「飛天オンライン」大型アップデート「妖魔塔の謎」先行体験レポート
幾多の謎を秘めた妖魔の塔、今後はさらなるレイドボスや“毎日イベント”なども

9月9日収録




 株式会社ガマニアデジタルエンターテインメントは、ファンタジーMMORPG「飛天オンライン」において、大型アップデート「妖魔塔の謎」を、9月17日と9月24日の2度にわけて実装する。

 「妖魔塔の謎」では9月17日にレベル40から挑戦できる大型ダンジョン「妖魔の塔」が実装されるほか、妖魔を封じることができる「ミスティックブック」。9月24日にレベルキャップを解放するクエストに関わるレイドボス「女王蜘蛛」が実装される。「飛天オンライン」ではさらに10月、11月にもアップデートを予定しているという。

 今回はガマニア本社での体験プレイの他、本作のディレクターを務めるオンライン事業本部の宮島朋之氏と、事業本部 第1事業部マネージャーの長谷純倫氏に今後の展開などを聞くことができた。


■ レベル40からプレーヤーの力に応じて挑戦できるダンジョン妖魔の塔、「黄金の宝箱」を目指せ!

モンスターとの激戦と、様々な仕掛けの詰まった妖魔の塔。パーティーでの挑戦は戦い方や謎を解くのに相談し合うのも楽しいだろう
中ボスの1人「雷帝」。最終戦は4種類の仕掛けをすべてクリアしないと、最終ボスと共に中ボス達も襲いかかってくる

 「飛天オンライン」は日本では2006年にサービスがスタートしている。台湾のゲームメーカーSoft Starが開発した作品で、韓国産MMORPGが数多くサービスされていた当時、「台湾産のMMORPG」としてひときわ注目を集めた。武侠をテーマに古代中国の伝説をベースにした世界観を持っている。メインクエストではムービーシーンといった演出も入り、オリジナリティを強く感じさせる作品だ。

 「妖魔塔の謎」は「飛天オンライン」1年ぶりとなる大型アップデートである。その目玉は新ダンジョン「妖魔の塔」だ。この塔は青海湖盆地にある鳳凰の塔の入口から挑戦することができる。妖魔の塔のストーリーは、激しくなってきた妖魔の活動の原因を確かめるため、プレーヤー達は妖魔の塔に向かうことになるという、これまでの伏線を受け継いだ形となる。妖魔の塔の奥にはどんな秘密が隠されているのだろうか? システムとしては、パーティーでの挑戦が可能なインスタントダンジョンとなる。

 妖魔の塔は1人でも挑戦可能だが、多くのモンスターに囲まれたり、仕掛けがあったりと1人で進むにはかなりきついバランスだ。ただしこの塔では特別なアイテムがドロップされるため、狩り目的だけなら1人でも可能だ。このコンテンツは入るパーティーのプレーヤーレベルに応じてモンスターの強さが調整されるようになっており、対象レベルはレベル40以上。パーティープレイの場合、モンスターのレベルはパーティーの平均値となる。パーティーメンバーの中に高レベルプレーヤーがいると難易度が上がるので注意が必要だ。

 塔の中には「神秘の石柱」というオブジェクトがある。実はこれが結界を張り、プレーヤー達の行方を阻んでいるのだ。プレーヤー達は周囲のモンスターを狩ることで、「生命の火」というアイテムを入手できる。この生命の火を神秘の石柱に入れることで結界が解除される。生命の火は数十個必要なため、かなりのモンスターを狩らないと集まらないだろう。

 妖魔の塔では要所要所で、ストーリークエストで登場したボス妖魔が行く手を阻む。ボス妖魔の強さは、プレーヤーの強さに応じて変化する仕組みになっており、配下のモンスターを大量に呼び出して来るので、囮役のプレーヤーなど、連携を活かした戦い方で進みたいところだ。

 面白いのは、亀の像のある部屋。ここの結界を解除するには亀の像を動かし、向きを中央に合わせなくてはならない。微妙な角度の調整をしなくてはならず、試行錯誤が必須だ。また「妖魔の塔の石獅子」というモンスターが出現する部屋ではパーティーのメンバーがつり下げられている檻に閉じこめられてしまう。檻に閉じこめられるメンバーは時間ごとに増えていき、さらに牢の中では炎にあぶられダメージを受ける。解放するには外のメンバーが仕掛けを壊さなくてはならない。仕掛けを壊すか、できるだけ早くモンスターを全滅させて仲間を救うか、パーティーでの決断が重要となりそうだ。

