NHN Japan、WIN「ARCHLORD」12月22日大規模アップデート実施
「ARCHLORD PART II」に改名し、新種族「ドラゴンシオン」を実装


12月22日 アップデート実施予定

12月8日 収録

会場 NHN Japan本社


 NHN Japan株式会社は、Windows用MMORPG「ARCHLORD」において、12月22日に大規模アップデートを実施する。またこれに伴い、タイトルを「ARCHLORD PART II」に変更する。

 「ARCHLORD PART II」は、6月に実施されたアップデート「EPISODE6 カオティックフロンティア」とは異なるストーリーが展開され、新たな種族「ドラゴンシオン」が登場する。ゲームロゴとメインビジュアルも一新され、これまでよりも明るい世界観へと変化している。

 2007年7月から正式サービスを開始し、今年で3年目となる「ARCHLORD」は、今回のアップデートではコアユーザー向けの拡張だけでなく、間口を広げて新規の人も遊びやすいサービスを目指しているという。今回は、NHN Japan本社でアップデート内容について伺ってきたので、その内容をお伝えする。


「ARCHLORD PART II」のゲームロゴ「ARCHLORD PART II」のイメージイラスト



■ 即座に3種類の形態に変身できる新種族「ドラゴンシオン」

「ARCHLORD」プロデューサーを務める鄭孝志氏
「ARCHLORD」ディレクターの中西洋介氏

 アップデートについて説明してくれたのは、「ARCHLORD」プロデューサーの鄭孝志氏と、同ディレクターの中西洋介氏。

 アップデートの目玉となる「ドラゴンシオン」は、既存の「ヒューマン」、「ムーンエルフ」、「オーク」に並ぶ新たな種族だ。以前から3種族が暮らしていたカントラ大陸に、新しく移住してきたという流れになる。元々ドラゴンの姿をしていた「ドラゴンシオン」は、ドラゴンの姿では「ヒューマン」とは共生しにくいと考え、変身能力を使って「ヒューマン」を真似た姿で暮らすようになった。

 「ドラゴンシオン」の最大の特徴は、3種類の姿に変身できる能力だ。キャラクター作成時は、中性的な容姿の「シオン」と呼ばれるキャラクターとなる。この「シオン」を育成してレベル20以上になると、変身スキルが習得できる。変身スキルは「スレイヤー」、「サマナー」、「オービター」の3種類で、1キャラクターが3種類全ての変身スキルを習得できる。変身は、変身スキルのアイコンをクリックするだけでいい。


【シオン】
「ドラゴンシオン」の初期形態「シオン」。レベル1から20まではこの姿で戦う。遠距離からの攻撃スキルもあるようだ

【シオン】


 変身後の3種類の姿は能力が異なる。「スレイヤー」は筋肉質な男性のような姿で、3形態の中で最も体力が多く、近接攻撃を得意とする。「カロン」と呼ばれる爪のような近距離攻撃用武器で敵を攻撃し、スキルを使用すれば敵の弱体化や、肉体の強化ができる。特徴的なスキルとしては、一定時間無敵になることで、ダメージを受け付けなくなるスキルがある。これを利用して敵の攻撃をひき付けておけば、パーティーの盾役としても戦える。


【スレイヤー】
「ドラゴンシオン」の近接攻撃型形態「スレイヤー」。基本的に1対1で戦うためのスキルが多い

【スレイヤー】


 2つ目の「オービター」は、女性のような姿で、「ゼノン」と呼ばれる銃のような武器を使用した遠距離攻撃を得意としている。変身時の使用可能なスキルは、「スレイヤー」よりも強力な敵の弱体化スキルと、味方への肉体強化スキルとなっている。パーティー戦では遠距離から安全に味方の援護をする役割となりそうだ。


【オービター】
「ドラゴンシオン」の遠距離攻撃形態「オービター」。手に持った「ゼノン」という武器で遠距離から敵を攻撃する


【オービター】


 そして3つ目の「サマナー」はドラゴンの姿で、範囲攻撃を得意としている。自らの見た目がドラゴンというところで非常に大きなインパクトがあるが、それに加えて「サマナー」という名前の通り、スキルを利用して小さなドラゴンや異世界のモンスターを召喚して一緒に戦える。召喚したキャラクターは、襲い掛かってくる敵に対して自動的に攻撃してくれる。また召喚したキャラクターの種類によっては、周囲の敵も自動的に攻撃してくれる便利なスキルだ。


