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「川崎市 藤子・F・不二雄ミュージアム」が2011年9月にオープン

5万点の原画を寄贈、川崎市多摩区の向ヶ丘遊園跡地に


会場に展示された「川崎市 藤子・F・不二雄ミュージアム」の模型


 株式会社藤子・F・不二雄プロは、「川崎市 藤子・F・不二雄ミュージアム」を2010年4月より着工し、2011年9月3日にオープンすると発表した。

 漫画家の故藤子・F・不二雄氏の作品世界やメッセージを、漫画の原稿などを通じて幅広い世代に伝えることを主眼とした文化施設。藤子・F・不二雄夫人である藤本 正子さんの「藤本の作品を応援してくれた子供たちへ恩返しをしたい」という思いから計画されたという。

 建物設備の運営は藤子・F・不二雄プロが行ない、敷地と周辺の整備を川崎市が担当するもので、施設としては川崎市の公共施設になる。入場は完全予約制で、予約時間は1日に4回、1回最大500人、1日あたり2,000人、年間50万人の入場者を見込んでいる。入場料は検討中だが、現時点では大人1,000円、中高生700円、小学生500円を予定している。チケットはローソンなどで取り扱いを予定。

 住所は神奈川県川崎市多摩区長尾二丁目1271番1で、2002年に閉園された向ヶ丘遊園の跡地に設置される。最寄り駅は小田急線 向ヶ丘遊園駅(徒歩16分)、JR宿河原駅(徒歩15分)で、いずれもシャトルバスを運行予定。敷地面積は5,483平方メートル、延床面積は3,600平方メートル。地上3階建て。

ミュージアムの外観。3階建てで、各所にさまざまなキャラクターのオブジェが配置されている
上から見たところ。3階は屋上ひろばにつながる 3階にはパーマンが
屋上ひろばにはドラえもん 屋上広場の奥にはピー助にまたがったのび太とドラえもんが

 ミュージアムは主に、展示室やプラザ、映像展示室、ミュージアムカフェ、ミュージアムショップ、屋上ひろばなどに分類される。

 展示室では、故藤子・F・不二雄氏夫人の藤本 正子さんから寄贈された5万点の原画のなかから、テーマごとに原画を選び展示していく。また、藤子・F・不二雄氏の愛用の机を再現した「先生の部屋」や、引き出し風のオブジェを引き出すと、のび太の部屋のミニチュアやパーマンバッジが収納された引き出しなどが、漫画の中に登場するシーンさながらに再現された展示などもある。
 プラザおよび映像展示室では、さまざまなキャラクターのオブジェが並んだキッズスペースや親子で漫画を読めるライブラリーなどを設置。映像展示室では、オリジナル映像を放映する。

 屋上ひろばは、公園風の敷地内に、ドラえもんや、映画「ドラえもん のび太の恐竜」に登場した恐竜「ピー助」などのオブジェなども展示される予定。

ミュージアム外観イラスト ライブラリー 先生の部屋
先生の旅の部屋 展示室
ホール キッズスペース 屋上ひろばイメージスケッチ
屋上ひろば。ドラえもんやピー助のオブジェも
寄贈される原画の一部

■記者会見

株式会社藤子・F・不二雄プロ 代表取締役社長 伊藤善章氏

 記者会見では、株式会社藤子・F・不二雄プロ 代表取締役社長の伊藤善章氏、藤子・F・不二雄夫人の藤本 正子さん、川崎市長 阿部孝夫氏、そして、アーティストの村上隆氏が挨拶した。

 株式会社藤子・F・不二雄プロ 代表取締役社長の伊藤善章氏は、「夫人から、漫画の原稿すべてを、長年住んでいた川崎市に寄贈したい、というお話をいただいたところから始まった」と今回のミュージアム設立の経緯を説明。藤子・F・不二雄氏の漫画は現在も人気を博し、昨年発売された「藤子・F・不二雄 大全集」第1期全33巻(小学館)は、予約者だけで12,000セットを販売したという。第2期33巻も今年8月に発売が予定されている。また、現在上映中の「映画ドラえもん のび太の人魚大海戦」を合わせた、映画全30作品の累計入場者数は9,000万人を超え、これは動員日本一とされる「ゴジラ」シリーズの累計9,900万人に次ぐ2位となる。

 また、ベトナムで行なわれている「ドラえもん基金」についても紹介。ベトナムでのドラえもんの印税などによって運営されている基金で、1996年に藤子・F・不二雄氏の意向によってベトナムの子供たちを支援する基金として設立された。同氏は、「先生の漫画作品で子供たちに感動を与え、そこから社会のために役立つことができるきっかけになった」とし、「日本だけでなく、世界各地で喜んでいる子供たちがいる。アニメで作品も楽しんでいる子供たちもいる。ぜひ、そうした子供たちにも楽しんでもらえるミュージアムにしていきたい」などと語たり、挨拶とした。

等身大ドラえもんを囲んで記念撮影 会見の司会はテレビ朝日アナウンサーの萩野志保子氏。2005年よりドラえもんに登場する「出木杉くん」の声優もつとめている

 藤子・F・不二雄夫人の藤本 正子さんは、「5万枚の原稿は、彼が生きていた時間そのもの。それをきちんと保存していくのが残されたものの勤めと思っている」と語り、「日本だけでなく海外の子供たちがいつの日か、日本に来てミュージアムを訪れ、夢を追っていた子供の頃を思い出してくれたらうれしい」などと挨拶した。

 川崎市長 阿部孝夫氏は、「川崎市はかつては京浜工業地帯として栄えたが、今では研究開発の拠点として、先端技術の街へと変貌してきた。ミュージアムを設立することで、市の活力を向上させながら、文化、スポーツとの連携や、地域活性化につとめ、グッドサイクルを作っていきたい」などと語り挨拶とした。

藤子・F・不二雄夫人 藤本 正子さん 川崎市長 阿部孝夫氏
アーティスト 村上隆氏

 最後に、アーティストの村上隆氏は、「自分も漫画を貪るように読んでいた世代。漫画の語源は葛飾北斎の自虐的な言葉から生まれたとされるが、日本の戦後の貧しい文化のなかから、ローコストで作者のイマジネーションを発揮できる場として発展してきたと思う」と、漫画に対する思いを語り、「ドラえもんを始めとするさまざまなキャラクターは、見た目はかわいいが、これは200年後になると、「ベロッキオ」や、「ミケランジェロ」、「レオナルド・ダ・ヴィンチ」らが活躍したルネッサンス時代に匹敵するような、芸術的な大きなムーブメントだったと評価されるのではないか」、「こうした文化施設ができることは誇らしい」などと語った。また、最後に村上氏は、「日本の漫画文化は世界に冠たる文化そのもの。これを忘れずに、世界にプレゼンテーションしてもらいたい。ボクもその先兵として、文化を伝達する使者として活動している。特に藤子先生が大事にしていた平和、友愛、博愛の心を大事にしていってもらいたい」とアピールして挨拶を終えた。

(2010年 3月 29日)

[Reported by 清宮信志]