 妖魔の塔の階層はそれほどないが、様々な仕掛けとモンスター、さらに中ボス達が行く手を阻み、攻略はかなり時間がかかる。このため侵入する際にプレーヤーは「記憶の石」というアイテムを与えられている。このアイテムはパーティーリーダーのみが持つことができ、妖魔の塔にある「封憶の石台」でそこまでの進行をセーブできる。再挑戦したい場合は、リーダーが記憶の石を入口で使い再挑戦すると、ポイントまでのモンスターが消え、スムースに先に進むことができる。ちなみにリーダーが石を持っていればパーティーメンバーが替わっても大丈夫だ。きつい場合は助っ人を呼んでさらに奥に、というのもいいだろう。

 最後のボス「魔王龍鬼」と戦う前の部屋では4つの仕掛けがあり、その中の1つ「古い石碑」では様々なクイズを出される。「飛天オンライン」に関する知識を要求されるクイズで、正解することで仕掛けを解除できる。仕掛けは4種類あり、これらを解けないか、石碑を無視して進んだ場合、魔王龍鬼に加え、これまで妖魔の塔に登場してきたボス達が再出現し、1度に襲いかかってくる。かつてないほどに激しい戦いになるだろう。この挑戦にプレーヤー達はどう応えていくのだろうか。

 妖魔の塔ではモンスターを倒すと低確率で「宝箱」が手に入る。箱は青銅、銀、黄金の等級がある。これらの箱は鍵がかかっている。青銅の箱を開ける青銅の鍵はモンスターからドロップされるが、銀の鍵は青銅の箱から、黄金の鍵は銀の箱から出てくる。黄金の箱にはここでしか入手できない「武器」や「希少な錬金材料」、「高レベル用回復アイテムの錬金図」が入手できる。しかし黄金の箱は出現確率も低く、鍵の入手も難しい。ただし、鍵は課金アイテムとしても供給される予定だという。中ボスは必ずいずれかの箱を落とす。アイテム目的で妖魔の塔に挑戦するプレーヤーも多いだろう。


妖魔の塔には様々な仕掛けがある。これらの謎に挑戦するのも楽しい
中央がプレーヤーを閉じこめてしまう檻だ。右の封憶の石台を使うことで進行がセーブできる
妖魔の塔ではモンスターが数をなして襲いかかってくる。アイテムを集めるためにも大量に倒さなくてはならない
プレーヤーの行く手を阻む中ボス。最終戦で運が悪ければ、右のように勢揃いした敵と戦わねばならない


■ 妖魔を呼び出せる「ミスティックブック」、レイドボス「女王蜘蛛」。さらに10月、11月と毎月アップデート

妖魔を呼び出せるミスティックブック。お気に入りの妖魔をコレクションすることも
レイドボスは、何人でも集団で挑める。プレーヤー達の攻略魂に火をつける存在だ

 9月17日に追加されるもう1つのコンテンツが「ミスティックブック」だ。「飛天オンライン」ではこれまでも妖魔を崑崙収妖鏡でたまごに封じ、使用することでコントロールできたのだが、1度限りの消費アイテムだった。ミスティックブックを使うことで、好きなときに妖魔を呼び出すことが可能になるのだ。

 このミスティックブックは各種族のスタート地点と長陽城をつなぐ「はじまりの地」のNPCから入手できる。ミスティックブックには「妖魔封印カード」を入れることが可能で、こちらはNPCから購入できる。崑崙収妖鏡で妖魔を封じ込めた「たまご」を5個用意し、その上で妖魔封印カードを使うと妖魔を「妖魔カード」に封じ込めることができる。妖魔カードをミスティックブックに入れることで、プレーヤーはいつでも妖魔を使役することができる。ただし妖魔を呼び出すにはレベルに応じた「妖魔の霊薬」が必要となる。

 妖魔の霊薬はドロップアイテムとして入手できる。妖魔は連れ歩くだけでなくもちろん戦闘させることも可能だが、体力が0になると本に戻ってしまう。販売アイテムの「ペット体力薬」というアイテムで体力を回復させることは可能だ。呼び出した状態で他のゾーンに移動しても妖魔は戻ってしまう。低レベルの妖魔ならば霊薬も少なく、気軽に呼び出すことが可能だ。ペットの代わりに妖魔をお供につれたプレーヤーも多くなるだろう。ちなみに、妖魔カードは他のプレーヤーと取引できる。

 9月24日に実装されるレイドボス「女王蜘蛛」に挑むためには、長陽北区の「防風氏の墓」の最奥部に行かなくてはならない。この女王蜘蛛を倒せばプレーヤーはレベル68になるための条件のアイテムや、強い装備品を得ることができるという。