【サマナー】
「ドラゴンシオン」の範囲攻撃と召喚形態「サマナー」。ドラゴンの姿をしており、敵を一網打尽にする範囲攻撃スキルが特徴


【サマナー】


 「ドラゴンシオン」の3種類の形態について中西氏は、「『スレイヤー』と『オービター』は初心者にとって比較的扱いやすい部類だと思います。これに対し『サマナー』は範囲攻撃を得意としているため、序盤は扱いにくいかもしれませんが、中盤以降は狩場のランクを少し下げることで狩りの効率がよくなると思います。『サマナー』は、プレーヤーの腕次第で戦力が変わるのが特徴的な形態だと言えます」と語った。

 これら3種類の形態を切り替えて、戦況に合わせた戦い方ができるのが「ドラゴンシオン」の魅力だ。「ドラゴンシオン」には職業の概念がないため、最初に選んだ職業のまま戦い続ける必要はない。1体1で戦う場合には、「スレイヤー」、遠距離から安全に攻撃する場合には「オービター」、自分より弱いモンスターが大勢いる場合は範囲攻撃の「サマナー」といった感じで使い分けられる。またパーティー戦においては、姿を変えれば足りない職業が補える。極端な話をすれば、パーティーメンバー全員が「ドラゴンシオン」だった場合でも、それぞれのプレーヤーが別々の形態になることで、戦況に応じた柔軟なパーティーが組めるユニークな種族だ。

 ちなみに「ドラゴンシオン」の武器に関して、「スレイヤー」に変身した場合は近接武器の「カロン」が、「オービター」に変身した場合は遠距離武器の「ゼノン」が自動的に選択され、もう一方の装備は使用できなくなる。同じ形態で戦い続けるならば武器は1種類だけでいいが、頻繁に形態を変える場合は、2種類の武器を携帯しておく必要がある。

 防具は3形態共通で、それぞれに防具の能力が反映されるようになっている。防具の見た目に関しては、「スレイヤー」と「オービター」は防具の見た目が反映されるが、「サマナー」の場合はドラゴンの外見を活かすため、見た目には反映されないそうだ。

 万能なキャラクターである反面、乗り物に乗れなかったり、「サマナー」に関してはアバターが反映されないというデメリットもある。アバターをアピールしたい人は「サマナー」に変身しなければいいわけだが、乗り物に載れない点には留意しておきたい。

フィールドマップ。画像の黄色い枠で囲まれたところが「ドラゴンシオン」のマップだ

 また「ドラゴンシオン」の実装に伴い、「ドラゴンシオン」の初期マップが追加される。追加マップは「シエン」、「サリエンド」、「ストール」の3つと、城「ドライガー」の合計4つ。アジア圏のドラゴンのイメージから、中国風の建物を基本として、今までよりも明るい町をイメージしたそうだ。街中にはパンダが歩いていて、今までの「ARCHLORD」とは打って変わって平和的な雰囲気となっている。町中のNPCの口調に注力したそうで、鄭氏は、「NPCの中には、男勝りな口調の女性だったり、関西弁で喋ったりと、中国的な景観に当てはまらない面白い趣向を取り入れています」と語っていた。

 なお「ドラゴンシオン」は新たな種族のため、既存のプレーヤーが「ドラゴンシオン」で遊ぶためには、また1からキャラクターを育てなおさなければならない。しかし、1度育ててしまえば変身能力で幅広い遊び方ができるのは魅力だし、新規に遊ぶ人にとっては種族と職業の選択に悩まずに済むのは嬉しいところだろう。

 また、「スレイヤー」と「サマナー」は12月22日のアップデートと同時に実装予定で、「オービター」は約1カ月後の2010年1月下旬に実装が予定されている。「オービター」実装の際には、スキルの再分配アイテムが全プレーヤーに無償で配布されるとのことなので、それまでに様々なスキルを試してみるといいだろう。


【ドラゴンシオンの町】
「シエン」「サリエンド」
「ストール」城「ドライガー」



■ 攻城戦の改良や、新規の人に向けたキャンペーンも多数

 また既存システムの改良も行なわれる。攻城戦に関しては、新しいギルドでも登録しやすいようにルールが変更される。具体的には、ギルドマスターのレベルや、ギルドメンバー数から実績を出し、申請の許可が決まるようになるという。

 この変更の理由について中西氏は、「これまでは過去に設立したギルドのほうが攻城戦の登録に関して優位で、お客様からも仕様を改善してほしいという要望が多く届いていました。この仕様変更により、攻城戦の登録についての不満は解消されると思います」と説明した。

