレーヤーが並ぶと画面が左右に2分割され、それぞれのキャラクターが表示された。スタートの合図までは動きを止め、スタートしたらその場で駆け足すると、それに応じてキャラクターも走る。ハードルが近づいたらジャンプして乗り越える。前方に走るのではなくその場で駆け足という点を除けば、プレイ方法は見たままなので、説明不要のシンプルなゲームだ。
他のゲームモードの映像も流され、ボウリング、槍投げ、走り幅跳び、卓球、ボクシング、ビーチバレーも収録されているようだ。ビーチバレーで手を伸ばす場所が光点で示されるなど特殊なものもあるが、基本的に本物のスポーツに近い動作で遊べるのが特徴といえるだろう。
色々なスポーツを1本のパッケージにまとめたソフト。元の競技に近い動きでゲームをプレイできる、「Kinect」の入門編といえそうな1本だ |
■ Kinect Joy Ride
「Kinect」で車を操作するレースゲーム。開発はBig Park。基本操作は、両手でハンドルを握ったつもりで、両手を動かすだけで運転できる。両手を前に突き出すと、車が急加速するという特殊操作もある。
基本的にはシンプルな操作のレースながら、途中で大きく空中にジャンプする場所がある。ここでプレーヤーがお辞儀をするように体を前に傾けると、車が前方に回転して「スタント」を決められる。他にもプレーヤーが体を1回転させると、車もスピンするように回転して別のスタントになった。こういったスタントの動きを楽しみつつレースするゲームのようだ。
「Kinect」で仮想のハンドルを操作するレースゲーム。空中で車を回転させる「スタント」の要素もあり、レースながら意外と全身を使うゲームになっている |
■ Kinect Adventures
自然の中でさまざまなシーンに挑戦するアクションゲーム。最初のデモは「JUMP FOR SPEED」というゲームモードで、自動で進んでいく板に乗って、前方から現われる丸いマークを拾っていくというもの。マークはいろいろな高さに出るので、的確に手足を伸ばして触れていく。ただしマーク以外に障害物も出てくるので、そちらはマークとは逆に体をかがめたりジャンプしたりして避ける必要がある。またデモプレイの途中で新しいプレーヤーが「Kinect」の範囲に入ると、画面が分割されて対戦プレイがスタートした。
続いて「急流すべり」のデモが行なわれた。こちらはボートを操作するゲームで、左右に移動したてコースを変えながら進む。こちらもコース上にマークが落ちているので、うまく拾いながら進んでいく。コースは水上だけでなく地上や雲の上まであり、ジャンプして別のコースへと移る要素もある。一般的にイメージする「急流すべり」よりもかなり派手なライドアトラクションになっている。
ゲーム中には「Kinect」がプレーヤーの写真を撮影しており、遊園地のジェットコースターなどのアトラクションのようにプレイ後に写真が表示される。さらに写真をFacebookに送信する連携機能も用意されている。
マークに手足を伸ばしつつ、障害物を避けて進む「JUMP FOR SPEED」と、ジャンプを使いながら急流以外の場所も進んでいく「急流すべり」のデモが行なわれた |
(2010年 6月 15日)