ゲームポット、「ペーパーマン最強決定戦」開催

新キャラクター追加などアップデート計画も発表


5月2日 開催

会場:ベルサール秋葉原



会場のベルサール秋葉原には朝から行列ができた
会場内も観戦者でびっしり埋まった

 ゴールデンウィークに合わせて11日間連続で開催されている、株式会社サードウェーブ主催のPCゲームイベント「秋葉原PCゲームフェスタ」。5月2日は、株式会社ゲームポットのFPS「ペーパーマン」のゲーム大会「ペーパーマン最強決定戦 in ベルサール秋葉原」が開催された。

 大会は、事前応募で選ばれた14チームによる5対5のチーム戦と、当日参加者からの抽選で選ばれた個人戦の2つで争われた。当日参加に予約は不要で、開場の朝10時ごろには300人近い人が列を作り、最終的には約1,000人が来場した。かなり広々とした会場だったが、常時立ち見が出るほど盛況なイベントとなった。

 また本イベント内で、「ペーパーマン」の今後のアップデート計画も発表された。その内容も本稿で合わせてお伝えする。




■ ダークホースが大活躍した「ペーパーマン最強決定戦」

対戦用のPCは計20台用意され、5対5のチーム戦を2試合同時に進行。試合中の画面はスクリーンだけでなく、各プレーヤーの前に置かれた観戦用モニタでも確認できた
実況はゲームポットの加賀直柔氏(左)と「ぬるぽちゃん」さん(右)
「ミリィ」の声優を務める長谷川明子さん(左)と、「テリシア」の声を担当する中村繪里子さん(右)も会場に駆けつけ、キャラクターの声で出場選手にエールを送った

 まずはイベントの目玉となるチーム戦からお伝えする。対戦モードは爆破ミッションで、マップは「紛争地区」、「ピラミッド」、「ロボット工場」の3つから抽選で選択。先攻・後攻も抽選で決められた。試合は3セット先取(準決勝以降は5セット先取)で進められた。

 午前中から行なわれた予選で、準決勝に出場する4チームに絞り込まれた。準決勝は、優勝候補と目された「Replica」対「ふれんちきす」、「わが町GINIA」対「おろしとんかつポン酢」という組み合わせとなった。

 「Replica」対「ふれんちきす」の試合は、オンラインでも何度も対戦し、互いに「因縁の対決」というカードになった。ところが試合では、予選では下馬評どおりの圧倒的な強さを見せ付けた「Replica」が、「ふれんちきす」にいきなり4セット連続で奪われ後がなくなってしまった。「Replica」も粘りを見せて2セット取り返したものの、反撃及ばず「ふれんちきす」が勝利した。

 「わが町GINIA」対「おろしとんかつポン酢」の試合は、「わが町GINIA」が5対1で勝利。「Replica」対「ふれんちきす」の試合と同時進行だったため、3対1の様子までは追えていたのだが、その後はあっという間に試合を終わらせ、「わが町GINIA」が決勝に進んだ。

 「ふれんちきす」対「わが町GINIA」の試合は、こちらも互いに「決勝戦で会おう」と話をしていたそうで、有言実行となった組み合わせ。マップは「ロボット工場」が選ばれたが、くじでマップを引いた「わが町GINIA」のリーダーは、嫌いなマップだったのか顔をしかめていた。

 それが影響したのか、「ふれんちきす」は決勝戦でも4セット連取し、一気に優勝にリーチをかけた。「ふれんちきす」は一時的に人数で劣る場面は見られたのだが、そういった場面でも仕切りなおすことなくそのまま攻め続け、相手に倍返しするような勢いのある攻めを見せた。

 ところが「ふれんちきす」はここで慎重になったのか、決勝戦でも失速。出会い頭での撃ち合いやスナイパーの1発で「わが町GINIA」に数的有利を許し、そのまま挽回できずに負けるという試合が3セット続いてしまった。これは逆転もあるかと思われた展開だったが、8セット目で「ふれんちきす」がようやく優勢に立ち、優勝を決めた。