 「飛天オンライン」ではレベル60以上から上のレベルになるためには様々な条件を満たさなくてはならない。具体的にはアイテムを集めたり、称号を得るといった条件が設定されており、レベルキャップである68に到達するためのアイテムをドロップするのがこの女王蜘蛛なのだ。ちなみにレベル69になるためには10月に実装予定のレイドボス「火眼スオーニ」を倒さなくてはならない。レベルキャップ開放はもうすこし先だ。

 女王蜘蛛に挑むには女王の息子「バトン」、そして「闇夜キョンシー」という中ボスを倒さなくてはいけない。それぞれの中ボスは配下を引きつれ非常に強敵だ。レイドボスの敵は「飛天オンライン」ではこれまで3体登場しており、最初のころは20人以上のプレーヤーが集まって挑戦していたが、現在は攻略が進んで10人程度で倒せるようになっているという。ただし、今回のボスはこれまで以上の強敵とのことだ。女王蜘蛛がドロップする貴重なアイテムを求めて、プレーヤー達の激しい挑戦が期待できそうである。

 さらに「飛天オンライン」は10月、11月と3カ月連続のアップデート、そして今冬でのシステム追加を予定しているという。10月には「火眼スオーニ」とレベルキャップを69に引き上げるほか、「装備レベル変更システム」が実装される。「飛天オンライン」ではレベルキャップ解放前の装備が現在登場している。またレイド参加などレベルアップのための条件が厳しいため、到達できないプレーヤーもいるという。「装備レベル変更システム」実装により、装備のレベル条件を下げられる。このシステムの詳細やバランスは今後改めて発表されるという。

 11月以降は「毎日イベントシステム」はミニクエスト、ミニイベントが用意されていて、運営側で任意にスタートさせることができるようになるという。1日のうちに何回やるか、開催時間や項目はどうするかなどはまだ未定だが、毎日ゲームに入るのが楽しくなる仕掛けになるという。○×クイズイベントなど、専用のフィールドを時間限定で解放しクイズを行なうといったイベントもあり、どこでやるかなども設定できる。従来は1つ1つGMが設定していたものを、システムでフォローするということでどんなイベントが開催されるか楽しみだ。

 さらに長陽城に“裏世界”とも呼ばれる世界が一定時間開き、そこのボスに挑戦できるという「長陽城ボス襲撃システム」が実装される予定だ。この他今冬にはギルドにあたる「流派」のシステムのアップデートが行なわれる。わかっている要素では、流派のメンバーが集まれる部屋を飾り立てるといったシステムが追加されるという。また、中級者がさらに狩りが楽しくなるような新マップも追加される。この他にも既存の地域のアップデートなども台湾では行なわれており、今後のアップデートも楽しみである。


ミスティックブックで妖魔をどこにでも召喚できる。戦闘にも活躍するが、連れ歩くだけでも楽しい
女王蜘蛛にたどり着くまでにはいくつもの難関がある。中ボス達も強力で多くのプレーヤーの連携が必要だ
女王蜘蛛は変身により真の姿を現わす。彼女を最初に倒すプレーヤーは誰だろうか


■ 3カ月連続アップデートの機会に初心者へのアピールも。3年目からの飛躍を計る「飛天オンライン」

本作のディレクターを務めるオンライン事業本部の宮島朋之氏
事業本部 第1事業部マネージャーの長谷純倫氏

 アップデートの話の他、スタッフにこれまでの「飛天オンライン」の感想や、今後の取り組みに関してインタビューを行なった。

 まず、マネージャーの長谷氏はこれまでの「飛天オンライン」の展開を振り返り、「私は『飛天オンライン』のほか、『ルーセントハート』、『アンリミテッドハーツ』、『ホーリービースト』といったタイトルを担当しているのですが、本作はそれらのタイトルに比べてもシステムが充実しているのに、ユーザーへのアピールが足りなかったかと思っています。これからはもっと認知を広げユーザーさんに触ってもらいたいと思います」と語った。

 ディレクターの宮島氏は「『飛天オンライン』の特徴の1つは、プレーヤーさん達の継続率の高さです。女性ユーザーも多く、コアユーザーさん達は本当に熱心にプレイしてくれていますが、ちょっと取っつきにくいところもあり、初心者が少なくなっていた。現在システムが充実し、最初に経験値2倍のアイテムを配るなどよりプレイしやすいゲームになっています」と語った。

 台湾では自動的に流派(ギルド)に新規ユーザーを割り振るシステムが実装されている。ベテランユーザーと新規ユーザーを繋ぐためのアイデアとして日本でも検討しているという。初心者用の流派を作るアイデアもあり、開発側でも初心者をフォローするシステムを別途準備していく方針だ。