 さらに攻城戦に関してもう1つ、城主のメリットとして、城の地下にある「秘密のダンジョン」が「城主狩り場」として城主に開放される。「城主狩り場」には城主のギルドのみ入場可能で、ダンジョン内のモンスターを倒すと、モンスターによって異なるレアアイテムが手に入るそうだ。


【城主狩り場】
薄暗いダンジョンの中に屈強なモンスターが待ち構えている。攻城戦のメリットとして新たに導入されるシステムだ


 またバウンティシステムに関しては、先攻状態や指名手配されたPK(プレーヤーキラー)に狙われた場合に、PKがレーダーに表示される機能が追加される。レーダーは、プレーヤーを中心としたサークル上に表示されており、PKが近づいてくると紫色の点で表示される。PKがレーダーに表示されてから間近に接近するまでには、20秒程度はかかるそうで、かなり広い範囲をカバーしている。このレーダーはPKのほか、敵対ギルドメンバーにも適用されるという。

 このレーダーを導入した意図について中西氏は、「もちろんPKそのものを楽しんでいるお客様も大勢いらっしゃるのですが、他のお客様からは、『PKが怖い』、『PKに抵抗感がある』という意見がありました。今までは戦闘中にいきなり後ろから攻撃を受けることもあったと思います。今後はレーダーを確認しておけば、PKから逃げ出しやすくなりますし、応戦の準備も可能になるので、有効に活用していただきたいと思います」と語った。


【レーダー】
画面中央下部にある丸い枠がPKを感知してくれるレーダー画面上部の赤い枠で囲まれているPKが、画面下部のレーダーに紫色の点で表示される


 新規ユーザーに向けた変更点としては、レベルアップに必要な経験値を緩和し、ゲーム序盤はレベルが上がりやすいように変更される。この変更について中西氏は、「今までの『ARCHLORD』はこつこつとレベル上げをしていくイメージでしたが、『ARCHLORD PART II』では、割とさくさくレベルが上がるようになります。また世界観も明るくなっているので、新規のお客様にレベル上げを楽しみながら遊んでもらいたいと思っています」と語った。

 アバターについては、今後は日本風のアバターを投入していくという。鄭氏は、「現在実装している着物アバターのような、日本の文化を取り入れたアバターを考えています。他にも、お客さまのご要望を取り入れた内容で新規のアバターを企画中です」と述べた。

 今後のイベントとしては、アップデート実装から1週間程度、ゲームマスターがコンシェルジュとしてゲーム内に登場し、ユーザーからの質問に応対していくイベントが実施される。場所は「ドラゴンシオン」の初期マップで、基本的に新規の人に向けたサービスとなるが、既存のユーザーからの質問も受け付けているそうだ。

 またアップデート以降には、プレーヤーキャラクターのレベル帯に応じてゲーム内アイテムをプレゼントするキャンペーンが予定されている。アイテムは戦闘を優位に運べるものだそうで、新規の人のレベルアップを補助する狙いがあるそうだ。また既存のユーザーに対しては、ログイン日数に応じて様々なゲーム内アイテムをプレゼントするキャンペーンも予定されている。

 さらに、「ドラゴンシオン」のキャラクターを作成したユーザーに実際のペア旅行ツアーをプレゼントしたり、「ARCHLORD」の開発元に用意してもらった原画をプレゼントしたりといったプレゼントキャンペーンも予定されている。他にも様々なキャンペーンでゲームを盛り上げていこうと考えているそうで、アップデート要素とキャンペーンの両面から「ARCHLORD PART II」が楽しめそうだ。




 今回のアップデートにより、変身能力でパーティーに参加しやすくした新種族「ドラゴンシオン」を実装し、同時にユーザー間のコミュニティの活性化を図ることを狙っているという。またレベルアップに必要な経験値を緩和することで、初心者や新規の人に向けて間口を広げようとしているそうだ。

 アップデート自体はコアユーザーに向けた要素が少ないかもしれないが、改めて「ドラゴンシオン」で1から始めてみるのも面白いかもしれない。運営側としても、3年目を迎えた今だからこそ、新たな気持ちで「ドラゴンシオン」を遊んでもらい、これまでに築き上げた世界を「ARCHLORD PART II」として楽しんでもらおうとしているように感じられた。


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(2009年 12月 16日)

[Reported by 日高文典]