序盤は相手を圧倒するものの、あと1セットというところから伸び悩んだ「ふれんちきす」。それでも最後はきちんと締め、優勝を手にした



“マイトラックボール”を持ち込んだ岡崎さん。FPSをトラックボールでプレイする人も珍しい
過去のイベントで「ペーパーマン」の指南役を務めたSion氏が再登場

 個人戦には、抽選で選ばれた計32人が出場した。マップは「古城」、10分50キルという設定で16人対戦を行ない、各回上位7名が決勝に進出した。個人戦ではマウスなどのデバイスの持ち込みは禁止されていたため、全員が同じ環境でプレイすることになった。予選ではチーム戦に出場している「わが町GINIA」のクランメンバー「hirock」選手が46キルという圧倒的なスコアを見せて勝ち進んだ。

 決勝戦では、予選で注目選手と挙げられながらスコアは振るわなかった「238」選手が、決勝ではデバイスの調整を間に合わせて調子を取り戻し、1歩リード。「hirock」選手とのデッドヒートとなったが、直接撃ち合った場面で「238」選手が「hirock」選手を撃退し、結果的に35キルで「238」選手が優勝。「hirock」選手は32キルで2位となり、「わが町GINIA」は個人・チームとも2位という結果に終わった。

 またこの決勝戦には、「ドッドン」役の声優を務める岡崎雅紘さんと、「ペーパーマン」の初期に開催されたイベントで華麗なプレイを披露したFPSプレーヤーのSion氏が参加。岡崎さんは「ペーパーマン」のプレイ経験はあるものの「『ドッドン』は使ったことがない」そうで、初の「ドッドン」で対戦しながら実況するという過酷な環境に。しかし特別に認められた個人所有のトラックボールを使用し、時折キルを奪う場面も見せて会場を盛り上げた。

 Sion氏のほうは最近は休眠状態だったそうで、思いのほかスコアは振るわなかったものの、乱戦に飛び込むタイミングや出会い頭の撃ち合いなどで、ベテランFPSプレーヤーならではの立ち回りを見せた。試合後は、「プレーヤーのレベルが上がっているのを感じた」と参加者を賞賛していた。


岡崎さんが「ドッドン」で会場を沸かせた個人戦。トップを争う2人の明暗を分けたのは直接対決での勝敗だったようだ



■ 新キャラクターは8月! アップデート計画を発表

「ペーパーマン」プロデューサーの朝倉脩登氏

 今後のアップデート計画は、「ペーパーマン」プロデューサーの朝倉脩登氏より発表された。

 まずスキルとアバターの分離を今夏実装予定としている。過去に2回行なったスキル分離に関するアンケートでは、スキル合成がわかりにくいというのが課題になっていた。物としては既に実装できる状態にあるそうだが、「今実装してもご満足いただけないだろうと思い、企画会議を繰り返している」という。

 次にトーナメントとランキングシステムの実装で、こちらは6月末から7月に実装予定。クラン対戦をシステム化したもので、開発中の画面ではトーナメント表も確認できた。またこれに合わせて、ユーザーのプレイデータやランキングを出せるよう調整を行なっているという。順番的にはトーナメントが先にでき、追いかける形でランキングができるとしている。

 3つ目はアイテム戦強化として、マップギミックが追加される。こちらは7月から8月に実装予定としている。「企画は以前からあるが着手していなかった」ものだそうで、マップのボタンを踏むと床が跳ね上がったりするようなギミックが紹介された。ただ実際にどんなものが入るかは検討中としている。

 そして最後に、8月に新キャラクターを実装することが発表された。何が追加されるか気になるところだが、会場では2種類のキャラクターをシルエットで紹介。「この2人のどちらかを8月頭に入れようと開発中」としている。また会場から「スルル」という声が上がったのに対し、「『スルル』はいわば『ミリィ』のアバターで、モーションやボディは全部同じ。もし実装するならモーションとボディを最初から考えることになり時間がかかる。ただ、みなさんからの声が大きければ大きいほど開発にも話はするので、ぜひご意見いただきたい」と答えた。

 さらに朝倉氏は、「ペーパーマン」の累計会員登録者数が、当日の5月2日に40万人突破したことを発表した。これに合わせて、ゴールデンウィーク明けの土日となる8日、9日にPGを倍にする記念イベントを実施すると述べた。


スキルとアバターの分離では、スキル合成が課題となっており調整が加えられている開発中のトーナメントシステム。現在はUIの作りこみをしている
マップギミックの例として示された2枚のイメージイラスト。実際にどれが入るかはまだ検討中としている8月実装予定の新キャラクターは、この2人のどちらかになる

(2010年 5月 2日)

[Reported by 石田賀津男]