 「妖魔塔の謎」は「飛天オンライン」にとって1年振りの大型アップデートになる。宮島氏は「日本でのバランスを考えて調整に時間がかかっていた部分もあります。ユーザーさんからは大きなアップデートが少なかったために『飛天オンライン』が目立たなくなってしまう、という不安を持っている方もいたようです。そういった心配に応えるためにも今回大型アップデートという形で実装をすることになりました。今後も元気なところを見せていきたいと思います」。小さなアップデートは繰り返されていたが、今回からは“アピール”という部分にも気をつけていく。

 新要素に関して、日本オリジナル要素というものはなく、基本的に台湾で実装されたものを実装していく予定だ。ただし、台湾はさらにコアプレーヤー向きになっていて条件などが厳しいものもあり、バランスに関して力を入れて調整しているとのことだ。日本の要望で最も反映されているのが「アバター」である。「飛天オンライン」は東アジア地域だけでなく、ヨーロッパや北米でもサービスが開始されたが、アバターに関しては日本の意見で実現したものが世界へ、というのが現状で、宮島氏はまだ日本、台湾以外の国からのフィードバックは少ない様に感じているという。

 長谷氏はゲームメーカーとして歴史を持つ開発元のSoft Starだけに「コンテンツがしっかりしたものである」ことを評価している。また3年以上の運営を続けながら初心者をフォローするシステムを入れる視野の広さも評価しており、「ゲームというものをよく考え、作ってくれるメーカーだと思います」と長谷氏は語る。アバターに関しても日本で受け入れられるデザインが多いが、たまに「リアルなタコ」などちょっとセンスの違うアイデアを出してきたりもする。

 宮島氏は「飛天オンライン」の現在の問題点として、本編のメインのストーリーであるメインクエストが完結していない点を挙げる。これは開発担当の変化などで起きている問題で、他のエピソードに移ってしまう形で2年近く放置されている。新章に移るのではなくストーリーが完結しないままストーリーが派生しているのが現状だ。日本ではストーリーを進める要望は常に出している。

 「飛天オンライン」ならではのオリジナル要素として宮島氏は「多彩な職業とスキルを組み合わせた、自分ならではのキャラクター作成」だと語る。「飛天オンライン」では強いキャラクターになるには複数の職業を育てスキルを習得していく。その過程で、どこに重点を置くかでキャラクターの方向性は変わってくる。

 ソロ指向の攻撃と回復能力を持ったキャラクター、ボス相手の防御力重視のキャラクター、ギルド戦に向けた攻撃に特化したキャラクター、通常攻撃重視とスキル攻撃重視など、様々なキャラクターバランスを求めることができる。今後はレベルキャップを上げていくのではなく、新しいスキルを追加して個性を求めていく方向になっていく。宮島氏もこの流れを開発に求めていきたいと語る。

 ユーザーからの要望としては流派のレベルを上げる目標がない、という声がある。これに関しては今冬の流派システムのアップデートで応えていく。装備による髪型の特徴が消えてしまうところ、髪型の変更、装備のバリエーションといったアバターの要望も多いという。

 この他にもゲームバランスの要望がある。レベル50を超えてもソロプレイでレベルを上げられるようにして欲しいというものが多い。ソロプレイ志向は日本のユーザーが上げる要望としてはポピュラーなものだろう。「飛天オンライン」ではソロプレイでのレベルアップの道筋をきちんと用意していくという。

 今後宮島氏は「飛天オンライン」では「変化し続けている」点を特にアピールしたいという。サービス開始時から比べて、「飛天オンライン」は格段に遊びやすく充実したゲームになっている。今回の3カ月連続アップデートで休止したユーザーにも戻ってきてもらえるような積極的な広報活動を考えている。長谷氏によればタイアップの企画も進行中とのことで、初心者のユーザーが入ってくるような体制作りを目指していくという。今後の情報公開を待ちたいところだ。

 最後にユーザーへのメッセージとして宮島氏は「『飛天オンライン』は、ユーザーの皆様からのご意見やご要望を元に変化し続けてきました。これからも『飛天オンライン』は変化し続けていきます。新たにゲームを始める方にはより遊びやすく、遊び続けていただいている方には、より遊び甲斐のあるゲームにできるよう開発共々取り組んでいきますので、これからも『飛天オンライン』をよろしくお願いします」と語った。


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Publshed by Gamania Digital Entertainment Co., Ltd

(2009年 9月 17日)

[Reported by 勝田哲也]