東京ゲームショウ2009レポート
キッズコーナー、東京ゲームショウ主催者企画、CoFesta連動企画
子供を対象としたゲーム作りを体験できる「クリエイターさんのお仕事体験」など
「東京ゲームショウ」といえば各社が最新のゲームを競って出品するというイメージが強いが、主催者側も様々な企画で出展している。特に日経BP社と共催という形になってからは、それまで以上にアイディア溢れる企画展示が行なわれている。
今年は一部昨年出展されていた内容を受け継ぐ形の物も出展されていたが、例えばキッズコーナーに設置されたCoFesta、TGS、日本ゲーム大賞の連動企画となる「クリエイターさんのお仕事体験『君だけのオリジナルゲームをつくろう』」などは面白い試みだ。こういった展示が今後も充実していくことを望みたい。
■ キッズコーナー
キッズコーナーも9時半の開場時には、ゲート前にズラリと行列ができあがっていた |
キッズコーナーにもステージが用意されており、様々なメーカーの子供向けのショーが予定されている。写真はバンダイナムコゲームスの「『アンパンマンとタッチでわくわくトレーニング』~一緒に遊ぼうステージ」。人気のアンパンマンも登場 |
キッズコーナーは例年通り一般公開日に8ホールに設置されていた。メインステージほどではないがステージも用意されており、1時間おきくらいにステージが開催され、KONAMIの「ファミリーチャレンジWii」やバンダイナムコゲームスの「『アンパンマンとタッチでわくわくトレーニング』~一緒に遊ぼう」、タイトーの「クッキングママ」といったゲームのステージはもちろん、「侍戦隊シンケンジャー」や「つくってあそぼ」といったテレビ番組のショーなども開催され人気を集めていた。1番奥には駄菓子のコーナーがあったり子供が楽しめるよう試行が凝らされていた。
ゲームの試遊コーナーは比較的ゆったりとしており、親子連れで大勢が行列をつくることも想定した構成になっている、また、スクウェア・エニックスの「ドラゴンクエストVI」やレベルファイブの「イナズマイレブン2」など一部メーカーでは子供達がゆっくりと座ってプレイできる環境を整え、楽しんで貰おうといった姿勢が好印象だった。また、セガの「スーパーモンキーボール アスレチック」やカプコンの「ロックマン エグゼ オペレート シューティングスター」などではプレイするとプレゼントがもらえるなど企画されていた。
併設されていた企画展示で最も面白そうだったのが、ゲーム作りを体感できる「クリエイターさんのお仕事体験『君だけのオリジナルゲームをつくろう』」だ。1時間おき程度に1日9回実施され、親子で受けることができる。受付で満杯になっており、それだけ注目を集めたと言うことだろう。
「クリエイターさんのお仕事体験」ではまず最初に簡単な横スクロールアクション「はしれ!トーキョウゲームショウ2009」をプレイし、それを元にゲーム作りを体験。パソコンを使って配布されたワークシートに沿ってゲームを創っていく。グラフィックスやサウンドを作り、動くか確認していく……と、これを体験すればほぼゲーム作りの概略は理解することができるだろう。講義時間は40分程度で1つのテーブルに1家族となっており、そこに1人の講師がつきっきりで教えてくれる。親にとってもゲームがどうやって創られているか知ることで、少しはゲームへの理解が深まるかもしれない。できあがったゲームは講義の終了後50分ほどで受講者に手渡される。自分で創ったゲームを家に帰って楽しめるというわけだ。
この他にも雑誌「日経キッズプラス」が協力した主催者企画「ゲーム科学博物館」では、グラフィックスの変遷をボードで説明すると共に、「ドット絵」のコンテストを実施した。方眼模様の専用用紙に好きなドット絵を描き、その場に設置されている応募箱に投函すると応募したことになり、「日経キッズプラス」で審査が行なわれ後日掲載されることとなる。
