CESA、「東京ゲームショウ 2010」9月16日開幕
「アジアNO.1、世界最大規模」を目指す


9月16日~9月19日 開催(16日、17日はビジネスデー)

会場:幕張メッセ1~8ホール

入場料:前売り 1,000円、当日 1,200円、小学生以下無料


「東京ゲームショウ 2010」の開催概要。開催期間は9月16日から4日間で、ビジネスデーが2日間設定されている

 社団法人コンピュータエンターテインメント協会(CESA)と株式会社 日経BPは、日本最大規模のゲームイベント「東京ゲームショウ 2010」の開催概要を発表した。

 開催期間は9月16日から4日間で、16日、17日はビジネスデーに設定されており関係者しか入場することはできない。一般入場日は18日と19日の2日間。会場は幕張メッセ1~8ホールで、入場料は前売券が1,000円、当日券が1,200円、小学生以下は無料となっている。

 都内で開催された開催発表会に出席したCESA会長の和田洋一会長は、今回の「東京ゲームショウ」が20回目を迎えると言うことで、「時代が変わっていることを実感している。(ショーを)年3回くらい開催しなければならないくらい世の中の流れが速くなっている。今までのゲームらしいゲームはより深め、新しい(タイプの)ゲームもサポートしていく。ゲームユーザー、クリエイター共に柔軟にサポートしていく場へとしたい」と挨拶。日経BPの平田保雄代表取締役社長も「ゲーム業界は日本の数少ない成長産業の1つ。期待を持って1社でも多く参加して欲しい」とアピールした。

 続いて、日経BPの中村均プロデューサーは「東京ゲームショウ 2009」の結果報告と「東京ゲームショウ 2010」の開催概要などを発表した。昨年のショーについては「2008年に及ばなかったが、底堅かった」と、不景気の煽りを受けたほどではなかったと自ら評価。

 ここで中村氏は今後を見据え、「東京ゲームショウ」が世界3大ゲームショーの一角を担いアジアNO.1のゲームショウとして情報の発信力を強めなければならないとする、中期ビジョンを発表。これまでは国内ユーザーを対象に情報を発信してきたが、今後はアジアのユーザーの耳目を集める施策を実施。さらには日本のゲーム以外のエンターテインメントファンをも巻き込むアイディアを投入し、さらにアジア圏内に拡大させることで、より大きな情報発信力をもってイベントを成長させていくとしている。中村氏は「欠けている要素を補完して取り込んでいく」としており、この変化の過程においては「イベント名称が変わる可能性もある」と大きな変革になることを示唆している。

 この他にも海外比率を上げるための施策として「アジア・ゲーム・ビジネス・サミット」の開催、インターナショナル交流ゾーン、国際ビジネス相談コーナーの設置などが検討されている。この他にも国際的なゲーム大会やコスプレ大会の開催といったアイディアも検討されているという。

 ここまでは中期ビジョンに沿った話題が中心だったが、「東京ゲームショウ 2010」に関して言えば、これまで低年齢層を対象としたキッズコーナーは「ファミリーコーナー」に名称を変更すると共に、規定が変更されることが明らかになった。1つはアーケード機の台数制限がなくなった。子供向けのアーケード機は大きな人気を集めており、この規定が撤廃されたことで、今年はズラリと並びそうだ。さらにゲームに関係していれば玩具やカードも出展することが可能となった。

 また、物販コーナーではこれまでゲームソフトの販売が禁じられていたのだが、一般展示など他のコーナーに出展しているパブリッシャーに関してはゲームの販売が可能となっている。ただし、ゲームの販売は定価販売となる。

 この他にも「PCオンラインゲームの商談コーナー」や「オーディオビジュアル&ガジェットコーナー」が新設される。今後の流れとしては5月にメインビジュアルや開催テーマの決定、7月には展示会概要や出展者の発表、8月以降に出展タイトルやブース内容の発表へと続いていく。ゲーム業界にとっては、1年を通じ大きなイベントなだけに、注目していきたい。


社団法人コンピュータエンターテインメント協会の和田洋一会長。「世の中の動きが速い。年3回開催してもいいくらい」とゲーム業界の現状を語った共催の日経BP、代表取締役社長の平田保雄氏。今年の経済状況の傾向を「ベストとは思わないが上向き」と表現。成長産業の1つとしてのゲーム業界に期待を寄せた昨年の報告と今年の開催概要について説明した中村均プロデューサー。「アジアNO.1、世界最大規模」を数年で目指すため「ショーの名称が変わる可能性もある」と大きな変革を行なっていく姿勢を打ち出した
今回で20回目を迎える「東京ゲームショウ」。「アジアNO.1、世界最大規模」を目指すために、ここ数年で大きな変革を目指すという。これまでは日本のゲームユーザーをメインターゲットとしてきたが、アジア全体、そしてゲーム業界をより広く捉え、世界的な規模のショーにしていきたいとしている。右写真は「東京ゲームショウ 2010」の開催規模目標。前年並みだが、様々な企画を投入することで来年以降に繋げていく
世界をターゲットとした企画の1つ「アジア・ゲーム・サミット」を開催する。アジア進出に熱心な企業を中心に意見交換を行なう場を作るビジネスデイに予定されている施策のいくつか。TGSと同時に開催されているTGSフォーラムのリニューアル、インターナショナル交流ゾーンや国際ビジネス相談コーナーの設置などこれまでにも開催され、人気を集めていたゲーム制作のアイディアを披露する「SENSE OF WONDER NIGHT」。アジアのユーザーを取り込むために携帯コンテンツの部門を新設する
これまでビジネスデイは出展者、CESA会員に招待券を配布してきたが、それ以外の来場者を誘致する一環として5,000円で販売される。詳細は不明だが、チケット購入にはゲーム関係者であることが前提となるという「東京ゲームショウ 2010」で実現されるかどうかは未定だとしているが、国際的なゲーム大会の実施など面白そうな企画が出されているようだ「日本ゲーム大賞」も例年通り期間中に開催される
今回明らかになった出展募集コーナー。今回も新しい企画コーナーがいくつか列んでいる「キッズコーナー」は「ファミリーコーナー」へとリニューアルされる。アーケード機の台数制限がなくなるなど規定も変更されるPCオンラインゲームの商談コーナー。メーカー間の商談だけでなく、来場者向けプレゼンテーションとしても使用することが可能だという
3D映像の人気の高まりからオーディオビジュアル&ガジェットコーナーが新設される。ゲームを楽しむための総合的な提案型ブースとなる40小間以上の大きなブースではステージセットバックは6mだったが、前回の「東京ゲームショウ」で行列のルールが厳密に守られていたということから5mへと変更となった物販コーナーも大きく変更された。一般展示を行なっているパブリッシャーに限りコーナー内でゲームの販売が可能となった。ただし販売は定価販売のみとなる
昨年度のショーのデータ入場者数は減少して歴代4位の数値となった。年齢層は10歳代から20歳代がほとんど。相変わらず男性が多いが、女性も26.1%となっている

(2010年 2月 26日)

[Reported by 船津稔]