ユークス、PS3/Xbox 360「UFC 2009 Undisputed」
THQ、WOWOWと共同記者会見を開催


10月13日 開催

会場:渋谷東武ホテル


 株式会社ユークス、THQジャパン株式会社、株式会社WOWOWの3社は、総合格闘技「Ultimate Fighting Championship(以下:UFC)」のコンテンツ展開に関する共同記者会見を渋谷東武ホテルにて開催した。ユークスからは、代表取締役社長の谷口行規氏と営業担当の中野正光氏が出席。10月15日にPS3とXbox 360で発売予定の格闘ゲーム「UFC 2009 Undisputed」について、それぞれ説明とデモンストレーションを行なった。

 「UFC」は、1993年にアメリカのコロラド州デンバーで開催された総合格闘技大会。オクタゴンと呼ばれる金網で囲われた八角形のリング上でノールールに近い状態で選手が戦うスタイルは、世界中の格闘シーンに大きな影響を与えた。「UFC 2009 Undisputed」は、ゲーム化が難しいとされていた総合格闘技の攻防をリアルに再現。新たな物理エンジンを使い、実写さながらの選手のグラフィックス、モーションを実現している。UFC全階級80人の選手が実名で登場し、自分だけのオリジナル選手を作ることも可能。10月15日発売予定で、価格は両機種とも7,140円。

 ユークス谷口氏は、冒頭の挨拶で「弊社はさまざまなジャンルのゲームを開発・販売しているが、設立当初よりプロレスゲームに力を入れてきた。代表的な作品は『新日本プロレス・闘魂列伝』シリーズ、『レッスルキングダム』シリーズなど。米WWEをモチーフにした『スマックダウン』シリーズは、累計4,400万本を売り上げている。これら長年培ってきたノウハウを活かし『UFC』のゲームを開発した。海外ではTHQより発売され、既に300万本を超えるセールスを記録している。日本で10月15日より発売される本作は、ハードの性能を最大限に引き出し、実写と見まごうばかりのリアルな表現を実現している。ゲームファンだけでなく『UFC』ファンも楽しめるよう、クリアすると過去の名試合の映像を見ることもできる。これまでの格闘ゲームの最高峰であると自負している。このゲームを通じて“格闘ゲームの進化が体験できる”ことをお約束する」とコメント。

  THQゼネラルマネージャーのコリン・マック氏は「今週、やっと『UFC』の日本版が発売されることになり、とても嬉しい。長い道のりでした。北米、欧州で既に発売されいて、凄く評価も高い。私はずっと前から総合格闘技の大ファンで、こういうゲームを作りたかったけど、チャンスがなかった。3年くらい前に『UFC』との話が始まった頃『やらせて、やらせて!』と。凄くやりたかった。契約を結んでから、すぐユークスとコラボレートを始めた。開発には2年半くらいかかったが、凄くいいゲームができた。今までの格闘ゲームとは、違うと思います。テクスチャ、ポリゴン、新たな物理計算……PS3やXbox 360でしか実現できない技術が一杯入っています。非常に気持ちいいゲームができました。総合格闘技の楽しさを経験したいなら、ぜひやってみてください。THQ、ユークス、UFCのコラボレートでいいゲームができたと思います今後も大きなシリーズに育てていきたい」とコメント。両者の口ぶりからは、その仕上がりに相当な自信と“手ごたえ”があることがうかがえる。


ユークス代表取締役社長の谷口行規氏THQゼネラルマネージャーのコリン・マック氏ユークス営業担当の中野正光氏WOWOWスポーツ制作部部長の崎山修氏


解説を行なった元総合格闘家の高阪剛さん

 会見には、WOWOWで放映中の「UFC-究極格闘技-」で解説者を務める元総合格闘家の高阪剛さん、UFCに参戦している日本人トップファイターの宇野薫選手、岡見勇信選手、秋山成勲選手、水垣偉弥選手(World Extreme Cagefighting:UFC傘下の総合格闘技団体。以下WEC)が出席。中野氏が「UFC 2009 Undisputed」を使い、実機でデモンストレーションを実施。ゲーム中には登場しないが、エディット機能で宇野選手と秋山選手を作成し、宇野選手×BJ・ペン選手、秋山選手×ヴァンダレイ・シウバ選手といったドリームカードを披露。実際の番組同様、西達彦さんの実況と高阪さんの解説つきという実に贅沢なシチュエーションで夢のヴァーチャルマッチが展開されていった。

 ゲームのなかで試合をしていることについて、宇野選手は「単純に嬉しいですよ、凄く。さっき殴られて、ちょっと痛い感じもしましたし(笑)」とコメント。試合は1ラウンド、裸締めで宇野選手が勝利。秋山選手は「(似てない)誰やねん!(笑)」とツッコミを入れつつ、手に持ったカメラでモニターをパチリと記念撮影。「全然似てないんで、感情移入ができない(一同笑)」、「ヴァンダレイはタックルしないでしょ!」と立て続けにツッコミながら、ハイキックで見事に仕留めたフィニッシュシーンを目の当たりにして嬉しそうな表情をみせるも「いや~、やっと感情移入できました(笑)」と、ここでも笑いをとることを忘れない。試合の印象をきかれると「いや、ああいう風に戦えたらいいなぁと思いますねぇ……」と実感のこもったコメントを披露してくれた。