古いゲームと新しいゲームを隣り通しに出展し楽しんで貰おうという企画「~どっちもやっぱり面白い!~なつかし&最新ゲームにチャレンジ」では、「スーパーマリオブラザーズ」と「スーパーマリオギャラクシー」、「バーチャファイター」と「バーチャファイター5 Live Arena」といった具合に並べて新旧対決が楽しめた。小さな子供達が新作よりむしろ「スーパーマリオブラザーズ」や「バーチャファイター」を熱心に遊んでいたのは面白い光景だった。
■ ゲームと戦国時代の関係を探る?? 「ゲーム科学博物館」
歴史が好きな女性のことが「歴女(れきじょ)」と言われるようになり、ブームを巻き起こしているが、それに合わせたかのような主催者企画のブースが用意されている。「ゲーム科学博物館」のひとつ「トレンド分析~戦国武将とゲームの関係」と題されたブースだが、分析が行なわれているかは謎だが、長野県上田市、宮城県白石市ほかの協力を得て人気武将の甲冑がズラリと展示されている。
そこに出展しているのがコーエーの「戦国無双」シリーズと、カプコンの「戦国BASARA」の2つのシリーズだ。両シリーズの試遊コーナーでは、それぞれシリーズ作品全てが出展されており、シリーズ最初から現在発売されている最新作までプレイすることができる人気シリーズであるだけに試遊台はいつも埋まっているほどの人気。また、歴史好きの人から海外の来場者まで興味津々の目を武将の甲冑に向け、写真を撮る姿が見られた。
タイトルにあるように分析がされていたかどうかは考えさせられるが、トレンドとして展示され、ゲームとの相性は抜群であることはこのブースの混雑具合が証明していると言える。来年は来年のトレンドを追いかけ、面白い企画展示にして欲しい。
■ CoFestaメインブースでは3D映像や最新技術を学ぶことができる
「JAPAN 国際コンテンツフェスティバル 2009(愛称:CoFesta)」との東京ゲームショウ、日本ゲーム大賞の連動企画として出展されていたのが「CoFesta メインブース」。3D映像をはじめ、普段あまり接することの無いような最新技術が出展されており、興味を持ち並んでいた人であふれかえった。
ゲームがただエンターテインメントとして遊ばれているだけでなく、リハビリなど様々な分野で役に立っていることなどがパネル展示されているほか、今後ゲームに応用できそうな技術も紹介されている。
たとえば、頓智・株式会社の「セカイカメラ」。GPSやジャイロセンサーといった技術を応用し、現在自分がどこにいるかを検知。その上でそこから見える風景(映像)にタグを埋め込むことができる。例えばある場所でiPhoneなどカメラがついている機器をかざし周りの風景を見てみると、そこにある建物などに対して各種情報を吹き出しのように表示することができる。この技術を応用すれば、例えば東京タワーのような場所でタワーにカメラを向けると東京タワーの情報やアドベンチャーゲームのヒントや犯人の情報などが表示されるといったアイディアが考えられる。
このほかにも3D映像に長い行列ができるなど、来場者の興味を引いていたようだ。
【ゲーム科学博物館】 | ||
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昨年もあった「ゲーム科学博物館」。今年もコンシューマーゲーム機を分解したものが展示されていた。昨年と同じものかと思ったが、PSP-3000や、歴代PS3を並べて分解していたりと、なかなか勉強になるコーナーとなっている。この他にもデュアルショックがどのように位置情報を検出しているかをリアルタイムにグラフで示す出典物などが置かれていた |
【「日本ゲーム大賞フィーチャー」の投票所】 | |
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「日本ゲーム大賞フィーチャー」の投票所は人気を集めていた。会場でプレイし、面白いと思ったタイトルに投票するシステムで、来場者にとってはすっかり定着したイベントだ。投票した人の中から200名に新作ソフトがプレゼントされる |
□東京ゲームショウ2009のホームページ
http://tgs.cesa.or.jp/
(2009年 9月 27日)