CJIJ、「イースオンライン ~古代シーマの鼓動~」先行体験レポート
「イース」の謎に繋がる天空に浮かぶ島シーマ登場
CJインターネットジャパン株式会社はMMORPG「イースオンライン(YS Online)」において12月後半に大規模アップデートを実施する。このアップデートにより「イースオンライン ~古代シーマの鼓動~」とタイトルを一新、空に浮かぶ“謎の島シーマ”が鍵を握るストーリーが展開されていくという。
今回のアップデートの最大の特徴は、アップデートと同時に発売される「パッケージ」に同封されるレジストレーションコードを入手したユーザーが対象となるコンテンツが多いところだ。今回のアップデートにより追加されるシーマ島に行くためにはパッケージのレジストレーションコードの入手が不可欠になる。いうなれば「拡張パック」に近いスタイルの半有料アップデートなのだ。
今回のアップデートでは謎に満ちたシーマ島が出現するだけでなく、初期レベルから上級者まで挑戦可能なダンジョン「大地の塔」や、専用素材を使った新アイテム、結婚システムや師弟システムなどが導入される。また、一時的に停止されていたPKシステムを、PKが集まる街を作り再導入した点も注目である。アップデートに先がけて行なわれた体験会でのスクリーンショットと共に各要素を紹介したい。
なお、本日より大規模アップデートの先行体験会の募集も開始しているので、興味を覚えた方はぜひ応募してみて欲しい。
■ 謎に満ちたシーマ島、力の塔。レベルキャップ開放に合わせた最高難易度ダンジョンも
「イースオンライン ~古代シーマの鼓動~」プロダクトマネージャーの秋山隆利氏 |
天空に浮かぶシーマ島。今後のアップデートでこの島に関する謎が語られていくという |
アルベイン寺院に待ちかまえる「闇のカーリ」彼女を倒すプレーヤーはいつ現われるのか |
「イースオンライン ~古代シーマの鼓動~」(以下、「イースオンライン」)で追加されるコンテンツをすべて楽しむためには、レジストレーションコードを入手しなくてはならない。現在コードの配布法として確定しているのは、イーフロンティアから発売される「プレミアムパッケージ」だ。このパッケージの発売日は12月25日を予定しており、価格は3,990円を予定している。
パッケージにはレジストレーションコードの他、様々なステータスが増加する豪華な衣装「ゴシックコスチューム」、さらに装備するとMPが半分になったときに自動的に使い回復させる「精神の輝水」を入手できる。このパッケージは、家電量販店やコンビニエンスストアで販売される予定だ。
また、レジストレーションコードはこの他にもいくつかの販売方法を予定しており、今後発表される予定だ。今後提供予定のコスチュームとして「イース VI」で出てきた服、さらにHPが半分になったときに自動回復させるアイテムもあり、これらの提供方法も気になるところである。
さて、このレジストレーションコードを入手すると行くことができるのが「シーマ島」である。エルドレン城など、各拠点に現われる「次元の魔鏡」を通ることで、謎に満ちたこの島に行ける。シーマ島は天空に浮かぶ小さな島だ。中心の比較的大きな島に3つの小島が橋で繋がれている。島が浮いているという非現実的な光景は「イースオンライン ~古代シーマの鼓動~」のモチーフとなった、シリーズ最初の作品「イース」を彷彿とさせる。「イース」は天空に浮かぶ伝説の都イースが下りて来るというストーリーだった。シーマ島はあのイースと関係があるのだろうか。
今回、ゲームの要素を説明したプロダクトマネージャーの秋山隆利氏によればこのシーマ島は今後の「イースオンライン」のストーリー要素の中心となっていく島だという。かつてのイースと同じように天空に浮かぶ島は、イースの伝説に語られた古代王国や、有翼人への手がかりを秘めている。この島には何人かのNPCがいるが、彼らは何故ここにいるのか、ここはプレーヤーキャラクター達が現在住んでいる世界の空の上なのか、それとも次元も違う世界なのか、そういった謎は今後掘り下げられていくという。
ゲーム的な説明としては、シーマ島は新しい武器や防具が入手できる場所となっている。武器や防具はこれまで登場していたアイテムを更にパワーアップさせる事ができる。アイテムの強化には今回追加されるインスタントダンジョン「力の塔」、「大地の塔」で入手できる素材が必要となる。
「力の塔」、「大地の塔」はパーティーを組むことで入ることができるダンジョンで、レジストレーションコードを持っているユーザーならば自由に挑戦できる。力の塔はコード入手者のみ、大地の塔はコードを持ってなくてもゲーム内通貨を200万用意すれば入れる。今回は力の塔を体験してみた。
力の塔は異次元のような謎の空間に足場が浮遊している不思議な空間で、巨大な四角いブロックが回転しているという謎の世界だ。力の塔は6つのエリアで構成されていて、「火炎の領域」や「冷気の領域」など属性が決められた場所もある。各エリアは対象レベルが決められていて、10レベル以上のユーザーが、自分の力量に合わせて挑戦できる。何度も再出現するモンスターが登場するため、有用な狩場として経験値稼ぎができるのだ。
この2つのダンジョンは効率的なレベルアップと共に、新武器の素材の入手が魅力だ。パッケージを購入することでゲームを始めた初心者も、レベルアップと強力な武器の入手でこれまでのバランスより早く中級者達に合流することができそうだ。
新ダンジョンはもう1つレベル75以上のユーザーを対象にした上級者向けのダンジョン「アルベイン寺院」が用意される。今回のアップデートで「イースオンライン」のレベルキャップはこれまでのレベル64からレベル85まで引き上げられるが、レジストレーションコードを入手していないユーザーはレベル70までしか上げることができない。レベル75以上の「アルベイン寺院」は実質的にはコード入手ユーザーのみを対象にしている地域だ。