 デモンストレーションの後、各選手にゲームについて質疑応答が行なわれた。岡見選手は、ゲームと現実のリングの印象や違いについてきかれると「選手、レフリー、ラウンドガール、みんな似てる。戦いの現場……今までの格闘ゲームと違って奥も深く、やればやるほど(のめりこむ)。総合格闘技ってゲームとしては凄く難しいと思うんですけど、今までやった総合格闘技ゲームのなかで、1番リアルに近い。やってて凄く感情移入ができました」とコメント。今後のシリーズ展開と選手データのダウンロードコンテンツについて質問されると、中野氏は「次回作は、あくまでユーザーの皆様の要望次第。ご期待ください、という形です」とコメント。選手データのダウンロードについては、今のところ予定はないという。

 このゲームでイメージトレーニングをしたいか? と聞かれた岡見選手は「この前、ある雑誌の企画でアンデルソン・シウバ選手と対戦して、ボクのイメージどおりの戦い方でK.O.できた。これは凄くいいイメージになりました。ゲームに出るっていうのは、自分にとって夢だったので……そういうものを考えながら。自分の感情を上げるには、凄くいいゲームだなと思います」と説明。なお、「UFC 2009 Undisputed」に登場する日本人ファイターは、岡見選手ただひとり。このあたりは、今後のシリーズ展開に期待したいところだ。


宇野薫選手岡見勇信選手秋山成勲選手水垣偉弥選手

【バーチャルドリームマッチその1 ~宇野薫×BJ・ペン~】
エディット機能で作られた宇野薫を見て、本人以上にウケていたのが岡見選手。試合は1ラウンド、裸締めで宇野選手が勝利!

【バーチャルドリームマッチその2 ~秋山成勲×ヴァンダレイ・シウバ~】
登場するなり「誰やねん!」のツッコミに、選手はもちろん会場も大笑い。それはともかく、ヴァンダレイ・シウバ選手のモーションやモデリングは満場一致で「激似!」。倒れ方までソックリ! と選手も大絶賛(?)

【スクリーンショット】




 今回は共同記者会見ということで、WOWOWやUFCから今後のコンテンツ展開について発表が行なわれた。WOWOWでは、10月6日より「UFC登竜門 ジ・アルティメット・ファイター シーズン9(毎週火曜・深夜00:00より放映:全13話)」、10月25日の夜11時に「UFC -究極格闘技- UFC104 MACHIDA VS SHOGUN」、11月15日の夜11時に「UFC -究極格闘技- UFC105(仮題)」、11月22日の夜10時に「UFC -究極格闘技- UFC106 LESNAR VS CARWIN」をそれぞれ放映する。

 興行関連では、会場の選手自身からサプライズ発表が行なわれた。宇野選手は、11月21日の「UFC106」に参戦が決定。対戦相手は、ブラジル出身のファブリシオ・カモエス選手(30歳)。今回がUFCデビュー戦で、総合格闘技の戦績は10勝4敗。復帰2戦目ということになるが、宇野選手は「前回、悔しい判定というか。負けてしまったので、絶対に勝ちたいと思います。6年ぶりに復帰したUFCは、やはり、前回とはちょっと違っていたところも肌で感じて、わかった。今回は、その反省点を生かして次につなげたいと思っています」と抱負を語ってくれた。

 岡見選手は「UFC104」に出場。対戦相手は、アメリカ出身のチェール・サネン選手(32歳)。総合格闘技の戦績は24勝10敗1分。「5月にちょっとケガをしてしまい、10カ月ぶりのオクタゴンなんですが。今回は(回復や調整など)すべてにおいて順調。久しぶりの試合なので、今までためた力をぶつけられるよう頑張りたいと思います」とコメント。ケガをした所も完治し、凄くいい練習もできて体調も万全だという。

 秋山選手は「UFC110、111かハッキリわからないけれど」と前置きしつつも「試合が決まりました! 対戦相手は、みなさんが噂されていた選手。日本でも凄く有名な、ヴァンダレイ・シウバ選手(総合格闘技の戦績は32勝10敗1分1無効試合)と戦うことが決まりました」と宣言。会場から自然と沸き起こった拍手は、まさに期待感の表れといっていい。「『PRIDE』で凄く強く、有名ですし。僕も凄く楽しみにしています。みなさんも楽しみにしていてください」とコメント。高阪選手も「これは楽しみですよね! 実際、お互い“かみあう”選手同士だと思うので、凄く熱い試合が観られると思うんですよね。この試合は、できたら現地で観たいですね」と興奮を隠せない様子。

 水垣選手は「僕も年内にもう1試合くらいできたらな、と思っています。それに向けて準備して頑張るので、決まったときはみなさん応援をよろしくお願いします」とコメント。対戦相手など詳細はまだ決まっていないが、日本国内におけるWECの注目度を高めていくという意味でも、水垣選手の活躍が必要不可欠。重量級にはないスピーディな攻防が魅力のWEC。興味がある人は、ぜひUFC公式サイトなどでチェックしていただきたい。


ゲストとして登場した日本人トップファイターには、UFCを運営するZUFFAを代表して、ニューメディア アカウントマネージャーの石橋亮作氏から8角形のリングをイメージした記念品の指輪「オクタゴンリング」が贈呈された。司会進行氏から「特別なものということで、ぜひポーズをとって写真におさまってください!」とすすめられるも、なんともいえない微妙な雰囲気に会場や選手たちから笑みがこぼれる


Game and Software (C)2009 THQ Inc. (C)2009 Zuffa, LLC. All Rights Reserved. Developed by YUKE’S Co., Ltd. YUKE’S Co., Ltd. and its logo are trademarks and/or registered trademarks of YUKE’S Co., Ltd. THQ and the THQ logo are trademarks and/or registered trademarks of THQ Inc. All Rights Reserved. All other trademarks, trade dress, service marks, logos and copyrights are property of their respective owners.

(2009年 10月 13日)

[Reported by 豊臣和孝]