So-net、2009年度連結業績・中期経営計画説明会を実施
オンラインゲーム事業を中核へ位置づけ。4本の自社IPタイトルを提供
左から、So-net代表取締役社長の吉田憲一郎氏、同社取締役 執行役員専務の十時裕樹氏、同社取締役 執行役員専務の会田容弘氏、ゲームポット代表取締役社長の植田修平氏 |
So-netが掲げる「ネットワーク×エンタテインメントの追求」のビジョンは今後も継続される |
事業セグメントを再定義し、ネットワーク事業とメディア・エンタテインメント事業という形に分けられた |
ソネットエンタテインメント株式会社(So-net)は5月11日、2009年度連結業績・中期経営計画説明会を実施した。同社の事業はインターネット接続サービスが中核だが、子会社には株式会社ゲームポットやモーションポートレート株式会社があり、オンラインゲームを始めとしたコンテンツ事業も手がけている。
So-netの2009年度連結業績売上高は前年度14.1%増の756億5,300万円、営業利益は11.9%増の66億2,600万円、当期純利益は投資有価証券売却等により48.5%増の31億8,900万円となっている。ゲーム関連事業が含まれるポータル事業では、売上高が13.3%増、営業利益が10.1%増で、ゲームポットも増収増益となっている。
So-net代表取締役社長の吉田憲一郎氏は、2007年度からの3カ年を第1次中期経営計画として、その経過を説明。ネットワークに繋がる環境と繋がった後の楽しみを提供する「ネットワーク×エンタテインメント」におけるリーディングカンパニーを目指す「ネットワーク×エンタテインメントの追求」をビジョンとして掲げたが、エンターテイメント部分については「オンラインゲームへの注力を除いて、想定した成果は出ていない。女性向けやCGM、画像共有サイトは撤退の判断をしている。集中と選択はやりきったと考えている」と述べた。ゲームポットについては、「増収増益にはなったが、当初の見通しには達していない状況。ただ競争が激しい中で一定の成果は上げられたのではないか」と評価した。
この結果を受けて同社は、2010年度からの第2次中期経営計画においては、事業セグメントをインターネット接続サービスを中心としたネットワーク事業と、オンラインゲームを中核事業としたメディア・エンタテインメント事業の2つに再定義する。
オンラインゲームについては、海外市場、ソーシャルゲーム、モバイルMMO(多人数同時参加型のオンラインゲーム)の3つをテーマにしている。まずオンラインゲームの海外市場について市場規模のデータを示しながら、「日本より海外のほうが大きく、特にロシアと東南アジアが伸びてきている。海外展開を進め、売上高成長率30%以上を確保し、オンラインゲームのグローバルプレーヤーを目指す」とした。
吉田氏は「ビジネスを安定的に成長させていくには、海外展開を含めて考えると、自社IPタイトルが重要になると考えている」とし、今年度は4本の自社IPによる新規オンラインゲームタイトルを立ち上げるとした。タイトルは、「PostPet typeM」、「Wizardry Online」、「タイトル未定(MMO+FPS)」、「タイトル未定(大型アクション)」で、いずれも提供時期やゲームの詳細な内容は明らかにされていない。またライセンスタイトルの提供も継続し、韓国Ntreev Softの「Project Alice」、韓国ESTsoftの「Howling Sword」を新たに国内で展開する。
モバイルゲームについては、オンラインゲームとして「Wizardry Online Mobile」、「ソーサリーサーガ」の2本を展開している。またソーシャルゲームにおいても、「モバゲータウン」にて「忍者スピリッツ」を提供している。
吉田氏はゲーム関連事業について、「これまではPCのライセンスタイトルが事業の中心だったが、今後は自社IPとその先の海外展開、モバイルの領域を強化していくことで、オンラインゲーム市場での成長を実現させたい」とした。
オンラインゲーム市場規模は、日本よりも海外のほうが大きく、より伸びている地域もある | 売上高成長率30%以上を目標に、自社IPでの海外展開を進める |
(2010年 5月 11日)