このダンジョンはかつて栄えていた寺院で、現在は異形の者達がひしめいている。寺院を調査するため、調査隊が派遣されたが彼らは消息を絶ってしまう。プレーヤー達は調査隊を捜しに向かうことになる。このダンジョンは「迷宮」になっていて、各部屋には強力なモンスターがひしめいている。はじめて入ったプレーヤーでは迷っている内にモンスターに囲まれ倒されてしまうだろう。ボスは「闇のカーリ」という女性型のモンスターで、多くの配下を連れている。「イースオンライン」の最高難易度を誇るダンジョンを最初に攻略するプレーヤーは誰だろうか。
シーマ島は小さな島が橋で繋がっている。住んでいる人々もどんなバックストーリーを持っているか気になるところだ | ||
シーマ島で作ることができる特別なアイテム。これまで以上に強力なアイテムを作ることができる | ||
不思議な雰囲気の力の塔。四角いブロックはぐるぐると回転しており、設定も気になるところだ | ||
調査隊が行方不明になってしまったというアルベイン寺院。大量のモンスターに囲まれる危険な場所だ |
■ 結婚、師弟、特別な関係を結び、共に強くなる。PKシステム再実装でよりエキサイティングな世界へ
パートナーと明日を誓う。ギルドや仲間達に祝福されたい |
師弟関係を結ぶ。新規ユーザーは積極的に利用したいシステムだ |
「レベルアップ褒章システム」。NPCの性格付けに関してのチャレンジでもある |
レジストレーションコードを入手したユーザーが利用できる新システムとして「結婚システム」、「師弟システム」が追加される。結婚システムはコードを入手し、かつ2次転職したキャラクターのみが結ぶことができるシステムで、結婚指輪を作るためなど資金が必要だが、結婚した男女はパートナーの所に瞬時に移動できるようになる。
結婚式は専用の衣装をまとうことができ、仲間のプレーヤーだけでなく、NPCからも祝福してもらえる。注意しなくてはいけないのは離婚するときにも資金がかかること。面白いのはもう片方のパートナーがいなくても離婚ができること。その場合は同意していなかったパートナーは離婚に必要な資金の90パーセントを「慰謝料」としてもらえるのだ。
師弟システムはレベル40未満のキャラクターを弟子にすることができるシステム。師匠と弟子がパーティーを組めば特別なバフが発動する。一緒に狩りをすることで双方に「師弟ポイント」が入り、これを消費することで特殊効果をもたらす「カード」等を入手できる。組んだ時間に応じて入手できるポイントは増えていくので、新人ユーザーは積極的に師匠を見つけたいところだ。
師弟システムもコードを入手したユーザー同士で使用する。コードを持っているユーザーしか入れない力の塔は師弟の狩場に最適だろう。素材を集めて武器の強化もできる。師弟のバフを活用し効率よくレベルを上げていける。アップデート後の人気の成長方法になるだろう。
もちろん、コードがないユーザーにも体験できる様々なコンテンツが用意されている。話題を集めそうなのは、「PKシステムの再導入」だ。「イースオンライン」はサービス初期はPKシステムがあったが、ユーザーの声やシステム的な見直しでPKができないように変更されていた。このPKシステムがアップデートで再導入される。PKを繰り返しPKポイントを一定数稼いだプレーヤーの名前は赤く変わる。この赤いプレーヤーに対して反応するNPCがPKシステム再導入に合わせて、実装されたのだ。
PKを倒すNPCは「神聖騎士団」と呼ばれる。この騎士団は街の中や、フィールドの様々なところに配置され、PKを監視する。このNPCが配置されるとPKプレーヤーは街に入ることができなくなるか、それをフォローするため「暴れ者達の隠居地マカン」と呼ばれる街が追加された。ならず者達はここで集まり、PKとして連携もできる。PKに対するシステムが充実したことにより、PKシステム再導入に踏み切ったという。
この他、パーティープレイ重視が「イースオンライン」の特徴だが、ソロプレイや少人数のプレイに対する要望も多く、様々なアップデートを重ねてきた。今回導入されるのが「レベルアップ褒章システム」だ。キャラクターが一定のレベルに達すると、ゲーム内のアドバイスや、専用のバフなどをNPCがメッセージと共に応援してくるようになった。このシステムは「NPCの個性の付与」を目指した方向性の1つだ。
韓国産MMORPGのNPCは機能重視でバックボーンやキャラクターの性格付けが少ない場合が多い。「イースオンライン」のNPCもその傾向が強いが、「マイレージクエスト」などこれまでのアップデートで少しずつ、ストーリー性を盛り込みはじめている。レベルアップ褒章システムのメッセージもキャラクター性を意識したものになるという。ストーリー性、NPCのバックボーンなど日本運営の目指す方向性は、今後シーマ島に関するコンテンツにも活かされていくという。
これ以外にも騎乗ペットのスピードアップ、バランス調整、ワープできるゲートキーパーの追加、体力回復できる回復クリスタルの増加、キャラクターの戦闘バランスの調整など今回のアップデートでの修正・調整は多岐にわたる。
今後の方向性として秋山氏は、「『イースオンライン』はアドルの物語から100年後の世界です。過去の『イース』の世界、文明、設定をどう現在の世界に盛り込んでいくか、『イース』との繋がりも注目して欲しいと思います」と語った。シーマ島を中心にどう展開していくのだろうか、注目していきたい。
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(2009年 11月 24日)