Electronic Entertainment Expo 2009現地レポート

KONAMIブースレポート
2本のホラーゲーム「Silent Hill Shattered Memories」、「SAW」他、 「DanceDanceRevolution」、「Zephyr: Rise of the Elementals」など多数の新タイトルを出展

6月2~4日開催(現地時間)

会場:Los Angeles Convention Center

 

 KONAMIは「Silent Hill Shattered Memories」、「SAW」という2つのホラーゲームを中心に、「DanceDanceRevolution」といった音楽ゲーム、DSタイトル、iPhonのゲームなど多彩なラインナップを出展していた。

 米国のコナミはKONAMIは日本のタイトルを展開するだけでなく、北米市場にフォーカスしたタイトルも多数発売している。本稿では日本で発売を予定しているタイトルに加え、大きくアピールされていた注目タイトルを紹介していきたい。

「Yu-Gi-Oh! 5D's」など日本で発売されているタイトルや、アリの生活を戦略シミュレーション「Ant Nation」などDS向けタイトル、iPhonタイトルなどが出展されていた



■ シリーズ1作目をリメイク。雪に覆われた舞台でオリジナルストーリーを展開する「Silent Hill Shattered Memories」

両手を前につきだして敵を突き飛ばす。Wiiならではの特性を取り入れている

 「Silent Hill Shattered Memories」はWii、PSP、PS2で発売されるホラーアドベンチャーゲームだ。北米では2009年秋発売予定で、価格は未定だ。本作は「サイレントヒル」シリーズの第1作目をリメイク、新しいストーリーが展開するという。

 主人公はハリー・メイスン。彼は車で事故を起こし、気がついたときに一緒に車に乗っていたはずの娘のシェリルがいなくなっていることに気がつく。ハリーはシェリルを探し求め、謎に満ちた廃墟の街サイレントヒルをさまようことになる。

 「Silent Hill Shattered Memories」は基本的なストーリーラインは第1作目と同じだが、ハリーが歩くことになるサイレントヒルの街は全く違う場所になっている。街には雪が降り積もり、その雪の中をハリーは歩いていくことになる。今回はWii版を触ることができた。

 本作はハリーの背中を見ながらゲームを進めていく3人称視点のアクションアドベンチャーだ。Wii版ではヌンチャクコントローラーを使い、アナログスティックでハリーの移動を行なう。ポインター機能が懐中電灯になっておりプ、レーヤーは実際に懐中電灯を持っているかのように画面にコントローラーを向けることになる。敵に襲われた時などは焦ってしまい懐中電灯を構え直すのを忘れてしまう感覚が面白かった。

 襲いかかってくる敵は人型の黒い存在で、細部がよくわからないところが怖い。ゆっくりとハリーを取り囲むように移動してくる。プレーヤーは怪物を突き飛ばしてその場を逃れていく。敵を突き飛ばすのは、コントローラーを握った両手を前に突き出して行なう。突き飛ばしても敵はいったん離れるが、倒せるわけではない。体験プレイをしていた人の中には、「武器はないのか!」と探しているプレーヤーもいた。筆者のプレイでも武器は見つけられなかった。

 今回のバージョンは、とにかく敵から逃れながら探索する、という感じなのだが、なかなかストーリーが展開せず、敵に追いつめられて倒されてしまった。英語版というところも大きかったが、それ以上に昨今のゲームとしてはプレーヤーを導く要素が少ないかなとも感じた。今後どのように作り込んでいくかに期待したい。1作目のリメイクということで今後どのような展開になるかも注目したいところだ。


暗い雪の中を進んでいく。モンスターに襲われた威力が減ると、画面が乱れていく。静かな雰囲気だからこそ恐怖が倍加する



■ サスペンス映画シリーズをゲーム化。死の罠の中で繰り広げられる極限の人間ドラマ「SAW」

映画にも登場した拘束具。時間がたつと頭が破壊されてしまう

 「SAW」はPS3、Xbox 360、PCで発売されるアクションアドベンチャー。発売時期・価格は未定だが、日本での発売も予定しているという。本作は同名の映画シリーズをモチーフとしており、映画同様の緊張感が体験できる作品となっている。

 映画「SAW」は何かしらの罪を犯した人物が、“ジグソウ”と名乗る謎の猟奇殺人者に閉鎖された空間に閉じこめられる。閉じこめられた人物達は、様々な死のトラップにおびえつつ、脱出するための戦いを繰り広げる。閉鎖空間で生き残れる人間は誰なのか、犯人は誰なのか、閉じこめられた人物達の過去は、そして極限状態で人々はどんな決断を下すのか。ぎりぎりの状況においての人間模様が展開していく。このコンセプトが評価され現在、5作まで映画が作られている。

 ゲーム版「SAW」でプレーヤーはこの殺人ゲームに巻き込まれた探偵のTappとしてジグソウの仕掛けるデストラップに挑まなくてはならない。Tappはジグソウに人生を破壊されてしまった犠牲者であり、復讐者だ。Tappは目覚めると自分が奇妙な金具を顔にはめられ病院のような部屋に閉じこめられていることに気がつく。目の前に同じ金具を付けた人形がある。

 突然Tappの横にあるモニターから、ジグソウが仮の姿として利用している人形が彼に話しかけ、殺人ゲームが始まったことを告げられる。金具にはタイマーが仕掛けられていて、目の前の人形の金具が突然しまり人形の顔がたたきつぶされる。Tappの金具のタイマーが動き出す。ゲームの始まりだ。Tappは戒めを引きちぎり、制限時間内に金具をはずすために必死の行動を開始する。

 Tappのいる施設には他にも何人もの人間が閉じこめられている。中にはデストラップによって殺されてしまう人も出る。彼らは生き残るため必死の行動をしていく。彼らを生かすことができるか、それとも自分が生き残るために犠牲にしなくてはならないか、プレーヤーは様々な場面で選択を迫られることになるだろう。

 今回体験したバージョンではゲーム的なアプローチが面白かった。死の金具は時間制限内に行動をする必要があり、次の鍵をはずすのは数字を探すために部屋全体を探さなくてはならない。また、襲いかかってくる人に対してどうするかといった決断を迫られる。他の人の生死は今後のゲーム展開に大きく関わってくるのは間違いない。「サイレントヒル」の化け物とはまた違った緊張感と恐怖があり、どうなっていくか楽しみだ。日本での発売、ユーザーの反応が楽しみだ。


常にせき立てられるような緊張感がある。選択に失敗すると即死したり、デモシーンで出会う前の犠牲者がいたりと、過酷な状況を再現している



【DanceDanceRevolution】
PS3、Xbox 360、Wiiで発売される。Wii版には専用のコントローラー以外にも「Wii Fit」に対応。腰を振り、リモコンを振ることでゲームが進む

【Karaoke Revolution】
PS3、Xbox 360、Wiiで発売される。マイクを握って決められたリズムでうたうことで評価が上がっていく。ノリノリでうたう来場者も

【Zephyr: Rise of the Elementals】
こちらもPS3、Xbox 360、Wiiで発売予定。竜巻が主人公のアクションゲーム。周りのものを巻き込みながら進み悪の勢力を倒すことを目指す。プレーヤーは正義の竜巻だが、破壊が楽しいというユニークなゲームだ

(2009年 6月 7日)

[Reported by 勝田哲也 ]